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第十七話 挨拶

こんばんは。見つけた素晴らしい百合Tシャツが6月末までの完全受注生産で買えず悲しい五月雨葉月です。


結婚前のご挨拶!

ではないですが、アリスちゃんがミラのご両親と対面します。





「ありがとね、アリス」

「ううん、これくらい、いくらでもしてあげる」

「アリス~」


 と言ってミラが抱きついてきた。

 すかさずミラの頭をなでなで。と、


「あらあら、本当に仲が良いのね~」

「見ていて羨ましいわ……」


 という小さな声。

 チラッと横を見ると、ミラのお姉様がにこにこしながら抱き合う私たちを見ていた。


「ミラのお姉様方、ですよね? 」


 一応確認。


「ええ。そうよ」

「やっぱり分かってたのかしら? 」

「あの、ミラが追いかけていたから……」

「そうだったわね~。アリスちゃんだっけ? ミラがいつもいつもあなたの事を――――」

「わーわー!! 何でもない、アリス、何でもないから! 」


 と会話するうち、よろしくね、と二人のお姉様にぎゅっと軽く抱き付かれた。


(ミラと同じ匂い……)


 すんっと匂いを嗅いでみると、ミラと同じふわっと上品な香りが漂ってきた。

 やっぱり姉妹なのね……


 二人のお姉様と抱き合った後、上のお姉様であろうお姉様が突然、思い出したように、


「そうだった! お母様が、ミラのお友達が来ているなら一緒にご飯食べましょうって。勿論お父様も良いって」


 と言ってきた。


 えっ!? ミラのお母様って……王妃様!?

 ミラのお父様って…………国王陛下!!??


「わ、わたし、会っても大丈夫なのかなぁ……」


 不安になって涙目でミラに尋ねる。

 なぜなら、今の国王陛下は少し怖い事で有名。政治に厳しく、ちょっと強引に政策を推し進めるらしい。でも、強引にやるけど、必ず国民の役にたつ事ばかりで人気があるという。


「大丈夫よ。政治については厳しいけど、普段は優しいから」

「ええ。ミラの言う通り、安心して良いわよ」

「少なくとも私たち家族には優しいわね」

「そ、そう? 」

「それに、アリスの事をお父様達にも知ってほしいし。わ、私の彼女って……」


 言われて恥ずかしい……あっ、ミラもほっぺが赤くなってる……可愛い♪


「あっ! ユリアーナ」


 あわてて話題をそらそうとしてるのかな? ユリアーナさんを見つけたミラは、そっちに駆け寄っていった。


「先程戻りました」


 と言いながら、私やミラのお姉様達にもお辞儀してきた。


「あらユリアーナ、お帰り」

「お帰りなさい、ユリアーナ」


 けっこう仲が良いのね……王族と近衛騎士さんって。


「あら? その顔は、何で私たちとユリアーナ達の仲が良いのかなって顔ね」

「! そうです」


 お姉様、すごい……わかっちゃうなんて。


「私達はね、昔からの伝統――ではないけれどら身分なんて気にしないのよ。普段から一緒にいるから、もう家族みたいなもの。だからミラもあなたをお嫁さんにしようとしたんじゃないのかしら? 」

「そうなんですか……」

「身分なんて生まれた家の違い。みんな平等に生まれたんだから、そんなもので区別するのはおかしいわ」

「私達は、どうすればみんなが平等に暮らせるか、それを考えるのが私達のすべきことなのよ」


 そうなんだ……普通の王族っていうイメージと違うのね。


「皆様、陛下と王妃様がお待ちですよ」


 そこでみんな、あっ!! と慌てて駆け出して行きました。

 私も王城で迷ったら大変だから、一生懸命付いていった。









 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★








 コンコンコン、ガチャッ。


「失礼致します。王女様方とアリス様をお連れしました」

「お疲れ様です、お父様」

「お疲れ様です」

「お父様、お疲れ様です」


 国王陛下と王妃様が並んでテーブルに座っていた。なんだか陛下はむすっとしているような……


 私は失礼の無いよう、挨拶をしなければ……


「は、はじめまして。アリス・クロニティと申します。ミラ……ミランダ様にはいつも――――」

「あらあら、そう言うのはいいのよ。よろしくね、アリスちゃん」

「はっ、はい。よろしくお願いします! 」

「うん。ほら、あなたも! 仕事の事は忘れなさい! せっかくミラのお友達……違ったわね。お嫁さんが来てるんだから」

「お、お嫁さん!? 」

「違ったの? 」


 ミラ、話したの!? と目で訴える。

 ミラは、ごめんね♪ と可愛らしく小首を傾げ、申し訳なさそうに手を合わせる。うっ、可愛い。


「い、いえ。そんな……」

「なら、良いわよね! 」


 かなりフレンドリーな王妃様なのね……。おかげでちょっと肩の荷が降りたかも。でも、さっきから陛下が……


「君がミラの言ってたアリスか……」

「はっ、はい! 」


 じろりと睨んでくる。はぅぅ、怖い……。


「お父様! そんな目でアリスを見ないでよ! 怖がってるじゃないの! 」

「ご、ごめん」


 あれ……?

 ミラの厳しい口調にすんなり謝る陛下。その顔はどこか怯えたような――――


「わたしじゃない! アリスに! 」

「う、うむ。すまないね、アリス」

「い、いえ。大丈夫です」


 と、王妃様が、にやにやと、


「照れ屋さんね。アリスちゃん、この人ね、あなたの事をミラから聞いた後、娘がもう一人出来る! って喜んでたのよ」

「こ、こら」

「そうよね~。ずっとそわそわしてたもん」

「お父様も素直に喜べばいいのに」


 陛下は気まずそうに、


「いや……しかし…………」


 と口ごもる。


「ねえねえ、アリス、食べましょう」

「そうね! ミラの言う通り、食べましょう。二人もほら」

「お母様が食べたいだけしゃないの? 」

「そんなこと無いわよ」

「本当? 」

「本当よ! 」

「こらお前たち無視するな……」


 そんなやり取りに私はついくすりと笑ってしまった。


 それでも収まらなくて、声に出して笑ってしまった。


「くすっ。 くすくす……ふふっ♪ 」


 と、全員が私を見てくる。ハッとして謝ると、


「いいのよ、遠慮しなくて。いずれ家族になるんだから」

「うむ。そうだな」

「そうよ! ミラのお嫁さんよね」

「お姉様、恥ずかしい……」

「あら、照れてるミラもアリスも可愛いわね」


 どんどん話が進んでいって、あわわ、となってしまった。


 そして、王妃様様が変なことを言ってくるからすっかり真っ赤になってしまった。


「ねえねえアリスちゃん、もうミラとはしたの? 」

「えっ!? 」


 王妃様はいたって普段通りの顔で更に続ける。


「えっちな事よ。ミラとはどこまでしたの? 」

「えっ……えっ!? ええっ!!?? 」

「お母様!! 恥ずかしい事を聞かないで! お父様も聞かないふりして! 」


 ミラが真っ赤になって陛下と王妃様を責める。

 私も便乗する。


「陛下! 王妃様! 恥ずかしいです……」

「私たちも気になるわよね! 」

「そうよね、お姉様! というより、さっきミラがアリスを押し倒してたわよね? ミラの部屋で」


 !?


「そうだったわね! ちゅっちゅしてたわ! 」

「あら? そうなの!? 孫が出来るのももうすぐね。そうだわ! アリスちゃん、今日は止まっていきなさい、もちろんミラと一緒にミラの部屋で」


 とんでもないことを王妃様が言い出した。










ここまでお読み頂き、ありがとうございます!


ここで新キャラの説明を少し。

上のお姉様はちょっと天然っぽいふわふわした感じの優しいフレンドリーなお姉ちゃんぽくしてみました。


下のお姉様は、上のお姉様のフォロー役で、お姉ちゃん大好きなんです。それにミラも大好き。誰にでも仲良くなれる素質があります。


お母様、というより王妃様。一家のまとめ役で、とにかくゆるいお母様です。ミラとアリスのかぽぅもさっさと結婚して孫の顔が見たいと思っている程、お似合いだと思っている。


お父様。仕事の時は厳しいけど、普段は優しい、一家の女性陣に頭が上がらない国王陛下。

あんな事を言ってましたが、ミラとアリスの事は認めている。それどころかまだかな、まだかなとそわそわしています。結婚するのを。


次回、ミラとアリスにえっちな事をしてもらおう……かな?

まあ、流れ次第ですけれど。


なろうの限界に挑戦してみます。



ブクマ、評価ポイント、ありがとうございます!!


これからももっと皆様に読んでいただけるように頑張ります!


P.S.

七夕ですね!何か書こうか迷ってます。短めで。

まあ、気分次第ですが。



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