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金色の九尾  作者: ブレイブ
二章四部城塞都市の二尾
56/335

七話

禿山頂上

響は明日奈以外には目もくれず近づいて来た

「テメェ、誰だ!明日奈に近づくんじゃねぇ!」

響はクリスティの方を向くと

「ゴミが喋るな」

と言った後、明日奈以外の三人に重力魔法をかけた

「みんな!」

「こんなゴミ共の何処が良いんだい?」

そう言いながら明日奈の頬に触れた

「ここではゴミ共が邪魔だからね、移動しようか」

「ちょっ何、キャッ」

響は明日奈を抱きかかえると空に飛び上がった

「おい!明日奈をどうするつもりだ!」

「安心しなよ今日は話があるだけだ、すぐに帰してやるさ」

そう言うと響は飛び立った



岩石地帯

ここはココンの村の東の岩石地帯、リザードマンやゴブリン、大トカゲなどが巣を作っている

「さてここなら邪魔は入らない、俺がいれば魔物も寄ってこないだろう」

明日奈は尋ねる

「あなたは誰?」

「そうだね自己紹介をしていなかった、俺は響、君には黒騎士の主と言ったら分かるかな?」

黒騎士と聞いた明日奈はすぐに剣抜き銃を構える

「黒騎士の主、そんな人が私に何のようなの?」

「そうだね俺は君が欲しい、君の心の闇それは相当な物だ、君は光にいるべきじゃ無い、君は闇こそが相応しい」

明日奈は後ずさる

「何を・・・私の闇?」

「聞いているよ、君は黒騎士と始めて戦った時胸を刺された筈なのに、すぐに立ち上がり彼を圧倒したそうじゃないか、それに俺の部下が調べた結果君の過去は本当に酷いね、これで人間を憎まずにいられる訳が無いほどだ」

明日奈はずっと不思議に思っていた何故あの時傷が塞がっていたのか、あの夢のもう一人の自分が表に出てきていたのだと

「あの時傷が塞がっていたのはそう言うことだったのね・・・」

「それも黒騎士の報告通りだね、君は銀色のもう一人の自分の事を知らないのかい?」

明日奈は首を振る

「いいえ知っているわ、少し前までは忘れていたけど最近思い出した」

「それじゃ記憶は共有していないと言うことか」

明日奈は頷く

「そうね、反対にあの子は私の記憶を見ているみたいだけど・・・あの子は私なの、それで私もあの子、でももう一つになるつもりは無いわ」

「そうは見えないな、君は必死になって、憎しみを殺しているように見える、君は人間を許せた訳じゃ無いんだろう?」

明日奈はこれにも頷く

「えぇそうよ、あれだけの事をやられて許せると思うの?私はそこまで優しくは無いわ」

「そうか、なら何故人間に復讐しないんだい?」

明日奈は答える

「それは・・・」

「答えられないのかい?それならおれと一緒に来るといい、俺の物になれ」

明日奈は首を振る

「いいえならない、私は確かに人間を憎んでいるし復讐しない理由も答えられない、でも今の私にはお母さんや愛奈や飛鳥、鈴やクリスティがいる、あなたはそのクリスティと鈴をゴミと言ったそんな人の味方にはなれない」

(そうみんなが私の心の支え、みんながいなくなったら私は・・・)

「そうか分かった、今回は元からそのつもりは無かったしね、さて村の近くまで連れて行ってあげよう」

「ちょっまたキャッ」



ココンの村

ネーナの家、クリスティはすぐに明日奈を探しに行くと言って暴れたが何とか鈴がなだめていた

「大丈夫ですよクリスティさん、あの人は必ず帰すと言っていました」

「だからと言ってあんなやつ信じられるか!」

二人が言いあっていると明日奈が戻ってきた

「みんなただいま・・・」

「明日奈さん!大丈夫ですか?」

「怪我はしてないか?」

明日奈は頷く

「うん大丈夫だよ・・・二人とも心配してくれてありがとう・・・ごめんね?少し一人になりたいの・・・」

明日奈は今にも泣きそうだ

「何があったのか知らないけど部屋は沢山あるからかしてあげるわ」

「・・・ありがとうネーナさん、二人とも心配しないで明日にはいつもの私に戻ってるから・・・」



ネーナの家二階

明日奈は貸してもらった部屋で一人毛布に包まって泣いていた

「う、うう、そうだよ許せる筈が無いじゃない私は何もしてないのに、水をかけたり、頭を押さえ付けられて溺れされかけられたり、素手でトイレを洗わされたり、酷いよ」

この部屋に誰かがいたら明日奈の瞳が赤く染まっていたことに気付いただろう、だがそれを見た者は誰もいなかった


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