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金色の九尾  作者: ブレイブ
二章三部妖狐族の里1
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四話

コプラ山中腹

明日奈は男にどう反応して良いのか困っていた

「えっと・・・私が姫?」

「はい貴女様は玉藻神狐様の娘ですから、それは、すなわち我ら妖狐族全ての姫なのです」

明日奈はこれにさらに困ってしまった、やっぱり帰ろうかな?と思い始めた

「私がお姫様って事は置いといてあなた名前は?」

「すいません!貴女様に会えたのが嬉しすぎて忘れていました!私は阿良狐と申します、今は尻尾は一本しかありませんが六尾です」

妖狐族は明日奈や天狐の弟子である鈴のような立場の者を除き、尻尾の数で格を判断される、阿良狐は六尾、妖狐族ではかなり高位の立場だ

「私は明日奈久城よ」

「私は鈴孤月です」

「俺はクリスティローグだ、聞きたいんだが俺も里に入って良いのか?」

クリスティの質問に阿良狐が答える

「はい明日奈様のお付きの方ですね!どうぞお入り下さい」

「お付きって・・・」

少し落ち込んだクリスティに明日奈は

「気にしちゃ負けだと思うわ・・・」

と言った



そして阿良狐を加えた一行はまた山を登り始める

「鈴様はあの氷河様のお弟子様なのですよね?」

「はい、そうです」

鈴の言葉を聞いた阿良狐はさらに興奮したようだ

「やはりそうですか!氷河様の弟子であの孤月玲狐様のお子様ですね!」

「お母さんの事も知ってるんですか?」

阿良孤は頷く

「勿論です!玲狐様と言えばあの玉藻神狐様のお付き様でたまに里に降りて来ては天上界の様子を伝えてくれるお方ですから!」

明日奈が玉藻のお付きと言う部分に反応する

「ねぇ鈴あんたのお母さんがあいつのお付きだって事聞いたこと無いんだけど?」

「すみません明日奈さん、明日奈さんが玉藻様の事を嫌っているのは気付いてましたので、話さない方が良いと思ったんです」

鈴は明日奈に気を使って話さないようにしていたのだ

「そっか気を使ってくれてたんだ、ありがとう、でも別に気にしなくても良かったのに」

「いえ私が勝手に気を使っただけですから」

そこにようやく立ち直ったクリスティが口を挟む

「まぁお互いこれで隠す事もなくなったんだし良いじゃねーか」

「そうね」

「そうですね」

阿良狐が突然立ち止まる

「皆様ここで少しお待ちを、結界を一時外部の者が入れるようにしますので」

どうやら明日奈達が話している間に村に着いたようだ、阿良狐が何か呪文を唱えている

「いよいよか・・・どんな歓迎をされるのか今から不安だわ」

「確かに阿良狐さんの反応をみてると少し・・・」

「だな」

阿良狐は呪文を終えたようだ

「これで入れます、どうぞ中へ」

そして結界の中に入ると妖狐族の街が広がっていた

「へぇ!凄い!昔の日本に似てるのね!」

「日本がどのような国かは存じませんが、我々の里はジパングの風土を真似たものなのです」

グラン王国の妖狐族の里の風景は江戸時代位に似ている、妖狐達は着物を着ている

「では、こちらにお越しください、長の元に案内します」

周りからこんな声が聞こえた

「あれを見ろ姫様だ!」

「本当だわ!可愛らしくてお綺麗ね!」

明日奈はそんな声に手を振りながら、阿良狐に着いて行った


グラン王国の妖狐族の里、長の家

阿良孤に案内され大きな長屋に入ると客室に案内された

「では姫様、長を読んで来ますので少しお待ちを」

「うん分かった」

明日奈は姫と呼ばれる事に慣れる事にしたようだ

阿良狐が出て行った後明日奈は畳の感触を楽しみだした

「うーん畳なんて二ヶ月ぶり、懐かしい」

そう言いながらゴロゴロする、尻尾は嬉しそうに揺れている

「明日奈さんの世界にも畳があったのですか?」

「うん、こう言う部屋は和室って言うんだけど、こっちの世界も同じなの?」

明日奈は鈴に聞く

「はいこちらの世界も天上界も、和室と読んでいます」

「ふーんお前ら世界ってこんな部屋があるんだな、俺にしちゃ靴を脱いで家に上がるなんて変な感覚だよ」

この世界はジパング以外は洋風なのでクリスティは変な感じしかしないのだ

「私の国も昔はこんな部屋ばっかりだったけど今は違うんだよ?どちらかと言うと麓の村みたいな家が多いよ」

「そうなのか」

襖を開けて長らしき人物が入って来た

「姫様、良くぞお越しに下さりました、宴会の準備は出来ております、さぁこちらへ」

長はそう言うと明日奈達を案内する

「ねぇ宴会って何なの?」

「勿論姫様、貴女の歓迎の宴でごさいます」

そう言うと広い部屋に着いた

「ではお入り下さい」

明日奈が部屋に入ると歓声が起こった、妖狐達は明日奈が訪れるのを心待ちにしていたようだ

「姫様こちらにお座り下さい!お付きの方はこちらへ」

クリスティは別の席に、明日奈と鈴は一番真ん中の席に案内された

「皆の者!今日は姫様が我が里に訪れになった記念すべき日だ!盛大に祝おう!」

こうして宴会が始まったのだ



宴会は二時間位続き、様々な催し物、料理など明日奈はかなり楽しんだ、明日奈は先程案内された客室にいる、クリスティ達は別の部屋にいる

「宴会はどうでしたか?姫様、お楽しみになられましたかな?」

「うん楽しかった、もしかして私のお母さんや天狐が来たら毎回こんな事をしているの?」

長は頷く

「はい、天狐様は我等の神、ちゃんとお祝いしなければならないのです」

「そうなんだ、それで早速貴方に頼みたい事があるの」

長は嬉しそうに頼み事を聞いてくる

「おお、それはどういったご用件かな?我々が出来ることなら何でも致しましょう」

「私ね天上界に行きたいの、頼めるかな?」

長は頷く

「はい、それ位なら何の問題もございません、ただこの里から天上界に送れるのは一日一人だけです、それでもよろしいですかな?」

「うん、それで良いよ」



客間

明日奈は風呂に入り尻尾の毛並みを整えていた

「明日はやっとお母さんに会えるんだ、いつもは殴るなんて言ってたけど多分そんな事出来ないな、多分泣いちゃう・・・」

明日奈は尻尾の毛を整え続ける

「やっぱり嬉しいな、ずっと会いたかったから・・・」

そう言うと明日奈は布団に入り眠った

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