十四話
王子の執務室
フォードは魔道通信機に向けて話していた
「親父上手く行ったよ」
「そうか良かったな、しかしあれだけ女の見舞い写真を見せても興味を示さなかったお前が惚れる少女か、どんな少女なのだ?」
フォードは熱気の篭った声で話し出す
「そうだな、金色の髪が綺麗で少し気の強そうな可愛らしい顔をしていて、その頭から生えている耳もピクピク動いて可愛いんだ、それに尻尾もとても綺麗だ」
「お、おう」
王は少し引いた様子だがフォードに激励する
「惚れたのなら、絶対にその少女を物にしろよ?跡継ぎの問題もお前にはあるのだからな?」
「分かってるさ、でも私には告白する勇気が無いんだ・・・親父は母上と付き合う時どうしたんだ?」
王はフォードの様子を見ると自分の経験を話し始めたそうな
明日奈が泊まって居る客室
明日奈はペンダントを持ち仲間二人に手を振っていた
「それじゃ二人ともまた明日ね?お母さんの所にちょっと行ってくる」
「あぁ行ってこい」
「ふふふ、明日奈さん今まで甘えれなかった分甘えに行くんですね?」
鈴の言葉を聞いた明日奈は顔を真っ赤にする
「う、うるさいわね!やっと会えたお母さんに甘えて何が悪いのよ!」
「へん赤くなりやがったぜ?鈴」
「そうですね、クリスティさん」
二人が明日奈をからかう
「っ、二人とも帰ってきたら覚えてなさいよ!」
そう言うと明日奈は転移した
「クリスティさんようやく前の明日奈さんに戻りましたね」
「あぁ一時期は本当に酷かったからなぁ」
天上界転移板
シュン、と言う音がして明日奈が転移して来た、明日奈は周りを見渡しちゃんと転移が出来た事を確認すると、神孤の家に向かって歩き始めた
『ヘーイ、ハニーまたあったな!今日こそ勝つんだせぇ』
「あらまたあったわね?また潰されたいの?」
看板君mk-3ホバーに加えアームが付いており、アームの先からビームサーベルを出す
『どうだい?ビームサーベルだぜぇ?斬られたらあんたは終わりだぜぇ?』
「そうね近付いたら危ないわね、でもあなた、案内が仕事じゃないの?」
どう見ても本来の仕事を忘れているのである
『ハッ!』
「馬鹿じゃないの?あなたの主は・・・取り敢えず壊すか」
明日奈はそう言うと銃を構えると看板君に向けて発射した
『ギャァァァァア』
「さてと、行こっと」
看板君mk-3は接近戦を重視した結果強度が下がってしまっていたのである
「グァァァァ!また破壊されたぜぇ?しかも本来の目的忘れてたぜぇ、俺って馬鹿だぜぇ・・・だが絶対に諦めないぜぇ」
まだやるつもりのようだ
神狐の家
明日奈はドアを開け、家の中に入ると神狐の部屋に向かった
「お母さんただいま」
「おお!明日奈お帰り、いきなり帰って来てどうしたのじゃ?」
明日奈は少し恥ずかしそうに答える
「尻尾が下がりきる前に帰って来いって言ったのはお母さんじゃない、その」
「その?」
神狐がニヤニヤしながら尋ねる
「うう、寂しくなったのよ!」
「クククそうか、寂しくなったのか、明日奈こっちにおいで」
明日奈は神狐の側に素直に行った、神狐は側に来た明日奈を抱きしめる
「ククク、本当にお主は愛らしいのぅ、本当に可愛い娘じゃ」
「えへへ、でも恥ずかしい」
明日奈は神狐に抱きしめられて照れる
「それで?アシュレイは見つかったのかの?」
「うーん、見つかって無いよ、でもいる場所は分かったわ」
神孤はアシュレイの居場所が分かったと聞いて喜んだ
「本当か!何処におるのじゃ?」
「今はアースフィリアに居るみたい、それでね今日はこの報告もあって来たんだけど聞いて欲しいことがあるの」
神狐は明日奈の頭を撫でながら聞く
「なんじゃ?」
「私の過去の話・・・」
明日奈はこの後母に自分の過去の出来事を話した




