表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/50

第十六話 泣き顔

こんばんは。五月雨葉月です。


百合が書きたくて書き始めたらいつの間に投稿出来るくらいの文字数になったので投稿します。


よろしくお願いします。

「待ちなさ~い!! 」


 私は王城を逃げまわる二人の姉をアリスと共に追いかけ回していた。


「あらあら、ミラったら~」

「お姉様、止まってないで逃げるわよ」


 ドタドタドタ……

 ドタドタドタドタ……


「ミラ……ま、待って……待って。はあ……はあ……はあ……」

「あっ……アリス…………ごめんね」


 私ったら最低……追いかけるのに夢中ですっかりアリスの事を忘れてた。


「ところで、あの二人は誰? 」


 壁に寄っ掛かって息を整えながらアリスが聞いてきた。


「あの二人はね、私のお姉様よ。……にっくいね」


 うぐぐぐぐ……と先程された事を思いだし、拳をぎゅううっと握り締めながら憎い二人の姉の顔を思い出していた。


「くすっ♪ 仲が良いのね」

「!? ぜ、全然良くないわよ! 」


 アリスに笑われてしまった……アリスに笑われた……

 そう想像していたら、またも話し声が聞こえた。声の距離からしてあの角の所か。


「……ねえねえ、あそこでまたアリスちゃんを押し倒さないかしら? 」

「……逃げなくて良いんですか? まだ見つかってないみたいですけれど」


 どうやらまだバレて居ないと思っているみたいね。

 ここは、勝負をかける時!


「アリス、アリス」

「な、なあに? 」

「ちょっとここで待っていてくれない? あの二人をこらしめてくるから、待っててほしいの」


 姉達に聞こえないよう、アリスの顔にそっと不自然にならない程度に近づいて耳打ちした。なぜだかアリスの顔が赤くなったけれど、


「本当に仲が良いのね。いいよ、待ってる」


 とにっこりしながら言ってきた。


「べ、別に仲が良いわけじゃないわよ! 」

「あら? 本当? 」

「本当!! 」


 まったく……ひどいわ。


 まだ口を可愛らしく押さえながら笑いをこらえているアリスに目で訴える。


 それでもまだ笑ってる…………


 もうっ!!


 そう思いながら、二人を捕まえるために私は走り出した。








 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








 ミラがほっぺを可愛く膨らませて走り出した。

 その後ろ姿を見送りながら、もう一度ミラの可愛らしい顔を思い出しながらくすりと笑う。


「まったく……もっと好きになっちゃうじゃない」


 ぽつりと呟く。


「いや~ん、ミラ~や~め~て~!! 」

「きゃ~、ミラ~痛いわよ~」


 突如、二人の女性の嫌がってるのか喜んでいるか分からない声が聞こえてきた。多分喜んでいるんだろう。


 ミラのお姉様も活発なのね。ミラと同じように。


「なに、してた、のよ! お姉様達のせいで! お姉様達のせいでぇ~!! ぐすっ」

「あらあら、泣かないで」

「ほらほら、よ~しよ~し。いい子いい子」


 あらっ? ミラ、泣いちゃった?


 私は慌てて駆け出す。

 ちょっと進んだ所にある角を曲がってみると、ミラがもう少し大人になった様な女性が二人、ミラの頭を撫でていた。


「あら? アリスちゃんよね? こんにちは」

「は、はじめまして! 」

「アリスちゃん? よろしくね! 今度私たちとも遊びましょう」

「あ、はいっ! こちらこそよろしくお願いします! 」


 忘れがちだけど、ミラは王女様だから、そのお姉様も王女様って事よね。でも……優しそう


「……め」


 両手で顔を隠して泣いている? ミラが何かを言った。でも、聞き取れなかった。


「なあに? ミラ」


 私は聞き返す。すると、ミラは顔をあげ、


「だめっ! アリスは私だけのアリスよ! ぐすっ。お姉様なんかにあげないんだから! 」


 と二人のお姉様を睨みながら私に抱きついてきた。


 ――――何、今のミラ。

 すっごい、可愛い!!

 潤んだ瞳、濡れたまつげ。泣いて赤くなった目と怒って膨らんだ頬。

 全てが可愛い。可愛い! 天使みたいっ♪


「大丈夫よ、ミラ」


 保護欲をそそられるその表情。

 我慢出来ずにぎゅっと抱き締めて撫で撫でした。


「ん……アリス、ありがと」


 泣き顔でちょつと下から上目遣いでしてきた。

 ああ、もう。可愛い♪


 なでなで。なでなでなでなで。なでなでなでなでなでなでなでなで。


「アリス……もうっ、いつまで撫でてるの? 」


 ハッ、可愛くてつい……


「ご、ごめんね、ミラ。嫌だった? 」


 もしかして、撫でられたく無かったのかな? と心配して聞いてみる。


 でも、ミラはふるふるふる、と頭をふって、


「そんなわけ、無いわ。もっと……してくれても、ううん。もっとしてくれると嬉しい」


 ああ、いじらしい。

 最高に可愛いわ!


 私の……恋人。












アリスに……泣いてるところを見られちゃった…………


恥ずかしい(///∇///)


頭も撫でられちゃって。もう、お嫁に行けない……


って、私はアリスと、け、け、結婚するんだもの。(※編注 ミラの妄想です。でも最終的にそうするつもりです)


今度はアリスの可愛い所を見てみたいなぁ




☆★☆★☆★☆★☆★




ここまでお読み頂き、ありがとうございます!


次回、アリスがミラの両親(国王陛下、王妃様)と対面します!


お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ