log in - 87 愉快な仲間たち?
本日4話投稿 - 4/4
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……うん、ここまではいい。
ゴブリンの2人旅とか誰得? とか。絵面的に真っ先に狩られるよな!? とか。
うん、色々とツッコミが入りそうではあるが……まあ、それもいい。
それが、ほんと……何でこうなる?
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「『鉄血のオデット』に、ですか?」
「ああ、本場の鍛冶場がどんなものなのかが知りたくてな」
視界の端で揺れる透き通るような銀の髪。
そちらへと目を向ければ、その腰まで伸びる透明さよりもなお薄い、色白の肌を持つ少女……ミラベルは、その儚い容姿とは裏腹な意思の強さを窺わせる金色の瞳を俺へと向けていた。
そこには、その色彩よりもなお“キラ、キラ”と輝くような好奇心が浮かんでいる。
どうも、洞窟の中などに生える【ケイブマッシュルーム】というものがあるそうなのだが、かの『鉄血のオデット』に在る鉱山の中では時折その変異種? 亜種? が見つかるらしいのだ。
そのままでは猛毒だということなのだが【調薬】での素材に加えることで、格好をかなり高めることができるのだそうな。
因みに、普通の【ケイブマッシュルーム】といえば……。
「えと、あの……きょ、強壮剤なんかにつかわれますぅ……」
頬を赤らめて添う言葉を綴る少女。その反応から察するに、そっち方面の薬なのだろう。
白い肌が故に、その赤さはより一層はっきりと色彩を放っている。
――種族名 フェア・アステーゼ――
亜神の血統というその仰々しさとは裏腹に、実に初々しい少女である。
なに? オヤジ臭い? だまらっしゃい!!
「私の一度行ってみた「いかぁ~~~~~んっっ!!」い、で……す、って!? お爺ちゃん!?」
なん……だと……。
このおっさん、今……どこから生えた!? 気配も何も、まったく感じなかったぞ!?
この世界の住民てさ? 時折、さらっと能力的なものを超越してくるよな!?
くぬぅ、侮れん!
「えと、おじ「いかぁ~~~~~んっっ!! いかんぞ、ミラベル! 男と2人旅なんぞ、絶対にいかぁ~~~~~んっっ!!」……って!? ふ、2人ぃいっ!?」
なぜそこで赤くなるよ? 余計におっさん迷走するだろ……。
まあ、男と2人旅というのは間違ってはいないが、な……。
正確には……男の2人旅、だが……。
「はっはっはっ! ご安心ください、お祖父さん。マイスイートハニーの身の安全は、このボクがしっかりと守ってみせますよっ“キランッ”!!」
……増えたよ……。
「いかぁ~~~~~んっっ!! いかんぞ! ミラベルを男と旅をさせるくらいならば、儂が代わりに行くぞ! 行くったら行くぞぉおおおおおっ!!」
どうして……そうなる?
「わたし……行くとは言ってないんだけどなぁ……。ごめんなさい、アギトさん。お爺ちゃん、ああなったら絶対に聞かないから……」
ほんと……なぜにこうなるのか……?
目の前で盛り上がる男2人の言い合いに、諦念を感じさせる目を向ける俺とミラベル。
噛み合っているようで、まるで噛み合っていない。そんな掛け合いに……こいつ等、本当は仲がいいんじゃね? と、頭を過る。言葉にはしないがね。
うん、あえて火中にニトログリセリンを投げ込むような真似はしないのだよ。
「あの2人。もしかして、本当は気が合うのではないしょうか?」
“ポツリ”と隣から零れ出た呟き……って、口にしちゃたよこの娘!? 幸い、彼等には聴こえなかったようだけど。
そう思ったのが俺だけではなかったことに、喜べばいいのか? それとも、そう思わせる彼等の残念さに、悲しめばいいのか?
「「はぁ~~~~~……」」
呆れの混じった複雑な感情を浮かべた顔を見合わせながら吐き出した、俺とミラベルの深い深い溜息は、どこか黄昏の色を滲ませながら路上の喧騒に呑まれていくのであった。
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うん、何度思い返しても……意味が分からん!
「はっ、はっ、はっ、何て顔をしているんだい? ライバルと書いてフレェーーンド! そんな不安にならずとも、このボクがついてきたからには……」
そうしてまた、繰り返される一幕。……って、いや、不安しかねぇよっ!!
そう、それは『鉄血のオデット』までの足を確保するために訪れた町まで続くのであった……。
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