ラストディスク「あの公園で」
薫「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!っっ!」
走る、ひたすら走る。魔子に言われて、聞いてみてやっと思い出した気がする。あの日沙玖夜は来なかった、というか俺から告白をするつもりで魔子と沙玖夜を呼んだのに意味がなくなった。
だが、また思い出したならやり直せばいい。まだ告白をしていなかっただけ、小さい時に少ししか遊んでなかったけど、俺は一目惚れしたんだと思う。けど彼女は神様だ、どうなるかわからないけどとにかく沙玖夜に会わないといけない気がする。
薫「はぁ!はぁ!っ!くっそぉお!!」
学園からそんなに遠くないのにいつまで経っても目的地につかない。なぜだ?同じ場所をグルグル廻っている。
薫「なんだよ、なんなんだよ!これだから意味のわからん島とか、神様とか悪魔とか嫌いなんだよっ!!」
俺は走るのをやめて一度立ち止まる。背後から気配を感じた、振り向くと。
皐月「やはり、思い出したみたいだね。薫」
薫「皐月、なんでお前俺を騙したんだ!」
皐月「悪魔は悪戯が好きなんだ、だから、たまたま君に悪戯をしたんだ。君は本当に神や悪魔が嫌いみたいだから、そういうことをしたらどうなるのか、気になったのさ」
俺はイラついて皐月の胸倉を取る。
薫「もう悪戯はやめろ、俺は沙玖夜に会わなきゃいけない!!」
皐月「やめたほうがいい、これは夢の中なんだ。今までやってきたことは全部」
薫「ふざけるなァ!そんなことは有り得ねぇ!」
皐月は今度は俺の胸倉を取り
皐月「君はッ!!いつまで寝ているつもりなんだッ!!!」
薫「………は?なにが言いたいんだよ、お前は」
皐月「本当に蘇生ができると思っているのかッ!?真実は君自身に探してもらうつもりだった、けど君がそこまで馬鹿だとは思わなかった!」
皐月の言っていることがわからない。夢?寝ている?どういうことなんだ?俺は皐月の胸倉から離す
薫「………なにが言いたいんだよお前は……」
皐月「君は……あの事故以来、寝たきりなんだよ。」
薫「な、なに………なにを言ってるんだよ……」
声が震える。身体が震える。立っていられなくなり、膝をつく
皐月「君は見てきたはずだ、この夢の中で。君に真実を告げるためにヒントを出してきた場面を」
真実を告げるためのヒント。俺はゆっくり思い出す。
薫「なんてひでぇこと、警察には言わなかったのかよ」
黛『人間とは違うんです、神の力をすればなんでも打ち消せる。体罰は無くなりましたが、ある日私達がこの屋敷を去るために準備をしていた時でした。兄が車に轢かれたと報告が入りました。轢いた車はこの屋敷の乗り物でした、犯人もわかっていました。しかし、母はなんとも思っていませんでした。』
(薫と約束を参照)
違う、その内容の中身に『兄が車で轢かれた』『屋敷の車』
薫「お、おい、まさか。俺が轢かれたのってトラックじゃなくて………」
皐月「神城沙玖夜の屋敷の車に。君は轢かれたんだ」
薫「でも待ってくれ!俺は公園に居て、沙玖夜が来ないから歩道まで行ったんだぞ?」
皐月「そこに急いでやってきた車は急に止まれない、君は飛び出したんだ。」
そんな馬鹿な話はない。これも悪魔の悪戯なんだ、絶対に!俺は立ち上がる
薫「沙玖夜に会いにいく。例えここが創造された世界でも」
皐月「駄目だ、行かせない!!行ったら君は死んでしまう!この世界で、今記憶を取り戻した君が今沙玖夜に会いにいくと三途の川に渡るのと道理だ!」
薫「死んだって構わねぇよ、どうせ死んでしまうならな」
その時、俺は立っていたはずなのに倒れていた。皐月に殴られたのだ。
薫「てめぇ、なにしやがんだ」
皐月「君は今必死に呼び掛ける妹を無視する気かァっ!!?」
薫「……!?い、妹なんて俺にはいねぇよ!!」
皐月「君は事故に遭ってから前の記憶を失った、そこからこの世界に来た。一人っ子として。だから忘れたのかもしれない、だがさっき思い出したじゃないか!兄が車で轢かれた!わからないのかい!?」
おい、そんなわけないだろ。黛は、同じクラス……
皐月「黛千夜!!君の本当の妹が今まさに呼び掛けてるのがわからないのか!?」
俺はなにがなんだかわからなくなり、パニックになる。なんでも急なんだよ…………もうわけわかんねぇよ…………
薫「………どうすりゃいい」
皐月「君が現実に戻るには、神を信じるんだ。」
薫「神とか悪魔は嫌いなんだよ………でも、信じるだけ。信じてやる」
俺は、半泣きだがなんとか冷静になる
皐月「……ありがとう。本当はもっと時間をかけるつもりだった、でも仕方ないね。ボク自身早く気づいて欲しかったから色々行動を起こしてしまったからね」
ひと呼吸置いてから
薫「最後に行きたいとこがあんだよ、いいか?」
皐月は黙って頷いて、俺について来る。着いた場所は丘の上の公園だ、黛と一度来たくらいだがここから見る風景はとてもいい
薫「黛が妹だったのか、目が覚めて知らないだなんて言ったら何を言われんだろうな」
皐月「きっとグーパンチだね。」
皐月も一緒に風景を眺める。
薫「お前も現実で俺と友達なのか?」
皐月「残念だけど、ボクは本当に悪魔なんだ。夢から覚まさせる悪戯を君にしようと思ってね。」
俺は苦笑いしながら『もういいって、悪戯なんて』と言う。
そして―――
薫「ありがとな。色々さ、ここの生活もなかなかよかったんだけどさ、やっぱちゃんと戻らねぇとな」
皐月「ボクは何もしていないよ。薫ががんばったからだよ、そんな薫がボクは好きだったよ」
男に告られても困るんだが、てか、キモい。
薫「てか気になったんだが、竜胆先生は一体何もんなんだ?」
一番気になったことを聞いてみる。
皐月「あれはボクが作り出した人形だよ。まぁ失敗したけどね」
薫「失敗?どこが?」
皐月「君に答えを教えようとしたからさ、鍵をね。」
あの時の鍵か、何か言いかけて皐月が来たんだよな。
皐月「さぁ、薫。そろそろ目覚めの時だよ、目を瞑るんだ」
薫「あ、あぁ。こうか?」
俺は目を瞑る。何か近づいてきた気配がして、目を開けると
薫「ンッッ!?!?」
皐月「んっ………さようなら、薫。」
その瞬間、目の前が真っ暗になり。意識は一気に遠のいた……………………―――――
―――――――――――――――――――――――――――――
『兄ちゃん……………お兄ちゃん………………!』
なんだか声が聞こえる。複数人居るような気がする。誰だろ
『薫!薫しっかりしなさいよ!!馬鹿!』
『皆さんちょっと!村人さん!聞こえますか?!目は開いている、大丈夫ですよ皆さん!』
なんだ?騒がしいな………
俺はやっと声が出せた。
薫「………ちよ、まこ、さくや…………」
沙玖夜「!?ば、ばかばかばか!!何年寝てるのよッッ!……うぅっ!ひっく!」
魔子「もう何年も心配したんだからっ!!」
沙玖夜に魔子。変わらないな夢の中と。夢の中?なんで夢の中なんだ?思い出せない、まぁいいや。また逢えた、お前らに
千夜「お兄ちゃん………もう、死んじゃいやだからね……」
薫「……あたりまえさ……3人ずっといっしょさ……」
俺は今最大の掠れた声で、そう誓った―――――
そして、その一件から2年が立った。どうやら高校入学パンフレットが家に届いていたらしい。そのパンフレットは
薫「未来学園?なんだそりゃ。うぉお!!めちゃくちゃ良さげな寮じゃないか!」
母さん「え、あんた島に行く気?」
父さん「だめだ、金がかかる!」
まぁ反対するだろうな。それに、俺は行く高校は決めていた。
薫「俺さ、もう行く高校決めてんだよね。まぁこの近くの高校だけどな。」
二人にそう話していると、玄関から賑やかな声が聞こえた。
沙玖夜「今日は必要なもの買いに行く日でしょ?早くしなさいよ」
沙玖夜はあの事故を引きずっていたが、俺が気にするなと言ってからなんとかなったらしい。まぁ説明がめんどいから省く。
千夜や魔子も元気で、毎日二人は遊びに出掛けたりしている。
魔子「明日から高校生活楽しみだよねぇ!」
千夜「はい、すごくっ!」
薫「なら、さっさと買い物済ませようぜ!」
俺達はデパートに買い物に出掛ける。女の子だから時間のかかる買い物があるみたいだから、俺は近くにある公園のベンチに座る
薫「はぁ、夢。あれから夢は見たりするけど入院してた時の夢はなんだったかなぁ………割とどうでもいい夢だったのかな」
俺はベンチに横になる。季節は春、少しだが肌寒い。
目を瞑ると。急に真っ暗になる、いや目を瞑ると真っ暗になるのはわかるが、日差しがさしているから薄明るいはず。
目を開けるとそこには
「やぁ、こんにちは。」
「ボクは佐々木皐月って言うんだ」
―Fin―
皆様、作家のかずとん。です!
このJKは3ヶ月ちょっとの連載でしたが、なんとか
無事に書き上げることができました。
応援していただきありがとうございました!
今は二次創作も連載していますが、さらに新作を
書き下ろしますのでお楽しみに!
3ヶ月ちょっとの間でしたが、JKを応援していただきありがとうございました!では、またお会いしましょう、
かずとん。




