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前世と現世  作者: 神子
4/13

鷹司と遠乗り

馬小屋には、赤い生地を下地としてさまざまな柄の入った着物で派手すぎず地味すぎない着物を着ている男性がいた。

その彼が鷹司さんだ、口が悪くでも人を気づかっている。初めて会ったときに、ばれそうになった。

として鷹司の横には、春日局様が鷹司さんに話しかけていた。鷹司さんはとても嫌そうな顔をしながら頷いた。

私は彼の元へ歩き直した。春日局様が私の方を見て


「何で俺がこいつと…。」

「上様、夕刻には帰って来てください。」

「そんなこと、家光が守った事が有ったかよ。」

「心を入れ換えたようですよ。」

「さぁ、気晴らしに思う存分楽しんでください。」


と言うと、私の方に馬をつれてきて私にしか聞こえないように言った。

「けして正体がばれないようにしろ。鷹司殿は、上様の御正室。鷹司殿との仲を直せ。次いでに、馬に乗れないと知られたら

どうなるかわかっているだろう?

さっさと乗れ。」


私は内心、ばれないようにしろって言うのなら

こんなことさせないでよ。しかも犬猿の仲なのに、無茶言わないでよ~。

「あぁ、分かってる。」

私は、馬に乗ろうとしたが春日局様によって止められた。


春日局様が悪戯な笑顔を見せた。

嫌な予感が…。

「 鷹司殿、1ついい忘れていた。」

「はぁ…。なんだよ早くいかねぇと、日がくれちまう用があるならさっさといえ。」

「上様は、足を挫かれて一人では馬に乗れないから鷹司殿の後に乗せて行ってはどうか?」

私は絶句した。なななんでいきなりそんな話に…

確かにそうしたら、馬に馴れていないことは分からないけど…鷹司さんは絶対に拒否るよ。

私の予想は当たった。隣を見上げると私と同じように絶句した顔が見えた。

「はぁー!?。後に乗せたくないし、家光だって嫌だろう。」

「上様はどうでしょうか?。」

春日局様の強い眼差しに負けてしまった。

「わ、私はべつに構わない。外に行って気晴らしがしたいだけだからなぁ。」

春日局様がにちゃっと笑ってた。

「そう上様も言ってらっしゃる、鷹司殿。」

鷹司さんも春日局様の圧力に負けたのか、嫌々ながらも了承した。頭を雑にかきながら

「…はぁ。わかったよ、後に乗せればいいんだな」

春日局様は、勝ったようにニコッと笑った。

「ほら、家光早く乗れ。ちっ、挫いてたんだったな俺の手を取れ。」

余りにも、優しい行動に見とれてたら反応が遅れた

「…あ、あぁ。ありがとう。」

「礼なんて言うなよ、気持ち悪いお前らしくねぇぞ

変なもんでも食ったんじゃねぇの。」

私はイラついた。

「私がせっかく素直に礼を言ってやったのに、素直に受けとることは出来ないのか。」

「ふん。じゃあ行くぞ、落ちねぇ用に俺に捕まっとけ。」

「あぁ、分かってる。」

へぇ~鷹司さんって見た目より確りとした体つきしてるだね。剣技とかも得意そう、なんか意識してきた。うぅ~絶対顔真っ赤だ~。

「上様お気をつけ。鷹司殿、上様を頼みましたよ」

「分かってるよ、今日はろくなことねぇ。」


山道を越え川沿いに沿って馬を走らせること約20分


「家光着いたぞ、降りれるか?」


無理、無理、無理。降りるときも乗るときも春日局様が下ろしてくれたり、支えてくれてたから一人では無理!!

「ほら、手俺の手を取れ。

そうしたら降りれるだろ」

やっぱり、鷹司さんは家光さんのとことちゃんと思ってるんじゃ…なんか胸の奥でチクッとした。

私は、鷹司さんの手を取り

「助かる。」

って言って降りた。


そして川に近づいて水で手を洗って、木下で涼むことにした。


一方鷹司さんは、馬をその辺の草むらにある木に繋いでこっちに来た。木下で2人で涼んだ。


私が景色に見とれていると、鷹司さんが口を開いた

「お前、家光と違うだろう。」

私は、ドキッとした。出来るだけ声が震えないように抑えながら言葉を返した。

「お前は寝ぼけてるのか?私は、家光だ。」

鷹司さんは、今まで見たことのない優しい顔をしていた。

「俺の名は?。」

私には、いったい鷹司さんが何を考えているか分からなかったがとにかく答えた。

「鷹司さんでしょう?。」

言ってからしまったと気づいた。しかしもう遅い

「鷹司さんねぇ~。家光は呼び捨てで呼んでた。

関係無いことに巻き込まれたんだろう。」

「は、はい。春日局様に家光様がでてこられるまで

上様を演じろって言われて…。」

「それで、見返りの変わりに条件を出された訳か。その見返りと条件は?」

「平和に過ごしたいなら…

けして、正体をばれないように・大奥の者達に恋をするな・春日局様の言うことは絶対守事。この3つです。」

未来の事は黙ってよう。

「お前も大変だな。捻ったって言うことも嘘か。」

「はい。本当はただ上手に乗れないから、春日局様はそれをばれないように言うったんだと思います」

「お前、本当の名は?」

「優希です。」

「優希か、お前にピッタリだな。」

「あの、鷹司さん…」

「鷹司でいい。」

「わ・分かりました。」

「後、敬語も要らねぇ。」

「でも、私の方が年下ですし…」

「そんなもんかんけーねぇよ。本人がいいって言ってるんだから気にするな。」

「わかったよ。鷹司。」

「おー。」

優しく笑いかけてくれた。

「この事は…」

「分かってる、誰にも言わねぇよ。それと俺に余り近づくな。」

私はせっかく仲良くなれたのに突き放された気分で、ショックと驚きの顔で鷹司の顔を見た。

私の顔を見た鷹司は、焦ったように言い直した。

「ちげぇーよ、家光との仲が良くなったって言われるのが嫌なんだよ。厄介なことに成りかねねぇからただそれだけだ。だから、多少の嫌みを会ったら言えるようにしろよ。俺も言い返すからな。」

私は、何故かほっとした。

「うん。わかったお城に居るときは、多少の嫌みを言ったらいいんだね。」

「そうだ。さて、日もくれてきたし帰るか。

遅くなるとあの春日局の説教が面倒だしな。」

「ふふふ、そうだね。」


行きしなよりも軽い気持ちで、江戸城に帰った。

江戸城の門には、春日局様が立っていた。

「上様、鷹司殿時間通りですね。」

「春日局様が釘を刺したんだろう!!」

私は、鷹司の後で話を聞いていた。

「上様。鷹司殿との遠乗りはどうでしたか?」

春日局様の顔を見ると、行きしなと同じように試すような眼差しで見てた。

「こいつとたまに行くのも良いかと思ったが、災厄だった。次は一人で行く。」

私は心のなかで、謝った。

「はぁ!?せっかくお前の気分転換に付き合ってやったのに、なんだよその言い方。お前とは二度とごめんだ。」

少し傷ついた気分になったが、鷹司との話を思い出していつも通りに接することにした。

「喧嘩するほど仲が良いと申しますし。」

「家光と仲が良いかと災厄だ。」

「こいつと仲が良いとか虫酸が走る。」

「上様。お疲れでしょうから、湯殿で疲れを癒してください。明日からは、公務をしてもらいます。」

「家光の事だ、どうせ逃げ出すに決まってる」

「では、鷹司殿賭けをしませんか?」

「賭け!?いったいなんの賭けですか?」

「明日の公務、上様が逃げたして居なければ明日自由に過ごしてもらっても構いません。

ですが、上様が明日の公務に逃げ出さずに受けられたなら…鷹司殿も公務に参加してもらいます。」


そんなの、鷹司が賭けに負けることをしってて…

「はい。分かりました。その賭けに乗ります。」

びっくりした。私の条件を知っているのに、どうして賭けに乗るの?


私は、春日局様に降ろして貰って湯殿にむかった。

湯殿には、夏津が要ることをすっかり忘れていた。


湯殿に着いて扉を開くと

青を下地にして派手すぎないように模様が入っている着物を着ている男性がいた。


な、何で男性が…

思い出した!!湯殿係りの夏津さんだ。

まだ気が抜けないなぁ。

「上様では無いな。お前は誰だ?」

また鋭い人に会ったなぁって思いながら私は後に下がっていった。そうして、壁に背中が当たった。

はっとして前を向き直したら、夏津さんによって逃げ場を失った。

普通では壁ドンされたらときめくのだが、いまの私は恐怖感しかわかなかった。

「何を言っている、夏津。」

「昨日湯殿に来たとき焦ってたのはどうしてだ?」

「それは、お前をこの係りに指名したのを忘れていたからだ。」

夏津さんは、冷たい視線で私の心の中を見透す用に見られた。

「まぁいい。上様であろうが影武者だろうがどうでもいいことだ。」

といって、私から離れてくれた。

どうにか誤魔化せたかなぁ。

夏津さんがこっちを向いて

「お入りになられないのですか?

それとも、私には脱がせてほしいのてすか?」

私はその言葉で慌てて反応した。

「いい。自分でやる、お前は出ていけ。」

「それは出来ません。もしもの鴇に対用が出来ませんから。」

「そ、それでは後ろを向いて、目をふさげ。」

「はい。これでよろしいですか。」

「あぁ。」

私は、さっさと着物を脱いで浴槽に行って体を流しお風呂に浸かった。


へえ~ここからは星が見えるんだ!!

とっても綺麗♪。


私は体を綺麗に洗ってもう一度、お風呂に浸かった

暫くして、うとうとし始めた。

あぁ眠い…遠乗りなんて初めてだから、疲れきってたんだ。

うーん、誰かの声がする。誰だろう?瞼が重くて開かないや、…………。

そこで意識が途絶えた。


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