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JKが神さまとか、幼馴染みが悪魔とか聞いちゃいない。  作者: 双葉
神と悪魔の簡単なお仕事
10/21

ディスク10「白紙」

ボランティア活動の後、教室には帰らず。そのまま解散となった。


すぐに帰ってもやることがない俺は街をブラブラすることにしたが。


魔子「ねー、私も一緒に街をブラブラしたいんだけどっ」


皐月「阿久川さん、ボクもいいかな?ちょっと買い物がしたいんだよ」


魔子「もちろん!じゃあいこっか!」


なんか勝手に一緒に行くことになっているぞ、俺は二人を見ながら


「悪いんだけど一人でゆっくりしたいんだよ、いくなら二人だけで行ってくれないか?」


魔子「えー!!?つまらないよ薫っ!街を一緒にブラブラしよーよ!!」


魔子は人の腕をブンブン振る。俺は隙を見て魔子の手から逃れると


「わりぃ、また一緒に行くからさ!じゃあな!!」


俺はダッシュでグランドを駆け抜けた。魔子は『薫のばーか』とブツブツ言っていた。


皐月「仕方ないよ阿久川さん。薫も一人になりたい事もあるんだよ」


魔子をなだめる皐月。しかしどこかで皐月はクスリと微笑んでいた。


薫は学園の右側エリアにある街に到着する。他の生徒もチラホラ見かけるが大体が『リア充』って奴等ばかりだ。

俺は本屋へと向かう。


「こっちに来てから本屋に寄ってなかったし丁度いいな」


そうやって歩いていると見慣れた金髪を発見した。

向こうもこっちに気がついたようだ。


沙玖夜「さち薄い顔をしてなにしているの?ストーカー?」


「お前名誉毀損で訴えたろか。違う違う、本屋に行ってるんだよ」


沙玖夜「ふーん。じゃあ奇遇ね、一緒に行きましょ?」


じゃあってなんだよじゃあって。俺は沙玖夜を交わし歩き出しながら


「悪いけど一人になりたいんだよ、邪魔しないでくれ――いたたたたたぁぁ!!?」


髪を引っ張りやがった!!こいつ!!


「なにすんだ!髪抜けたら禿げるだろ!!」


沙玖夜「遠い未来禿げるんだから気にしない気にしない」


「禿げねぇわ!オヤジも禿げてねぇし!てかなんだよ、行かせてくれよ」


沙玖夜は横に並びこちらを見ずに


沙玖夜「本屋、付き合うって言ってんの。神様が直々に付き合うって言ってるのよ?早くほら」


いい加減に連れていかないと殴られそうだし。


「わかったよ、じゃあオススメの店ないか?」


沙玖夜「ないわ」


「お前本屋にいくんじゃなかったの!?……もういいや。とりあえずあそこに行こう」


俺は歩き出し古い本屋があったのでそこに入ることに。


「さすがは古本屋。色々時代が古い書物ばかりだが面白そうだ」


俺はさらに奥に入るが……


沙玖夜「ケホケホ!!なによ埃っぽい!お迎えの新しい本屋にいかない?」


「ばかやろう、古本屋だから色々見つかるんだろうが。さて、なにがあるのかなぁ」


棚をぐるっと見て回ると、ある分厚いくて、ボロい本を見つけた。それを手に取る


「なんだこれ、タイトル書いてないし」


本を開きペラペラ捲ってみるが


「な、何も書かれてないし。てか白紙!?」


それを聞いた沙玖夜が近づいてくる


沙玖夜「ただの印刷ミスなんじゃないの?店員に言っておきなさいよ」


「あ、あぁ。そうだな」


俺はその本をレジに持っていき、白紙であることを告げると。

『それはそういう本ですが?』と言われる。このまま戻すのもあれで買ってしまった。3800円。地味に高いてか高すぎ。

紙袋を持ち沙玖夜の元へ


「どーやらこんな本らしい。」


紙袋からさっきの分厚い本を出す。沙玖夜はそれを受け取りパラパラ捲っていく


沙玖夜「ホントに何も書かれていないわね。ま、日記帳にでもしたら?」


軽く言われて投げるように渡された。


「ばか、大事な本をやめろよ。」


沙玖夜「そんな意味のわかんない本を大事とか有り得ない。帰りましょ。あ、待って」


歩き出すかと思えば立ち止まる。


「んだよ、帰るんだろ?」


沙玖夜「あんたさ、昨日どうだったの?」


「は?」


沙玖夜は振り向いて急に問いかけてきた。


沙玖夜「ボランティア活動よ、ま、どうせ一人でいたんでしょ?」


俺はドヤ顔で言ってやった。


「いや、同級生の女の子といたぞ?(まゆずみ)とか言ったかな」


決まったな、と思っていたが


沙玖夜「黛?今黛って言った?!」


沙玖夜はぐいっと近づいてきた、俺は少し下がる


「だからそう言ったじゃないか、黛がどしたんだよ」


沙玖夜「あ、あの子が人と話すだなんて。ありえないわ」


「お前最低だなおい!!」


てか、同級生だからわかるが。沙玖夜は1年上で黛を知ってるのがおかしくないか?


「なんで黛を知ってるんだよ」


沙玖夜「黛…千夜(ちよ)は私の家で働くメイドよ。」


まさに衝撃的事実。黛メイドだったのかよ。中二病だけど、沙玖夜はブツブツ言っているので俺は


「なんだっていいじゃないか。とにかく早く帰らないか?天気悪いからさ」


投げられた本を紙袋へ戻し、先に歩き出す。沙玖夜が付いて来る気配がない、一度振り返ると。


沙玖夜「あんたさ、千夜とどんな話をしたの?」


何を聞き出したいのかわからないが


「中二病の話?」


沙玖夜「はぁ?わけわかんないわよ、千夜が中二病だなんて有り得ないわよ真面目な子よ?」


あれのどこがだよ。なんだっけ?『なんたらで消し炭にするぞ』とか言う残念な子だぞ!?


「まぁ、適当にしか会話?してないしな」


そんな風に話していたら、雨が降り始める。風も少し強めだ


「やべ!早く行こう、マジで風邪引くって!」


俺は咄嗟に沙玖夜の手を取り走り出す


沙玖夜「ちょ!?は、離しなさいよ!!」


話を無視してとにかく屋根のあるコンビニへ逃げ込む。傘は売り切れていた。くそ、不幸だわ


「止むまでここにいるしかないな。」


沙玖夜「はぁ、私は先に帰るわ。」


携帯を取り出し、誰かを呼び出したのかと思ったら。あの金持ちがよく乗る黒色の長い車が店の入口の前に停車


「あ、じゃあさ途中まで――」


沙玖夜「冗談はその(・・・)だけにしてくれる?」


沙玖夜はそれだけを言い残し、車へ乗り込んだ。パワーウィンドを開けて。沙玖夜は手でちょいちょいっとしてくる。

車へ近づくと何かを突き出してきた


「傘?」


ビニール傘を渡してきた。一瞬警戒するが


沙玖夜「さ、さすがにまぁ。可哀想だし、それに私はネ申だし?だからほら使いなさい」


「あ、あぁ。わかった、ありが――」


ぶぉぉぉぉぉおん!!!!ばしゃぁぁぁぁぁん


人が礼をいう前に発進させやがった上に水溜りの上を通りやがったから服にめっさかかった。


「傘の意味ねぇだろ、疫病神」


夕方の空。光が雲の間からさし始めた。


「傘いらねぇじゃんかよ……」


俺は水溜りを避け―――


ぶぉぉぉぉぉおん!ばしゃぁぁぁぁぁん!


「…………」


避けるのをやめた。






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