番外編「すーぱー体育決定戦!後編」
さて、神悪対向リレーが始まって少し。悪魔グループはなんとか神グループを抑え、トップをゲットした。俺自身神や悪魔ではないのでちょっと複雑な気分で走ったが、体力には自信があった。
薫「ふぅ、次の競技ってなんだ?」
俺は魔子に訪ねてみる。魔子は栞を開けて、競技種目を確認する。
魔子「次は〜、タイヤでDonだってさー」
薫「まるで小学生がやりそうな競技だよな、タイヤでDonって」
グランドでは車用のタイヤを複数綺麗に並べて置いていっている。
薫「なになに?タイヤをより多く陣地に運びタイヤの数が多い方が勝ちか。簡単じゃないか?」
魔子「でもこれ、女子の競技だよ?タイヤの大きさによって獲得ポイントが違うみたいだね」
自転車のタイヤ、軽自動車、中型バイクのタイヤ、大型トラック
最後のタイヤはどう考えても女子じゃ無理じゃないか?
まぁ、でもここは常識が逸脱してるし気にするようなことじゃないか
魔子「じゃあ、魔子行ってくるね!応援してね!」
魔子は元気な声と笑顔を見せてグランドへ走り出した。すると、皐月がグランド整備から帰ってくる。
皐月「なんだい?顔がニヤニヤしているようだが?」
薫「してねぇよ!それより、お前次の競技でるんだろ?」
皐月はバンダナを頭に巻くと
皐月「ボクこの競技にも出るんだ、またあとで!」
薫「は?いや、待て待て。これは女の子の競技だろ!?」
皐月はブルマを履いたお尻をプリプリさせながら指定位置に行った。競技はタイヤの大きさによって得点が違うとか書いてたな。
先生「タイヤでぇー?」
選手達「ドォォォォォォン!!!」
なんちゅうスタートの仕方なんだよ………俺は適当な場所に座り込むと
黛「薫さま、こちらにいらしたんですね。」
沙玖夜「ふふん、どーよ!神チームの強さ!」
いや、今同点だろ。ツッコミを入れたいが何か被害が無いわけじゃないからあえて、言わない。
薫「俺の出番までまだ時間はあるしな。黛はでないのか?」
黛「私は沙玖夜さまの身の回りのお世話を」
と全て言い切る前に、沙玖夜が手で制す。
沙玖夜「千夜は悪魔チームで敵、施しは受けない。というわけで後は頼んだわよ」
沙玖夜は俺の肩をポンと叩くと、クラスに戻っていった。何も返答できなかった俺達は、目の前で繰り広げられるタイヤで競技を終わるまで見届けたのだった。
タイヤ競技、綱引き、玉入れと、馴染みのある競技が続々と終わっていくと。残された競技は…………
薫「くっつき虫、責めと受け、神と悪魔の大相撲………」
くっつき虫と責めと受けとか意味わからん競技を最後に回しやがって…………栞を握り締めていると
皐月「さぁて、いこうか薫?くっつき虫っ」
薫「辞退したい。ものすごく。大体どういう競技なんだよ?」
栞には詳しく書かれていなかった。なんとなくどんな感じかはわかるような………
皐月「よーいスタートで、指定位置にある紙を捲って。書かれた名前の人に抱きついて10秒経てば5ポイントで、その抱きついた人の紙を自分が引き継いでその人に抱きつく。ちなみに、振り解かれたらまた紙を捲っての繰り返しだね、捕まった人は罰があるみたいだよ。」
薫「まて、これ大丈夫な競技か?PTAとかに文句言われないか?」
皐月「伝統行事らしいから大丈夫じゃないかな?」
いや、大丈夫な基準がそもそも狂ってるぞここ(学園)
皐月「ほら、文句言ってないでいくよ?」
薫「って!ま、まて!引っ張るなっ!」
皐月に引っ張られてスタート位置に立たされる。ちなみに、俺以外の男子もいる訳だが、男子の名前を引いたら最悪だな。いや、女子の名前も一緒だが………そして、スタートの合図が鳴り響く。一斉に走り出す中男子達は
男子「絶対にあの子絶対にあの子絶対にあの子絶対にあの子絶対にあの子絶対にあの子ォォォォォォっっっっ!!!!」
目をギラギラさせて目的の紙へ行く。俺はあえて、残り物を選ぶためにスタートをで遅れる。
薫「紙紙っと。えーと…………………佐々木皐月…………………………………」
まじかよ………なんで男子だか女だかわかんないやつ引いたんだよ………とにかく皐月を探すと。
皐月「うわっ?!は、話してくれっ!!」
男子「いーち、にーい!!……ふんす」
うわ、皐月つかまってるじゃないか。確か自分の紙に書かれたやつが捕まってしまったら俺まで脱落の連帯責任だったな。よし
薫「うぉぉぉぉおらァァァァァァァァっっっ!!」
男子「なーな、はーち。ってぇえ?!ぐほぉぉ?!?!」
俺は男子にドロップキックをかます。男子は吹き飛ばされた
皐月「か、薫………やっぱり、ボクのことを////」
薫「12345678910!!!!(早口)」
皐月「って!?早い!!」
皐月をガバッと離し、皐月の紙をぶんどる。そこには
薫「り、竜胆先生…………」
まて、競技に参加してない人までいんのかよ?!聞いてないぞ
皐月「あー、それはボーナスだよ。竜胆先生を抱きしめたら15ポイント。がんばれー」
薫「だぁぁ!!わかったよやりゃいいんだろ?!」
俺は爆走して竜胆先生を発見。俺はある怪盗のようなダイブで
薫「りーんどーせんせぇい!!!」
竜胆「……………滅」
俺は確かに竜胆先生に向かって走っていたはず、なぜ青空が?あぁ、蹴られたのかなるほど…………………ぐほ……
俺は、その蹴りにより。全ての競技を終えるまで、起き上がることはなかった。
そして夕方。俺は誰かに膝枕をされていた。
沙玖夜「あ、起きた。」
薫「沙玖夜………俺は一体。」
グランドには設営されていたテントも、小道具もなにもなかった。
薫「体育祭。終わっちまってたのか?」
俺は思ったことを沙玖夜に話すと、なぜか『こいつ何言ってるの?』みたいな顔をされた。
沙玖夜「何それ?アンタ今日の体育の時に熱中症で倒れたのよ?」
はい?いやいや、体育祭の種目だってちゃんと決めたじゃないか。
薫「冗談はやめろよ、確かに体育祭をしたじゃないか。くっつき虫で竜胆先生に蹴られてこうなったんだろ?」
沙玖夜「ひ、人がめちゃくちゃ心配したのに!冗談なわけないじゃない!もういい!アンタとかアリンコに踏まれて死ねぇ!!」
沙玖夜が急に立ち上がるもんだから、後頭部を地面にぶつける。
薫「な、なにが、どうなってんだ?なんだ?わ、わからないぞ…………」
俺は夢でも見ていたのか?そんなわけ無い、確かに竜胆先生の蹴りにダメージはあったはず。一人でモヤモヤしていると、グランドからこっちに向かって走ってくる魔子が
魔子「もー大丈夫?心配したんだよ?」
薫「あ、あぁわりぃな。じゃあ着替えたいし教室にいくか」
立ち上がりある気だそうとすると。
魔子「3日後には体育祭だから、明日競技種目決めるから早めに登校しなきゃねっ!」
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