鷹司の視点
丁度、俺が城から脱走しようとした朝方に
珍し春日局が俺の部屋に来た。
俺の行動を知っているように、感情の読めない笑みを浮かべて。
そして、今日の予定を俺に聞いてきた。
「鷹司殿、今日の予定は?」
春日局が来たって言うことは、逃げれないってことか。
逃げ出すのを諦めて、答えた
「べつにすることがないので、城内に居るつもりですが。」
春日局が何かを考えてるそぶりをしたが、何を考えてるかまるで何分からない。
それから、「朝早くから失礼しました」
と言って、出ていった。
いったい何だったんだ?
脱走は、出来なくなり朝餉を食べてから
道場に向かい誰もいない道場で一汗をかいた。
その後、水を浴びに風呂に行き部屋に帰る所で春日局に会った。春日局は俺に気づくことなく馬小屋へ行った。
昼過ぎだし俺は遠乗りしに行くことに決めた。
春日局の後を追うように、馬小屋に着くと春日局が俺の方を向いた。
気づいてたのか?それとも、俺をここに連れてくるための行動か?
まぁ、次いでだから遠乗り行くことを話してから行くか。
「春日局様、俺は今から遠乗りに行きます。いいですよね。」
「勿論構わないが、上様も今から遠乗りにお出掛けになる。丁度良い、鷹司殿ついでに上様の護衛を頼みますよ。」
やっぱり、朝から何たくらんでると疑ってたが
家光との仲を良くさせようって魂胆か。
「何で俺が家光と一緒遠乗りにいかないけないのですか?。護衛なら火影にやらせば良いじゃないですか?」
待てよ、昨日のあいつ様子変だったな。
挙動不審って言うか、全く突っかかってこない
全くの別人のように…まさか、影武者か!?
「火影は他の仕事をで動いてるから無理だ。」
「だからって、何で俺なんですか?」
ちらっと家光がこっちを向いてるのが見えた。
驚いていたが直ぐにこっちに向いて歩き出した。
「丁度遠乗り行くのだろう。頼みましたよ鷹司殿」
「はぁ、何で俺がこんな目に…」
春日局が家光と話してるうちに、自分の愛馬を連れて戻ってきた。
「鷹司殿頼みましたよ。」
再度言ってきた。
俺の予想の確認のため家光に振ってみた。
「何で俺が家光と一緒遠乗りに行かな行けないんですか?こいつだって嫌に決まってますよ。」
案の定春日局は家光?に聞いた。
春日局の目が彼女に圧力を与えてるように見えた。
「あぁべつに構わない。」
と言った。
これで影武者の可能性が高まった。
そんなことを考えながら春日局の事に返事をしてたら、家光?が捻ったから一人で乗れないと春日局が言い出した。
家光?も少し驚いた顔をしたが、元の表情に戻った
俺は、遠乗りで家光?に問い詰めようと決めた。
一人で隠してるのも辛いだろうから…。
俺は、家光?を後に乗せて自分の好きな所へ向かった。途中で家光?の手が暑く感じたので少し後ろを向くと、顔が少し赤くなっていた。その意味が分かり俺まで、顔が赤くなった。
そして森の奥にある草原につれてきた。
彼女に問いかけた。
「降りられるか?」
って言ったら、顔が青ざめていた。気づけば俺は彼女に手を出し
「捻ってるのだろ、俺の手を取れ。」
って言ってた。
彼女をは家光の言葉を真似て
「あぁ、ありがとう。」
って言った。絶対家光は礼何て言わない、その時点で影武者だと確定した。
愛馬を草が多い所で休憩させて俺も休憩しに彼女の所へ向かった。
彼女にどう切り出すべきか考えてると、余り時間が無いことに気づきストレートに言った。
「お前は、家光と違うだろう。」
「お前は寝ぼけてるのか?私は、家光だ。」
素直には話さないか…しょうがないひっかけるか。
「俺の名は?」
「鷹司さんでしょう」
彼女は、言った後にはっとして顔を反らした
やっぱりそうか。
俺は彼女の事が気になった。そしてできる限り普通に接しようと思ってたら、自然に笑えていた。
「本当の名は?」
彼女は、はぐらかはずに答えてくれた。
「優希です。」
彼女の名前を噛み締めた。
優希か、優しく人に希望の光で照す
気づいたら言っていた。
「ピッタリの名前だ。」
彼女は、
春日局との条件も教えてくれた。
俺は、優希に近づきたくて
「鷹司でいい」って言ったり
「敬語も要らない」
って言っていた。
そして彼女に
「俺に話しかけるな。」って言ってから
気がついた。慌てて訂正した
「家光と仲がよくなって騒がれるのが嫌だし後々面倒だしな。」
優希は、ほっとした表情になった。
空を見上げると夕陽が山に隠れそうになったので、
慌てて城に帰ったら春日局が待ち受けていた。
嫌みを言われどいつだよ人に釘刺した張本人のくせに…と苛立っていた。
春日局の問いに、約束事だったからとはいえ
「たまに鷹司と遠乗りに行くのも良いかと思ったが、災厄だった。次は一人で行く。」
と言われると心が少し痛かった。
それは優希も一緒だったみたいだ。
俺は、心の中で謝りながら
返事を返した。
口喧嘩を演じながら
降ろして賭けをしようと言ったので乗ることにした
優希は驚いた顔をしたが、春日局に湯殿に行けと言われたらしく大人しくしたがった。
俺は、優希と公務することは新しい一面が見れると思ったから賭けに乗った。