クリスマスの夜
「「メリークリスマス!!」」
クリスマスの晩餐会が終わった後、私とアリスは私たちの部屋でプレゼントの交換をしようと可愛いラッピングに包んだものを持ち寄っていた。
クリスマスプレゼント、と言っても二人でお互いがほしいものを相談して一緒に買いに行ったからサプライズというわけではない。
「はい、ミラのプレゼント」
「ありがとう! ……私もアリスにプレゼントよ」
「ありがとう、ミラ」
私がアリスにあげたプレゼントは、私が普段プライベートで使っているものと同じデザインで色違いの靴。履き心地もよくて実用性に優れているし、何より可愛いデザインというのがポイント。
私のものは明るいピンクを基調としたもの、アリスのは紺色を基調とした色遣いで、大人しいアリスにものすごく似合っている。
「アリス、やっぱりすごい似合うわね……」
「そう? ありがとう、ミラ」
はにかむアリス。癒される私。
もうっ、アリスったら可愛すぎるんだから……。
私のお嫁さんが可愛すぎて困る。いえ、困るわけない……!
……こほん。
これ以上続けたら、嫁自慢を延々と続ける嫁ばかになるところだった。
アリスが可愛いのは何万年も前から分かりきっていたことだもの。私の大好きなアリスが可愛いことは誰もが知っている事実だし。
語り足りないところだけれど、ぐっとこらえてアリスからのプレゼントを見ましょう。
アリスが私にくれたのは、今王都の女の子たちに大人気のブランドからでた新しいバック。
明るい茶色の、未来を感じさせるゆるやかな流線型の型に、フリルやらアクセやらがたくさんついている、乙女ゴコロをくすぐるもの。
このブランド、結構前から気になってはいたものの、なかなか買う機会がなくて半ば忘れていたのだけれど、ちょうどいい機会と思ってアリスに頼んだ。
……実はあのあと、同じブランドの種類の違う新作を見つけて、アリスにものすごく似合いそうだったからクリスマスプレゼントとは別にアリスに買ってあげていた。
はじめ驚いた顔をしていたけど、すぐに嬉しそうに可愛い笑顔を浮かべて抱きついてきた。
思い返すだけで頬が緩んできてしまう。もうっ、可愛いんだから♡
「ミラ、かわいいわ!」
「えへへ、ありがとうアリス」
「今度ミラが買ってくれたバックと一緒に持って出かけましょう?」
「うん、そうしましょう!」
視線と視線を交わしあって微笑みあう。
……その視線には、どこか期待したようなアツいものが含まれていて……。
自分から言い出さないあたりが本当に可愛いと思う。でも時々言ってほしいこともあるのだけれど。
なんでって? もっと燃えるじゃないの。
「紅茶、冷めちゃうわよ?」
「また淹れてもらえばいいじゃない」
「今日はアリスからしてよ」
ついニヤニヤしていいたくなる意地悪な言葉を投げかける。でも、表情は素知らぬ顔をして。
案の定、真っ赤になるアリス。すぐ唇をとがらせて講義しようと口をあける。
でも、何か思いついたような表情をして……って、ここ、想定に無かったのだけど!
え! え! まって……いえ待たないで。うぅ。
「な、何を思いついたの?」
「ヒミツ。……わたしにまかせて?」
「……言い出したのは私だから、いいわよ」
と、ここでパサッと服を脱いで全裸になると、こっそり用意していたリボンを、大切な部分がうまく隠れるように巻いてちょうちょ結びをする。
そしてベッドに仰向けになった私は、瞳をがんばって最大限うるうるさせると、目を丸くして驚いているアリスに向かってこう言った。
「もう一つのクリスマスプレゼント。……私をもらってください」
……その後はもう、ね?
私たちはクリスマスという聖夜を存分に満喫したのでした。
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