第三十三話 段取り
短めの話ですが、二回ほど視点が変わります。
『大体の段取りとか日取りとかは決めておくから、楽しみにしていなさい』
その言葉を聞いた後、私の記憶は今日の朝まで無い。
どこかふわふわ~っとした気持ちになって、まるでふかふかの羽毛に包まれているような、そんな不思議で心地よい気分だった。
朝食の時に聞いた話では、あのあとアリスの転校とか、これからの暮らしをどうするとかを話し合ったそうだけど、何も覚えてない……。
でも、これだけは言える。
「私はこの世界で一番の幸せ者だわ!! 」
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ふふっ、ミランダ様の嬉しそうな声が聞こえた。
ミランダ様が嬉しそうにしていると私も嬉しい。
今は十二月。新年開けてからアリス様が王立魔法学院へ転校することになり、さらにご結婚も決まって。それはもう幸せとしか言いようがないでしょう。
「新たな日々。楽しみですね」
私は誰も居ないミランダ様の部屋の前の廊下で独り言をささやいた。
……誰も聞いていないでしょうね?
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アリス様の護衛、と言っても、家の中に居るときはお手伝いさんのような事をする。
本当は王城の自分の部屋から通っても良かったけれど、アリス様や皆さんの進言でアリス様の家の客間にしばらく泊まることになった。
そのお礼では無いけれど、普段の訓練や警備などからは無縁の、つまりかなり暇な生活になってしまったので、家にいる間は何かしら家事の手伝いなどをしようと決めた。
私には一通りの事は教えられているから出来るし、私自身家事も好きだったので、思ってもみなかった仕事にやりがいを感じる。
ミランダ様が帰ってからのアリス様は、ご両親に会えた安心感や今までの恐怖からか、ご両親に抱きついてしばらく泣いていた。
そして気づけなかった謝罪や慰めも受け、今までの精神的な疲労からか、早めに眠ってしまわれた。そのあとで私はご両親と、今後の事について話し合った。
今日、起きてからまず始めにする仕事は一つ。
コンコンコン。
「アリス様、朝ですよ。お母様が朝食を作ってお待ちです」
これからの毎日が楽しくなりそうだ。
次回からいよいよ学院編!
いやぁ、二人は学校内でどんないちゃいちゃをしてくれるのでしょう。
楽しみですね!
…………書くのは僕ですから自分の趣味を詰めまくりたいと思いますw
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