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金色の九尾  作者: ブレイブ
二章三部妖狐族の里1
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七話

神弧の館、明日奈の部屋

ゴソゴソと毛布が動く、どうやら母と娘のうちどちらかが起きたようだ

「うーむよく寝た、ふふふ、可愛い寝顔じゃ」

どうやら先に起きたのは神弧のようだ、神狐は寝ている明日奈の頭を撫でる

「そう言えばワシの真名を教えるのを忘れておった、この子が九尾になったら神名を与えねばならんがまぁまだ先の話じゃな」

そう言いちゃんと毛布を明日奈にかけると神弧は部屋から出て行った



二時間後再び毛布がゴソゴソと動く

「ふぁ、よく寝た、お母さんはもう起きたんだ」

明日奈が起きたようだ

「尻尾の毛並み整えなきゃ」

そう言うと近くの机にある櫛で尻尾の毛並みを整え始める、最近鈴に勧められて始めた朝の習慣だ、実際妖狐族などの犬人系の尻尾は誇りだ、尻尾を整えると気分が良いし何か本能的に満たされる

「明日奈様起きていらっしゃいますか?」

玲狐が入ってきた

「あっ、玲狐さんおはよう」

「おはようごさいます明日奈様、尻尾の毛を整えてらっしゃるのですか、私がやりますよ?」

明日奈は首を振る、大抵の妖狐族は尻尾を触られるのを嫌がる、明日奈も尻尾の毛を整えて始めてからは触られるのが嫌になった

「そうですか残念です、明日奈様の尻尾はお綺麗ですから、変わりに髪を整えますね?」

「うん、お願い」

玲狐は明日奈の許しが出ると、髪を整え始めた

「明日奈様は尻尾も特に綺麗ですが、髪もお綺麗ですね」

「えへへ、ありがとう」

そして髪を整え終わると玲狐が鈴の事を聞いてきた

「明日奈様、鈴は元気にやってますか?」

明日奈は尻尾を整えながら答える

「うん元気だよ、いつも私はお世話になりっぱなし、だから戦闘ではあの子をできるだけ守ってあげる事にしてるの」

「そうですかよかったです、あの子の魔法の威力とんでもないでしょう?」

明日奈は頷く

「うん、始めて見たときびっくりしたわ、だって魔物を一発で消し炭にするんですもの」

「あの子は生まれた時から魔力が多かったんです、小さい時はよく暴走させてました、それをコントロール出来るようにするために氷河様が弟子にならないか?と聞いて来たんです」

「それで氷河の所に弟子入りさせたのね?」

玲狐が頷く

「はい、あの子を私の元から離すのは尻尾が下がってしまうほどさみしかったですが、それがあの子の為でしたから」

「そうね、ずっと暴走させておく訳にはいかないものね」

玲狐はさらに話す

「それにあの子は明日奈様、貴女のお付きになる予定でしたから、そんな危険な者をお付きにするわけにはいきません」

「えっ、そうだったの?氷河も鈴も言ってなかったわよ?」

玲狐少し怒った様子だ

「あら!あの子言って無かったんですね!ちゃんと言いなさいと言っておいたのに!明日奈様、私はあの子に少し説教をしてくるので、食堂に行って下さい、朝ご飯が用意してあります!」

そう言うと玲狐は怒った様子で出て行った

「あはは、言わない方が良かったかも・・・ごめん鈴」

この後鈴は魔法通信があると里の長に呼ばれ久しぶりに顔を見た母親にたっぷりと怒られたそうな



食堂

明日奈が食堂に訪れると、朝ご飯が用意してあった、ご飯と味噌汁と卵焼きのようだ

「うわーこんな朝ご飯久しぶり、頂きます!」

明日奈はこの二ヶ月朝ご飯はパンばっかりだったので、そろそろ米を食べたかったのだ

「うん!おいしいやっぱり米は最高ね!」

そんな事を言ってると神弧が食堂に来た

「起きたか明日奈、それを食い終わったら稽古を付けてやるからの」

「おはようお母さん、これ美味しいよ?お母さんはもう食べたの?」

神狐は頷く

「うむワシはもう食べた、今日はいつもより早く起きて仕事を終わらせて来たのじゃ」

「そうなんだ、もう少しで食べ終わるから待っててね」



神狐の館裏庭

明日奈は裏庭に来ていた

「さて稽古を始める前になお主に教えておくことがある」

「何?」

「ワシの真名じゃ」

真名とは大切な物である、特に神となれば容易に教える訳にはいかない、神の真名は主に家族とその者に近い者にしか教えてはならないのである

「真名ってお母さんって神狐以外に名前が有るの?」

「うむそうじゃ、ワシの真名は玉藻の桔梗と言う、お主の仲間に話す位ならよいが他の者には話すで無いぞ」

「うん分かった」

神狐は明日奈に真名を教えると木刀を構える

「さて明日奈かかって来い!」

「行くよお母さん!」

明日奈は神狐に向って走る、まず突きを放つが軽くかわされて足を払われ転けた

「あれ?」

「ふっふっふ甘いのぅ明日奈、ほれ早う立ち上がれ」

明日奈は立ち上がりまた向って行く、今度は頭を狙って剣を振り下ろすが、剣を持っている方の腕を掴まれそのまま投げられた

「あれれ?」

「くくく、何か違和感を感じるのじゃろう?それに気付かんとワシには当たらんぞ」

神狐は攻撃が当たる前に明日奈の腕に重力をかけ腕を振るスピードを落とさせているのだ

「腕が重くなったような、もう一回!」

今度は体を捻り回転しながら斬りかかる、神狐は今回は重力魔法を使わなかったので鍔迫り合いになった

「今度は重くならない?」

「ククク、不思議じゃのう」

明日奈はあっさりと押し切られ後ろに飛び下がると剣を構える

「明日奈、身体強化の魔法は知っておるか?」

「うーん、エンチャントは知ってるけど、身体強化は知らないかな」

神狐による授業が始まった

「身体強化とはな、身体中に魔力を巡らせ身体能力を上げる魔法じゃ」

「へぇ便利ね、通常の倍以上の力が使えるようになるって事よね」

神狐は頷く

「うむ、明日奈エンチャントが簡単に使えるお主なら簡単じゃろう、魔力を全身に回すイメージじゃやってみろ」

「分かった」

(全身に魔力を回すイメージか、多分魔力を回して隅々まで行き渡らせたら良いのかな?)

明日奈は魔力を動かし始める

「そうじゃ上手いぞ、そのままかかって来い!」

明日奈は魔力を全身に行き渡らせたまま、神狐に斬りかかる、そして腕に魔力を多く回し威力を上げる

「はぁ!」

神狐は重力魔法を使うが明日奈の剣速は遅くならず、神狐と鍔迫り合いになったが今度は打ち勝った

「凄い、こんなに違うんだ」

「そうじゃろ?これが身体強化じゃ、身体に負担をかける事無く、いつも以上の力を出すことが出来る、今日からはこれの練習をするぞ」

こうして明日奈は身体強化の練習を始めた



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