log in - 105 その頃の彼女等 【パネース遺跡ダンジョン編】 ①
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「せいっ!」
「カカカカカ、カ?」
唸りを上げる棍頭が、|白い頭部を打ち砕く。
「えいぃ~」
――疾っ!――
対照的なかけ声と共に繰り出された3つの槍の軌跡が、這よる爛れた胴体を引き裂き。
「プッキィ~~~~~ッ!!」
鼻の穴から迸る疾風が、宙に漂う胡乱な影を散らしていった。
そうして、どれほど経ったであろうか……? 薄暗い通路は、その静寂を取り戻した。
「ふいぃ~……それにしても、アンデットばかりですねぇ~」
「まあ、元遺跡という場所柄としては妥当、と言えるわね」
そう、あたしことイニスとリリウ。それとスカサハ、ヴァイオレットと他1名の4人と1匹は、『鉄血のオデット』にある古い遺跡に発生したダンジョンへと、レべリングがてら調査に赴いている。
このダンジョンは寄生型と呼ばれているもので、元々存在しているこうした遺跡や洞窟等を元として発声したものをそう称するとのことだ。
で、こういった寄生型と呼ばれるタイプの迷宮は、とかく発生したての割に難易度が高いものになる傾向があるそうだ。
理由は定かではない。けれど、ゲーム脳的には全てを一から丸々造ったり構築したりとしない分、エネルギー……こう、ダンジョンポイント的なものの余裕を、難易度の向上なんかに当てられているのではと推測したりしている。
「あ痛たた……大して強くはないとはいえ、あれだけ群がられると出すがに攻撃を受けるわね」
ひとたび戦闘が起これば、後から後から“ワラ、ワラ”と集まってくるものだから、流石に捌き切れなくなってくるのよね……。
いや、槍持ち2人は攻撃を受けていないみたいだし、一応同じ長物を使っている身としては己の未熟、が……って!? あたし、魔術師ビルドじゃない! 何で前衛張ってるのよ。
「はいはいぃ~、イニスちゃん、百面相をしていないで、回復しますよぉ~……ヒールぅ~」
淡い光が全身を包み、削られていたLPが回復していく。そう……いく、だ。
この、ヒールと言う系統の【魔術】系[アーツ]は、回復し切るまでに多少時間がかかる。例えば、回復量が1000だとすると、毎秒その回復量の最大値の10%くらいづつが回復していくのよ。
なので、戦闘時に多用されるのは、主にエイドと言う系統の【魔術】系[アーツ]だったりする。それもそのはず、こちらは回復量こそヒール系統に及ばないものの、回復量の最大値まで一瞬でで回復させるからだ。
因みに、リジュネ系統は一定時間LPを回復し続けるもので、どちらかといえば【付与魔術】系っぽい?
「しっかし、マップがあるからまだいいとして……どこまで、落ちたのかしら……?」
あたしは、見るからに人工的な様相を見せる石造りの天井を見上げながら、そうひとりごちるのであった。
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