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金色の九尾  作者: ブレイブ
二章三部妖狐族の里1
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五話

長の家転送室

里の者達が大急ぎで転送準備をしていた

「姫様もう少しお待ち下さいね?」

「うん、そんなに焦って無いから、慌てなくても良いからね?」

里の者は頷く

「はい!ありがとうございます!」

そう言って作業に戻った里の者を見送ると明日奈はクリスティと鈴に話しかけた

「二人ともごめんね?一人しか行けないみたいだから、少し待って貰う事になるけど・・・」

「ふん、気にすんな、お前の母さんと会うの始めてなんだろ?ゆっくりして来いよ」

「玉藻様によろしく伝えておいて下さい」

二人と話していると準備が出来たようだ

「姫様!こちらにお越しください、転送準備が出来ました!」

「分かった、それじゃ二人とも行ってくるね?」

「おうたっぷり甘えて来い」

「行ってらっしゃい明日奈さん」

明日奈は二人の言葉を聞くと転送盤に乗った



天上界

明日奈が瞑っていた目を開けると辺り一面の草原が広がっていた

「広っ!お母さんの家はどっちなのかし・・・」

明日奈がそう呟くと、ボン!と言う音と共に看板が現れた

『←玉藻神狐の館 ↑天上界の町 お菓子の家↓ 何が有るんだろうね?→』

「急に現れて・・・お母さんの家がどっちにあるのかは分かったけど、お菓子の家って何よ!何が有るんだろうねってこっちが聞きたいわよ!」

明日奈は看板に突っ込むと看板にはこう表示された

『お菓子の家?読んで字の通りさ、何が有るの?ってそれはお楽しみさ』

「あんたどっかで見てるんじゃないの!?蹴り飛ばすわよ!」

さらにこう表示された

『ヘイ、やめてくれよハニー、俺も死にたく無いんだ』

それを見た明日奈は取り敢えず看板を燃やしておき、玉藻の家に向って歩き始めた

『ちょ待って死ぬ死ぬ、消してくれよハニー!』



看板が燃えている、断末魔の叫びが表示されているが明日奈は無視ししばらく歩く、一時間位歩いた所で館が見えてきた、どうやらあの看板は嘘は付いて無かったようだ、そんな事知ったこっちゃ無いが

『どうだい?ハニー合ってただろう?』

バキ!明日奈は看板を蹴飛ばすと館に向って行った


玉藻神狐の館の前

明日奈は館の玄関をノックする前に深呼吸していた

「すーはーすーはー、あぁ緊張する・・・どんな顔で会えば良いかしら・・・」

明日奈は首を振る、そして尻尾をピーンと張る

「えーいっ私は元レッドテイルの明日奈!、堂々と会ってやれば良いのよ!」

そう言うとノックする、コンコンコン、暫くすると館の中から鈴に似た女性が出てきた

「はーいどちら様でしょうか・・・」

そう言って出てきた女性は明日奈の顔を見るとハッとした顔になり口を押さえた後こう言った

「お、お入り下さい!玉藻様はこちらです!」

そう言い明日奈の手を引くととある部屋の前まで明日奈を連れて行った

「少しお待ち下さい」

そう言って部屋の中に入って行った

部屋の中から声が聞こえる

「玉藻様お客様ですよ!しかも貴女が一番会いたい人です!」

「誰じゃ?アシュレイが帰ってきたのかのぅ?」

明日奈はこの声が聞こえた時泣きそうになったが何とか堪えた

「いいえ違います、入ってきて下さい!」

明日奈はドアを開けて部屋に入る、少し俯いているが

「なっまさか・・・もっとこっちに顔を上げてくりゃれ」

明日奈は言われた通り近付き顔を上げる

「おお間違いない、明日奈なのじゃな?やっと会えた、もっとこっちに来ておくれ」

明日奈はさらに近付く、神狐は両手で明日奈の両頬を包んだ

「すまぬ、すまぬのぅ、十五年前ワシに力があったらお主を手放さずにすんだ、お主をここで育てる事が出来た、ワシはずっと後悔しておったのじゃお主を一人にしてしまって・・・」

そう言うと神狐は明日奈を抱きしめた

「それじゃもっとギュッとして、もっと抱き締めて私はずっと寂しかったんだから、その分の、グス、埋め合わせは絶対にして貰うんだから!」

神狐はさらに抱き締める

「グスっ、こうで良いか?すまんのぅ寂しかったじゃろ?もう寂しい思いはさせんからな!」

「ずっとずっと会いたかったんだから、グスっ、お母さん」

そう言うと母と娘はお互いが泣き止むまで抱き締めあった

「良かったです、本当に良かったですね玉藻様・・・」














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