過去
この話に出てくる人物名
春日局・稲葉・緒方・火影・鷹司・
主人公の優希
次に目が覚めたときは、いつもの見慣れた天井ではなく和風の天井だった。
そしてベッドではなく布団が畳に敷かれていた。
ってことは、ここは江戸城の一角の部屋でえっと…何て言ってたっけ思い出した!!。《葵の間》(あおいのま)
上様の部屋でここで、寝起きや文を書いたりしている所だ。
この時代では、ときどき居るらしい私のように未来から来ている人が。
その人がどの時代から来たのか、何処に居るのかは誰も分からないらしい。ほぼ全員が未来から来た人は、元からこの時代にいた人物だと認識されている。だが時々未来から来た人だとすぐに気づく例外もいる。それに少し歴史が変わっている。
例えばの例が私だ。
歴史上では上様は、男性だが私が上様をしている勿論女性のままで周囲の人達は全く違和感が無いらしい。
私が考え事をしていたら廊下から声が聞こえた。
「上様上様。お起きになられているでしょうか?」
「…はっ、あぁ。起きている」
危ない!!誰が何処で聞いてるか分からないから、上様らしく振る舞わなきゃ。
一昨日の事。
私がこの世界に来たときのことだ。
眼鏡をかけていて人を品定めするように、視られて
私の顎に扇子をあて上を向かされた。
そのとき私は行きなりの事で、その人を睨んだそれが事の始まりだ。
私はその人に気に入られてしまった。
本当ならば、すぐに過去に来る道を閉ざすはずだったらしい。そして元の歴史として動くはずだったが
上様がどっかに身を隠されたので、上様がお帰りになるまでは私が上様を演じることになった。
平和に過ごすために条件を出された。
1つ目 けして正体をばらさない、知られない。
性別とかは変更されて違和感が無いが、話し方は変更されないので偽者かと疑われるらしい。
2つ目 基本上様のお目附役の
春日局様の言うことを聞く。
勿論、反論や勝手の行動は許されたい。
3つ目 大奥の人間を好きになるな。
の3つの条件らしい。
そして私の正体を知っているのが例外にも当てはまる。
上様の目附役の春日局様
条件3つを提示してきた。鋭くて何を考えているのか分からない。影の支配者ともちらほら聞く。
御典医の緒方さん
過去に来たときに、診断をしてくれた。
上様の護衛係忍の火影
とても明るくて優しい。腕がたつ。
お世話役の稲葉
お兄さん系、優しい
唯一春日局様に対等に話し合いができる人。
この4人だけが例外にも本当の上様を覚えている。
だからこの4人だけなら普通に離しても良いらしい
だけど、他の人がいる前では上様として振る舞わないけない。
未来から来た人がこの世界に害になるとわかったら
元の世界に返している、番人的存在だと私は思う。
話はもとに戻します。
「お召し物をお持ちいたしました。入ってもよろしいですか?」
「あぁ、入れ。」
「失礼します。」
廊下で正座して話しかけてたみたいだ。
ゆっくり障子を綺麗な動作で開けて、着替えを持ち上げて摺り足で入ってきた。
そして、また同じ動作で障子を閉めた。
「今日のお召し物です。」
「ありがとう、稲葉。確か後ろの楯の後ろで着替えるのだよね?」
「はい。楯の横にお召し物を置いときますので、お着替えが終わりましたら出てきてください。」
「うん、わかった。」
そして楯の後に行って
4・5分が経った。
私はようやく着替え終わった。
ゆっくり楯の後から出てきた。
「稲葉、どう?ちゃんと着れてる?」
稲葉は私の方を見てにっこりと微笑んだ。
「大丈夫ですよ。確りと着れています。」
「そう!良かった。」
この和やかな空気に気を緩めていたが
急に障子がゆっくりと開き、そこにいたのは
春日局様で一瞬にして気を引き締め直した。
春日局様がこちらを観察するように視てきたので
とにかく挨拶をすることにした。
「春日局様おはようございます。」
何も聞こえていなかったように
春日局様が口を開いた。
「ほお。一人で着替えられたか、なかなか教え甲斐がある。」
「後は髪結いを呼ぶべきかだが、稲葉。」
「はい。何でしょうか?。」
「これからは、上様の髪の毛を結って差し上げろ」
「はい。分かりました。」
「今日貴女には、上様の得意とされている
馬乗り・弓を練習してもらう。馬乗りは前回やったから今日は、鷹司殿と遠乗りに行ってもらう。」
「で、でもあの時は…」
「ほお~貴女が私に意見していいと思ってるのか?
これは、決定事項だ。」
「はい…」
私は仕方なくうなずいた。
「稲葉準備を手伝ってやれ。」
「はい。」
言うことを言って葵の間を出ていった。
「はぁ~。確かに私には決定権は無いからしょうがないか…」
「優希様どうか気を落とさずに。」
そう言いながら、
馬乗りのしやすい服を渡してくれた。
「ありがとう。稲葉」
さっさと着替えて、馬小屋のところへ行った。
会話文が結構多くなってしまいました!!
余り話が進まない。




