四話
明日奈が自分が妖狐で有る事を知る話と、旅立ちです
この日は明日奈達三人の卒業式である
「久城明日奈 」
「はい!」
「佐藤愛奈」
「はい!」
・・・
「渡飛鳥」
「はーい」
・・・
卒業式が終わり明日奈は孤児院に帰るつもりだったが、帰る訳には行かなくなった
「ねぇジジイ、なんであんたがここにいるのよ?」
「それは今日、お前達の卒業式だからだ、それとお前の事を話す事が出来るようになったからだ」
「はぁ?どういう事よ?」
「まぁ大人しく着いて来い、屋敷で全部話してやる、後そこの二人も着いて来い」
そして帝の館
帝は明日奈の事を話し出す
「ワシはとある人物にお前を任された、孤児院に入れ大事に育ててくれとな、ワシはそれを了承した」
「私をここに連れて来たのは誰なの?」
「氷河天狐だ、まぁ古い付き合いと言う奴だ、天上神弧達はお前の母以外は名前の後に天狐と付く」
「私のお母さんは?」
帝はふんと鼻で笑うと
「何だ結局親の事が気になるのか?」
「当たり前じゃない私はずっと知りたかった、私を置いて行った親の事をね!」
「ふん、良いだろう教えてやるお前の母の名前は玉藻神弧天上界の長だ」
明日奈は驚いた顔をする
「私のお母さんはそんなに偉い人なの?」
「あぁそうだ、お前の母は九尾、九尾とは妖狐が長い時を生き神になった姿だ」
「ちょっと待ってそれじゃ私は・・・」
帝は話の核心を話す
「そうお前は妖狐それも伝説の九尾の娘だ」
「私が妖狐?証拠は有るの?」
「証拠?あぁちゃんと有るぞ?氷河と相談してなお前が中学を卒業した時に全てを話しこれを渡す事になっていた」
帝が取り出したのは白い玉、明日奈はそれに引かれる物を感じた
「これはお前の封印を解く為の物、これに触れればお前は常に妖狐の姿になるだろう、これに触れればお前はもうこの世界では生きて行けん自在に人間の姿に化けれるようになるまではな」
「・・・それじゃ私はそれに触れれば異世界に行かないと行けないって事ね、そしてその氷河って人は私が充分成長するまではこの安全な世界で生きていて欲しかったって事ね?」
明日奈が質問する
「うむお前が充分成長した後はお前の判断でこの世界で生きるか、異世界で生きるか選べと言っていた、さぁ明日奈お前はどうする?」
「そうね、あんた始めから分かってるでしょ?私は・・・異世界に行って見たい、そして自分でお母さんを見つけ出してぶん殴ってやるの」
「そうか、ならこれに触れると良いそれで氷河がお前に掛けた封印が解けるだろう」
「二人と話がしたいから少し待ってくれる?」
「ふん良いだろう急ぐ必要は無いしな」
明日奈は親友二人と話す
「二人とも私ね異世界に行ってみたい、そして多分これで少しの間お別れになると思う」
「何言ってんだよ明日奈さん!あんたが行くならあたし達も行くよ!」
明日奈は首を振る
「二人にはね、せめて高校は卒業して欲しい、その後で選んで欲しいの」
「そうね私も高校は卒業したいし、分かったわ、ただもう決まってるわよ、三年後異世界にいるあんたに絶対に会いに行く、覚悟しなさい」
「愛奈がそう言うのなら分かったあたしも三年我慢する、明日奈さんレッドテイルは私に任せろ!」
「うん、私待ってるわ、だから絶対に異世界に来なさい!」
「えぇ」「おう」
明日奈は帝の方を見る
「ほらジジイさっさと渡しなさい、もう覚悟は出来たわ!」
「ほら受け取れ」
明日奈が玉を受け取った瞬間、玉が光輝き明日奈を包んだ
光が収まるとそこには狐の耳と尻尾を生やした明日奈がいた
「何か変な感じね、尻尾と耳が変な感じ」
「あ、明日奈あんた凄く可愛いわ」
「あぁ確かに似合ってるな」
「お前が妖狐になったら迎えが来る筈だ」
帝の言う通り空間転移で氷河が現れた
「久しぶりだな、帝、それに明日奈始めましてだな、それに神弧によく似てる」
「へぇ私お母さんに似てるんだ、でもあんた余計な事しないでね、私は自分でお母さんに会うから」
「お前ならそう言うと思っていた、だから異世界に行ったらとある人物の元で世話になると良いだろう」
そして・・・明日奈は旅立った
「二人ともまた三年後に会おうね」
一章は自分の事を知る話なので短いです