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JKが神さまとか、幼馴染みが悪魔とか聞いちゃいない。  作者: 双葉
―記憶、真実、今―
14/21

ディスク14『生かされた理由』

今の俺はきっと、どう反応したらいいか困った顔をしているはずだ。まさか俺が『一度死んだ』とか、信じれるはずもない。


例えるなら、大切にしてた時計の針が止まり。

二度と時を刻むことができないはずなのに、気がつけばまた動き出していたかのような。


薫「いや、でも待て。俺が死んだのならなぜこうして生きているんだよ?」


皐月「理由まではわからない、だが一緒に居た少女になにかあるんじゃないのかい?」


薫「一緒に居た少女?……誰なんだ、その少女って。というかそんな蘇生させる力とかあるのかよ?」


俺は椅子の背もたれにぐったり腰を預ける。皐月は用意していたのか、ティーカップに入った紅茶を飲む。


皐月「んっ、ふぅ。あるにはあるよ、だができるのは神か悪魔だ。当たり前だけど一般人、つまり人間にはできるはずもない。記憶が掛けているのも蘇生させるときの条件の一つだったのだろうね」


薫「未だに信じられん。小さい頃だったのか?全然思い出せない。少女って誰なんだよ……」


俺は軽めにテーブルを叩く。皐月は椅子から立ち上がり


皐月「確かに、調べる必要があるかもしれないね。君のことに関して何か隠された謎がある。」


それを俺に言って、テラスを後にした皐月。俺は椅子から立ち上がり、もう沈みかけていた夕陽を見ながら。ずっと考え込んでしまった。



気がつけば、もう真っ暗で少し肌寒い空気になり始めた。


薫「俺はパンフレットを見て、未来学園に憧れて。ここに来たはずなんだ、パンフレットを見る前から未来学園の存在は知っていた。だけどそれより前の記憶は思い出せない。」


まるで、始まりがそこから(パンフレット)始まったかのような。

いや、落ち着け。皐月が遊びで言っただけかもしれないだろう、あいつも悪魔とか言う奴だ。悪魔は悪戯をするんだから


俺は会場に戻ろうとした時だった。


沙玖夜「なにしてんのアンタ。岩石みたいな顔をしてさ」


薫「誰が岩石やねん!…あのさ聞きたいことがあるんだけど」


沙玖夜は馬鹿にした顔から真面目な顔をする、沙玖夜も肩を出したドレスを着ている。月に照らされて、金髪がキラキラしてる。


沙玖夜「聞きたいことって?スリーサイズは秘密だから」


薫「聞きたくねぇよんなこと」


沙玖夜「この私に魅力がないとか言うわけっ!?」


薫「話が脱線すんだろほらぁっ!!?」


沙玖夜は俺の隣立つ、香水の匂いが漂う


薫「……お前死んだ人間を蘇生したことあるか?」


単刀直入に聞いた、長々と話すのは面倒だ。沙玖夜は驚きもせずに


沙玖夜「あるわ、一人だけ。大切な人をね」


薫「…!?本当かよ?」


思わず沙玖夜の両肩を掴む


沙玖夜「や、やだちょっと痛い!離しなさいよ!」


薫「あ、あぁわりぃ。で、どうなんだよ」


手を肩から離す。沙玖夜は肩を摩りながら


沙玖夜「確か三年前だったかしら、中学の頃に知り合った男の子ね。私はしばらく留学していた時期があって、久しぶりに帰国。知らない街に来たばかりでね、道に迷った所にその男の子が話しかけてきたのよ。ちゃんと道案内してくれて、それがきっかけになって仲良くなったの。でも1ヶ月がたったころ、遊ぶ約束をしていたその男の子は時間になっても現れない。」


俺は真剣に聞き入っていた、寒さも忘れて。


沙玖夜「待っても現れないから、探しに出たら。その男の子は車と事故を起こした。私は直ぐに駆け寄った、神であることをバレてもいいから助けたかった。でも……まだ未熟だった私は蘇生に失敗したわ。その後は救急車に運ばれて行って、状況はわからないまま。また1ヶ月がたったくらいに、亡くなったと聞いたわ。」


蘇生失敗?その男の子が俺だとしたらとっくにいない筈……どうなっているんだ?


沙玖夜「もしかしたら、最初で最後の好きな人だったかも知れないわね。はい、めでたしめでたし。どう?こんな話を聞いて薫はどうした訳?」


俺は思わず、一度死に、蘇生したことを隠すために。


薫「いや、俺も神か悪魔なら蘇生とかやれんのかなぁってさ。大切なペットとか、壊れた物とかさ」


軽く言ったつもりだったが、沙玖夜は俺にボディーブローをかます。口から空気が抜ける


薫「ごほっっ!?……な、何すんだよ、ばか!」


沙玖夜「気持ちはわからなくもないけど、蘇生なんてやめときなさい。そこで終わる運命を、勝手にまた動かそうだなんて最低よ!低脳!形あるものはいつか壊れる、直すならともかく。直しようのないものをまた最初の形に戻すなんて、失礼よ」


沙玖夜は言うだけ言って満足したのか、ふん!と髪を翻しテラスから出ていった。


薫「はぁぁ…余計にわからなくなったぞ。………そこで終わる運命を蘇らすな。か……」


気になることはそう簡単に答えが出てこないとわかると、一気に寒さが身体中に染み渡ってきた。


薫「帰るか、寝たらなにか思い出すかも知れないしな」


寒さで身体が震える中、俺はお開きムードになった会場から寮に帰宅した。


帰宅しても皐月はまだ帰っていなかった。さっきのこともあるからだろうか?よくわからないが


薫「考えても仕方ないな、そういや今日魔子とあったか?あいつのドレス姿見てなかったか」


俺は端末の画面を開き、電話帳から魔子を引っ張り出す。通話ボタンを押すと呼び出し中になる


薫「…………出ないな。なにしてんだあいつは?」


通話を切り、端末をベッドに放り投げた。


薫「しゃーない、寝るか」


俺もベッドにもぐり、眠りについた………



女の子?『ねぇ?明日絶対に駅前に集合だから!』


男の子『わかってるって、遅刻とかしない。お前のためだしな』


女の子?『ダブル誕生日なんだから、絶対にだよ?』


男の子『おう!任せとけ!街の商店街通り抜けたらソッコーだって!』


女の子?『うんっ!じゃあまた明日ね!ばいばい!』


          『かおるっ!』

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