九話
デスイーター本部
明日奈は響の部屋に来ていた
「ねぇ、何か用なの?響」
「あぁ君に集めて貰いたい物があってね」
明日奈は首を傾げる
「何?」
「邪神を封印を解く為の秘宝だ」
響は前は自分でやっていた秘宝集めを明日奈任せる事にした、明日奈はそれほど響に取って信用に足る人物になったのだ
「分かった、どこに行ったら良いの?」
「まずはグラン王国のゼラマ山の遺跡に行ってくれ、俺が調べた結果今秘宝の場所が分かっているのはそこだけなんだ」
明日奈は頷く
「リナも連れて行って良い?」
「良いよ、君達は二人で行動した方が強いのは知っているしね、それと黒騎士を連れて行け」
明日奈は少し嫌そうな顔をする
「えー、あいつ仮面に隠れて表情が見えなくて何考えてるか分からないから、一緒に行動すると気不味いのに・・・」
「その割りには仲が良いじゃないか」
明日奈は何かを思い出したのかクスクスと笑う
「どうしたんだい?明日奈」
「ちょっと前にね?後ろからこっそり近付いて仮面取ってやった事あるけどあいつ顔結構かっこ良いんだよ、知ってた?響」
それを聞いた響は呆れる
「俺は彼の顔を見たことがあるから知ってるけど、何をしてるんだい君は・・・」
「あいつ仮面取ってやったら、凄く慌てたんだよ?凄く面白かったんだから」
響は黒騎士に同情した
「辞めてやれ・・・」
「やだ」
明日奈そう言った後ニヤッと笑うと部屋から出て行った
リナの部屋
明日奈はリナの部屋のドアをノックする
「リナ?入るよ」
「良いわよ、入りなさい」
部屋に入るといつも座っている椅子に座る
「どうしたの明日奈、遊びに来たの?それとも任務?」
「うん今日は任務が無かったらリナと遊ぶ予定だったのになぁ、任務だよ」
リナが任務の内容を聞く
「どう言う任務?」
「邪神復活の為の玉集めだってさ、黒騎士も連れて行けって響に言われた」
リナは頷く
「そう、やっと場所が分かったのね、黒騎士はいらない気がするけど連れて行きましょうか」
「うん」
明日奈とリナは部屋から出ると黒騎士の部屋に向かった
黒騎士の部屋
今度はリナがドアをノックする
「黒騎士入るわよ!」
「入るよー」
女二人は部屋の主の許可など待たない
「何だお前達、俺は入って良いなど言っていないぞ」
「知らないわよ、つかあんた部屋の中でも鎧なのね・・・」
リナは黒騎士の部屋に来たのはこれが初めてなので、彼がどんな格好をして部屋にいるのかは知らないのである
「ふん、俺はいつ戦闘になっても良いように鎧を着ているのだ」
「暑く無いの?」
どう見ても暑そうである
「むっ?暑く無いぞ?この鎧は冷却機能を備えた鉄の国製だからな」
「へぇ、そうなんだ」
「そんな事より、黒騎士!任務よ!」
任務と聞いた黒騎士は立ち上がる
「どう言う任務だ?」
リナが説明する
「邪神復活の為の玉集めよ、一つ何処にあるのか分かったから今から取りに行くの、響の命令であなたも行くことになってるから早く準備なさい」
「分かった」
黒騎士は剣を装備すると準備完了のようだ
「剣だけで良いの?」
「あぁ大丈夫だ、見ろ」
黒騎士が鎧の腰の部分を押すとパカっと開き収納スペースが現れ、中から袋が出てきた
「食料は鎧の収納スペースのこの袋に入れてある」
「何その鎧、やたら高性能だね・・・」
他にも様々な機能がある
「鉄の国製でオーダーメイドだからな、俺が考えうる全ての機能を盛り付けてある」
「そう・・・」
このままだと鎧自慢が始まりそうなので、二人はさっさと部屋を出ると任務に向かった




