表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Reincarnation Online - リンカーネーション・オンライン -   作者: とどのつまり
第1章 惹起、そして廻る因果と邂逅と……。
44/123

log in - 44 それは、嵐の前の……嵐かな?






「…………………………」



「…………………………」



 き、気まずい……。


 あの一件(湖畔での)? 以来、シシリィと顔を合わせる度に何ともいたたまれない雰囲気が立ち込めてくる。



「……何かあったのかニャ?」



――ドッキーーィン――



「な、何もありませんことよ!? ええっ! 何もっ!!」



「あ、ああ……そうだ、な……」



 いや、シシリィさん? 動揺しすぎですよ?



「アヤシイかな、とっても? そうっ! とってもっ!! アヤシイよっ!?」



 おい、ミュレット。お前も何テンション張り合っているんだよっ!? って、うおっ!?

  

 “ヌウッ”と目の前に生えてきた、見覚えのある……ウサミミ。



「甘酸っぱいですね? そりゃもうっ! 甘酸っぱいっ!! 一体、何処までいったというのでしょう……はっ!? まさか……既にいたしてしまったというのですかっ!?」



「何をだよっ!?」



 突然現れては“ガラガラガッシャ~~ン”と轟くような効果音(ネタ魔術)を響かせて、特大の爆弾を投下するリュシオーネに、俺は咄嗟にそうツッコミを入れてしまった。うわ、やべっ!?



「それは当然、ナ“スッパァアアァンン”ニぃいっ!? ……お、おおおぅうぅ~~~うううぅ……」



 閃く銀光。頭を抱えて蹲るリュシオーネ。先程まで“ピンッ”と突き立っていたウサミミも、今は力無く垂れ下がっている。……何か……デジャヴュ?



「うちの駄兎が失礼しました、アギト。もうっ! ホントにもうっ!!」



 床の上で悶絶するリュシオーネに一瞥すら向けずに、そう、謝罪の言葉を口にするエレオノーラ。その手に握られているのは、これまた見覚えのある……ハリセン。



「エレヲノーラ……それって?」



「あ、はい。その……アギトと出会ってからのリュシオーネのポンコツ具合は目に余るものがありまして……。只、下手な攻撃ではまったくと……ですね……。なので、テテルに特注したのです」



 まあ、確かにあのステータスだし生半可なツッコミは効かないだろうな……。しかし、攻撃って……。

 いや? このクラスへのツッコミともなれば、一般人? にしてみれば即死レベルの攻撃になる、の…か……?



「…………………………」



「…………………………」



「「はぁ~~……」」



 何ともいえない沈黙の後。まるで、示し合せたかの様に重なる2つの溜息。



「……で?」



「……?」



「ミュスカ? 何時の間にやら現れていたかと思えば、何時までそうしているのですか?」



 ああ、これって……やっぱりミュスカのモノだったのか……。

 いつの間にか、ね? 頭の上に“フニョン、ポヨン”と気持ちのよい弾力が乗っていたのだよ……ホント、いつの間にやら……。



「うふ、うふふ……羨ましいですか?」



「ち、違います! そんなんじゃありませんからっ!! と、いいますか!? リュシオーネはアレ過ぎてアレですけど……ミュスカも何処か、こう……キャラ、変わっていませんか?」



「うふふふふ……それは、仕方がありませんよ? これは、セリアンの遺伝子に組み込まれた……習性、なのですから……」



 エレオノーラにキャラ崩壊を指摘されてもなんのその。ミュスカは意味深な笑みを浮かべると、そうのたもうたのであった。しかも、最後に俺へと……蠱惑的な眼差しを向けて……。


 ヤバイ! イ、イタイ!? 皆の視線が、痛いっ!! や、やめろぉうっ! 俺は、無実だぁあっ!!


“ピコーン”

《否! 元凶です!!》


 ちょおおぉお~~~ぉおっ!? ってか、スカサハ!? お前は何“ウン、ウン”と頷いているっ!? 


 何故か訳知り顔? で、首を縦に振っているスカサハ……と、ヴァイオレット。



――いえ、強い雄に群がるのは、雌の習性……本能ですから――



 うわっ!? こいつ、ぶっちゃけやがったよっ!!



「プキ?」



 うん……そして君は、勢いに乗せられて頷いていただけだよね?



「にゃニャ? ……しゅうせい? ……よく分からないニャ……?」



「ふっ……坊やだからさ……」



 いや、女の子だし……て、昔は男女共に坊やって呼んでいたんだっけ? こっちではそれが普通とか……?

 いや、まて? それよりも、何故そのネタを……って、きゃつら(巫女共)かっ!?

 ミュスカの口にしたネタセリフに、俺の頭が軽い痛みを訴える。


“パンッ”



「さて! 騒ぐのはこれくらいにしましょう」



 と、ミュスカ。

 その時、この場に居合わせた者達の心は一つになった。即ち「あんたが言うな」と……。



「す、凄いニャ……。これが杜衛の実力か、ニャ?」



 いや、違うだろっ!?



「シレッと言いましたわね? 空気を読ま……コホン! 場の空気を強制的に制する圧倒的な言霊。これが、杜衛の持つカリスマ?」



 いや、それも違うだろっ!?



「ミュスカ……」



「お姉ちゃん……」



 まあ、呆れもするわなぁ……。



――コク、コク、コク――



「プ……プキ?」



 そして、君達……分かっていないよね? ……ん? 何か……抜けているような……?



「そうですねっ! 何があったのかは、後ほどしっかりはっきり細部に至るまで事細かく尋も……コホン! 聞かせて頂くとしまして。今は、報告に上がった異形のことを話し合うことにしましょう」



 突如復活を果たしたウサミミが“ピョコン”と天を衝く。……って、おい!? 今、尋問って言おうとしやがったぞっ!?



「って、何か分かったのか?」



「はい。おそらくは神話の時代に創られた存在かと思われます」



 と、リュシオーネの言葉を引き継ぐミュスカ。その口から出た神話の時代というフレーズに……またか? また(巫女)なのか!?



「あ? いえ、アギト。 アギトが考えているであろうことは、今回直接は関係ありませんよ」



 ……直接は?


 何とも妙な言い回しをする。しかし……俺の顔色を見て考えに及ぶって……。巫女にまつわるあれやこれやに頭を痛めているのは、俺だけじゃなかったということか……。



「ええ……まあ、色々と逸話を残して(やらかして)いるようですので……主に、お一人(萌えの方)が……」



 苦笑を浮かべながら告げられたエレオノーラの言葉に、どこか遠い目をしながら補足を入れるミュスカ……。

 そこには何故か、妙に実感(心の声)が籠っているのであった……?



「コホン! 結論から言いますと、神子様の研究を掠め取ったとある神の手によって創られた存在。巫女様方は『深き者(ディープワンズ)』と呼んでいたそうです」



 そのまんまかいっ!?


 しかしまあ……結局はきゃつら(巫女共)に起因するのか……むう……。



「いえ、アギト様。この件っ!! に、関しましては巫女様方のご尽力が無ければ、或いはサハギン種とマーメイド種が滅んでいたかもしれません」



 また、顔に出ていたか? それにしても、力いっぱい「この件」を強調しやがったよなっ!? それだけ頭の痛くなるようなあれやこれやが残されているということ、なの…か……。

 と、話を戻すか。この『深き者(ディープワンズ)』だが、ベースはサハギンとマーメイドを弄くり回して創られた存在らしく。初期のものはそれらを捕獲、浸蝕することで増殖いていったらしいのだ。

 で、一度は巫女達と衝突した『深き者(ディープワンズ)』達だが、瘴気を糧にするという生態に目を付けた白黒の神によって和睦? がなされたらしい。

 その際、巫女の1人の手によって、生殖機能を備えつけられたりと改造……もとい! 品種改良……も、適切ではないか? まあ、とにかく施されたのだとか……。

 厄介極まりないあの汚水こそ、種の性質上取り除く事が出来なかったものの。それも湖の中では発生することがないので、住み分けることで一様落ち着いたのだとのことだ。

 只、大崩壊と呼ばれる災害時に、当の生み出した神の手で湖の底に封印されたとの記実が翻訳された書物に残されていたそうだ。



「じ、じゃあ、その封印が解かれた……と、いうことなの…かな?」



「おそらく……もしくは、解けかけているのではないかと……」



 

 不安げに問うミュレットの言葉にそう答えるエレオノーラ。その表情も、何処か沈んでいる。



「で、でも、昔は共存できたんだニャー! だったら……」



「それは些か楽観視し過ぎですわよ、リアン」



「そうだな。万年単位の月日が経った今の状況が分からない以上、警戒はするべきだ。実際に被害も出ていることだしな……」



 重苦しい空気の漂う中、皆一様に“コクリ”と頷く。

 そんな場の雰囲気を、吹き飛ばすように……。



「はい! 難しい話……終りっ!!」



 と、明るく響く、ミュレットの声。……こういうところは、やはり姉妹か?

 だが、感心したのも束の間。次の瞬間には、再びこの場を興乱と混乱の渦へと叩き込むのであった。



「そ・れ・よ・り・も!? 月夜の湖畔で、何があったの…かな? かなっ!?」



 お前は何処のおっさんだ!? と小一時間ほど問い詰めたくなるようないやらしい笑みを“ニタァー”と浮かべながら、そうのたもうたのである。



「それがありましたわっ!?」



 “ピコーン”とどこぞのインフォよろしく耳を突っ立てる駄兎……。



「うふ……うふふふふ……」



「はわっ!? はわわわわっ!!」



 妖しく瞳を輝かせながら表情だけは優しげに微笑む姉熊と、広げた両腕を“パタ、パタ”上下に振りながら混乱するばかりの残念エルフ……。



「なぁあっ!? なななななっ! 何にもありませんことですわぁああ~~~~~っ!!」



 目を“グル、グル”と回し、顔を真っ赤にして叫びを上げる男装の巨乳……。



「ニ、ニャ~……皆、目が血走っているニャ……」



 そのあまりの混沌具合に、隅っこで“プル、プル”と膝を抱えて震えている子猫……もとい、子虎?



――ふう……平和ですね?――



「プキィイッ! ……キ?」



 “ズズズ”と1人、我関せずと緑茶を啜っている(しもべ)と……うん、君はやっぱりよく分かってないよね? “コテン”と小首を傾げるウリ坊……。



 “ポム、ポム”と慰めるように足を叩く家妖精の情けが身に染みるぜ……って、ラニィ? いたんかいっ!?


 そんなとりとめのない日常? を挟みながらも時は流れて……『VRO』本サービス開始から、早一ヶ月が経とうとしていた……。




ノクターン(禁18)

廻る因果の狭間で - Reincarnation Revolve -にて、シシリィ if……?(凍える記憶の果てで……)が解放されました。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ