第四十七話 お風呂
まだまだ続く、お風呂回!
わしゃわしゃわしゃわしゃ…………
わしゃわしゃわしゃわしゃ…………
「ふぁ……。気持ちいい~。ミラうまいね~」
お風呂に入った私たちは、軽く身体にお湯をかけたあと、私はお風呂場にあった小さな木の椅子に座って、ミラにシャンプーをしてもらっていた。
気持ちよくてついつい声が出てしまう。
「ふふっ、ありがと♪」
「ふぁぁ……。眠くなってくる……
「あっ、まだ寝ちゃダメっ! お布団に入ってから!」
「でもミラのシャンプーがきもちいいから……」
「う、嬉しいけど、それとこれは別!」
なんだかミラをからかってみるのも楽しいかも……。
ふぁ~。本当に眠いな……。
「目、閉じて?」
「んっ……ひゃあぁっっ!?」
ミラの声に、うとうとしながら目を閉じた。だんだんと眠気がおしよ……せ――――。と、いう所で、ミラの冷水攻撃。
すっかり油断していた私は、座っていた小さな椅子から転げ落ちた。
「うふふっ♪ め、さめた?」
「……もうっ! み~ら~!!」
すっかり目が覚めた私は隣のシャワーヘッドを手に取り、出る水の温度が真水と同じくらいになるように魔力を込めると、ミラに向かって最大の威力で水を出して反撃を始める。
「きゃあぁっ! ……やったな~! えいっ!!」
「きゃっ! も~!」
ミラも私に再び水をかけてきて応戦する。
その後しばらく、水をかけあっていたけれど、しばらくしてどちらからともなく笑いだした。
「……~!! ……っ、ふふふっ♪」
「まったく……。ふふっ、もうっ!」
「くちゅん」
「ほら、早くお風呂に入ろう? 風邪引いちゃう」
「うん。そうしよっか……。ありがと、アリス」
ミラが寒そうにくしゃみをしたので、そっともとの位置にシャワーヘッドを置いて、手を繋いでお風呂へと向かう。
何度か王城の王族用のお風呂に入った事があるけれど、それの一回り小さいサイズの、円形の浴槽に張った湯船に浸かる。
一回り小さいと言っても、私の家のお風呂の何十倍もの広さを持っていて、さすが王族は違うな……。と改めて凄さを思い知らされる。
でも、私は正直うちのお風呂の方が好きだ。
だって、狭いけれど、それだけミラと密着していられるから。こうも大きいとなんだか寂しい。
「ふう……。気持ちいい~♪」
「ふあ~……。最高だね~!」
私たちはお風呂の中心に、つまり円の丁度中心にくるように移動すると、背中をお互いにつけて寄っ掛かりあう。
「……アリス、今日はお疲れ様♪」
「うん。……急に行こ、って言われた時にはびっくりしたけれど、ミラと一緒だから、楽しかった♪」
「えへへっ、ありがとう、アリス」
ミラが振り向いて後ろから私を抱き締めてくる。
「……あったかい」
「……わたしもよ」
「ミラ、だいすき」
「わたしも大好き」
私はミラの頭の重さが感じられる右肩の方へと振り向くと、間近に迫ったミラの艶っぽい唇に、そっとキスをした。
ちゅっ♪
「愛してる、ミラ」
「愛してる、アリス」
お互いの耳元で愛を囁きあった私たちは、誓いの言葉を紡ぐ。
「「ずっと一緒にいようね」」
と。
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