表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Reincarnation Online - リンカーネーション・オンライン -   作者: とどのつまり
第2章 胎動、そして蠢く悪意を薙ぎ払いて……。
68/123

log in - 68 ゴブリンとは……。






――ゴブリン――


 よく雌がいないとされる物語りも多いゴブリンだが、この世界においてはちゃんと存在してはいる。

 ただ、神々の保護? を受けていない魔物枠のゴブリン……ゴブリン(魔物)の雌は出生率が非常に低く、生命力も極端に低いという。

 そのため、下手をすると出産に耐えられないのだとか。

 まあ、これもゴブリン(魔物)が他種族の女を襲う理由の一つだろうが、もっともな理由は異種族交配におけるその繁殖能力の異常さ故にだろう。


 まず、受胎率が100%であること。即ち、胎内(なか)へと射精()されると確実に孕まされるということだ。

 次に、母体となった種族や個体差もあるが、大体3日程で出産される。

 更には、1週間もあれば女を孕ませられる位に成長するというのだから驚きだ。

 これが同属の雌だと、受胎率は微妙。仮に孕んだとしても、無事に生まれてくる確率も微妙ときている。


 異種族間は兎も角、何故、同族間におけるこんなことが分かっているのかというと、大昔に魔物の出生に関する研究をした者がいたらしい?

 そういえば、前にそんな書籍を読んだ記憶が……。確か『ゴブリン(魔物)から学ぶ性物学』とか言う微妙にふざけたタイトルで、著者は……何故だろう? 何となく良く知る女性に似た? 誰かが、マッドでサイエンティフィックな実験? をしている姿が頭を過ったのは……。


 因みにだが、以前助けられたクレハという女性。その種族にあったゴブリナ・フィリア。

 フィリアというのが何なのかは分からないが、ゴブリナとはゴブリンの雌だからということではない。ゴブリンの雌は、普通にゴブリンである。

 では、ゴブリナとは何か? 実とところよくは分かっていない。一説には大地母神の巫女とも呼ばれているのだとか。

 というのも、ゴブリナは〈大地母神の加護〉という称号を持っているからだ。これが〈地母神の加護〉ともなれば、多々種族含めて多少は存在するのだが。過去に〈大地母神の加護〉持ちが確認されたのは、僅か3度だけ歴史の中に姿を現したゴブリナだけなのだそうだ。

 大地母神の神官が現在確認されていないのも、この辺りに関係があるのか? 或いはゴブリナこそが、それに当たる存在……とか?

 というか今更だけどさ? 神殿あるのに神官いないとか、さ……無いわぁ。


 ……っと、少し話が反れてしまったが、ここまで言えばこの少女の身に何が起きたのかを察していただけるであろう?

 その理不尽極まる現実に翻弄されたが故の、深く実感の籠められた重い声色。


 むう……空気が重い。

 これは、もう一人のことを聞ける雰囲気ではないな。

 そう、実のところもう1人。別件から、心神喪失の状態でこの地に留まっている少女を保護しているのだ。

 未だ話の聞ける状態ではないために、どういう経緯であのような場所に囚われていたのかは不明ではあるが、その時の状況から見て碌でもない目に遭ったことは明白だろう。

 とはいえ、このままのわけにはいかないし、な……。

 未だ『VRO』における昏睡者は後を絶たない。

 まあ、覇刃鬼(ハバキ)武羅魏(ブラギ)・弐式を倒したためなのか、一時期に比べて減少傾向にあるようだが、それでも彼女達のような別件もあるようでゼロにはならない。

 それに……覇刃鬼(ハバキ)はともかく武羅魏(ブラギ)・弐式はアレで全てということはないだろうし……。

 はてさて、どうしたものか……。


“ツイ、ツイ”


 ……ん?


 ズボンを引っ張られる感覚に視線を落とした俺の目に、こちらを見上げて「いつまでそうしているの?」と言わんばかりに“コテン”と小首を傾げる小さな少女の姿が……って、ラニ―ちゃん? 君こそ、いつからそこにいたの?

 身長20cmほどのこのちんまい少女は、この宿『深緑の宿 森のくまさん』の主である少女ミュレットが従魔、ブラウニーのラニーちゃん。

 その姿はほぼ二頭身で、栗色の髪を左右でお団子にし、くりっとした大きな瞳の愛らしい顔立ちの少女である。

 今、その無垢な眼差しが“ジ~”と俺を仰ぎ見る。

  そんな彼女の無言の問いかけに「あ~……」と面を上げる俺……と、赤髪の少女の目が合った。

 互いの顔に浮かぶ苦笑。そこには、先程までの重苦しい空気は微塵も感じられないのであった。

 グッジョブ、ラニーちゃん!




お読みいただきありがとうございます。

できましたら、ブックマーク、評価等していただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ