第三十七話 冬と言えば……
投稿の時点でクリスマスはまだまだ先ですが、一足先にお届けします!
ちょっと長くなる予定。でもいちゃいちゃを沢山入れますので、どうぞお付きあい下さい……
「ねえアリス、温泉に行かない?」
ある日の朝、私の部屋に突然やって来たミラは開口一番にこう言った。
「温泉?」
「うん。お湯に入る温泉」
「それは知っているけれど……」
転校の手続きも済ませ、ミラと一緒に学院を巡ってから数日、まだ冬休み中だ。
もうすぐクリスマスという時期になってきた。
「王族専用の療養所がシューナガーデンにあるの。そこの温泉はとっても気持ちいいのよ! 私とアリス、ユリアーナ、ミーゼで一緒に行かない?」
「私は構わないけれど……。いつ頃に行くの?」
始めからそう言えばいいのに。ミラは大切な事を後で言う癖があるみたい。これも最近知った新たな発見だ。
あんまり遅くなると、行事に重なるから、一応聞いてみた。ミラと過ごすクリスマスとかも良いかもしれないけれど、例年家族とクリスマスから新年までゆっくり過ごすのが定番だから、重ならないと良いのだけれど…………。
────しかし、ミラから返ってきた返事は驚くべきものだった。
「いつって、今からよ」
「うんうん……。って、えぇぇええ!?」
家に私の驚きの叫び声がこだました。
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数時間後。
私とミラとユリアーナさんとミーゼさんは、シューナガーデンにある、王族用の療養所の豪華な建物の前に立っていた。
「…………なんで私、ここにいるんだろう」
「アリス、寒いから早く入りましょう?」
────それも、深々と降りしきる雪の中に。
シューナガーデンは、王都からしばらく北に行ったところにあり、寒い気候に属する有名な温泉地だ。
私たちは、王族とそのお付きしか使えない特殊な方法で、本来、位置も何も公表されていない結界で守られた療養所にやってきた。
療養所と言っても、病院だとか、別荘のような代物ではなく、一言で現せば、
「やはり王族は王族だった」
という豪華絢爛な大きな建物だった。
なぜこんなに早く来れたのか────私の所にミラが来たとき、ユリアーナさんとミーゼさんがお母さん達の所で事情を説明し、了承を即刻で得て、荷物を詰めさせると、王城に向かってここに着いた、という事だ。
私たちは、急激な気温の変化に体を震わせつつも、療養所の中に入り、エントランスにある金ぴかで大きな暖炉の前で上着を脱いで、動きやすい格好になった。
その後、ユリアーナさんに詳しい施設の説明を受けた後、それぞれ荷物を整理しに各々の部屋に向かった。
私はミラと二人で一緒の部屋に泊まることになった。
二泊していく予定だから、荷物はそんなに無い。普段着やパジャマと、下着と、予備の服くらいだ。
なんで予備を持ってきたのか────やっぱり、汚れてしまうかもしれないから……。何とは言わないけれど。
温泉に入ること以外することが無いけれど、ミラと一緒に過ごせるだけで幸せだから、何も気にすることは無い。
「ミラ、誘ってくれてありがとう」
「ん~? どうしたの突然。まだ始まったばかりよ、私たちのお泊まりデートは! たくさん、た~っくさん、楽しみましょう♪」
「うん♪」
はい、温泉回です!
やはりお二人には百合百合いちゃいちゃして頂きますのでこうご期待!!
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