六話
デルタムーザの城、玉座
新たに加わった六人のうち拳での攻撃を主体とするクリスティと飛鳥とリーチがほぼ拳と同等なレビィが同時にデルタムーザに向けて突っ込んで行く
三人は自分の攻撃が当たる距離までデルタムーザに接近するとクリスティは右ストレートを腹に飛鳥は蹴りを顔にレビィはダガーで足を当てて斬って二人同時に離れる
「ムゥゥ」
デルタムーザはこの同時攻撃に少し怯んだ、それを見た剣での攻撃を主体とする明日奈、ウィリアム、アリシア、フォードが同時に斬りかかる
まずはフォードが突っ込みデルタムーザの剣を受け止めた、そしてアリシアが脇を斬りつける、そしてフォードがデルタムーザを押し切り明日奈とウィリアムが明日奈が右回転のウィリアムが左回転の回転斬りを同時に放ち、デルタムーザの腹を斬り付けた
「愛奈さん!」
「ええ!」
そして遠方からの魔法攻撃が得意な愛奈とスナイパーライフル型の魔法銃による精密射撃が得意な鈴が攻撃を仕掛ける
「ファイヤーアロー!」
愛奈の空中に出現した炎の矢はデルタムーザ腕に命中し
「雷撃弾です!」
鈴の雷属性の魔法弾はデルタムーザの足に命中した
「ククク、効かんなぁ!」
だが明日奈達九人が掛かりの同時攻撃はデルタムーザに大したダメージを与えなかった、現にデルタムーザはかなりの数の攻撃を受けたが服は破れたりしているがその下の皮膚は全く怪我をしていない
デルタムーザは手を頭上に構えると赤い魔法団を発射させ、明日奈達全員に向けて放った
「くっ!アリシアさん!シールド!」
「えぇ!明日奈!」
明日奈はこの魔法弾を動いてかわした方が危険だと判断しアリシアと協力してシールドを張る、シールドは無事赤い魔法弾から全員を守ったが、今度は赤いレーザーが迫って来ていた
レーザーは流石に二回目のデルタムーザの強力な攻撃には耐え切れなかったシールドを突き破り、シールドの中に居た全員を狙う
「ハイシールド!」
そこで男の声がした、明日奈のホーリーシールドと同等の威力を持つ高位魔法のシールドが明日奈達の周りに張られレーザーを防いだ
「クイックショット!」
そして別の男の声がして、デルタムーザの腕の同じ場所に五発の弾が連続して当たり
「ライトニングランサー!」
そして遠方から敵に一気に接近する雷撃の一撃を槍を持った女性がデルタムーザに向けて放ち、デルタムーザの足は少し宙に浮いた
「響にギルにミランダさん!」
そうチーム29の残りの三人もこの玉座に登って来たのである
「おう!待たせたな」
ギルダーツは明日奈に近付くとその肩を叩きデルタムーザに向けて銃を向け攻撃を警戒する、響もミランダも同時に武器を構え敵の動きを警戒する
「多分この戦いに参加出来るのは後は俺達三人だけだ!俺達十二人でデルタムーザに勝つぞ!良いなお前ら!」
そしてギルダーツがこの場に居る全員に激励を飛ばす
「「おう!」」
そして全員がギルダーツの激励に返事を返した、この戦いに参加する全員が遂に揃った、ここからは第三ラウンドの開始だ
「フン流石に数が多い、ならば我も本気を出さなくてはな!」
デルタムーザはそう言うと何やら力を込め始めた、ウィリアムとクリスティがその隙を狙って攻撃を仕掛けようとしたが、現在デルタムーザの周りにはかなりの魔力が渦巻いているらしく二人は弾かれてしまった
「ククク、ウォォォォォ!」
そしてデルタムーザは己の中に溜めた力を一気に開放し辺りは闇に覆われる、そして闇が晴れるとデルタムーザの姿が変化していた
「・・・それがあなたの本当の姿なのね?」
明日奈は変化したデルタムーザにその姿が本当の姿なのか聞いてみる
「そうこれが我の本当の姿、小娘お前の祖先、桜と戦った時も我はこの姿をしていた」
デルタムーザの現在の姿は黒い巨大な龍人の姿をしている、鱗は固そうで黒い鎧を纏い尻尾は鋭い棘が付いており漆黒の羽、漆黒の剣を持っている
「そして負けたのよね」
「そうだ、だが今回は負けぬ!」
そう言うとデルタムーザは明日奈達の視界から一瞬で消えた、巨大な龍人となったデルタムーザはかなりの巨体なのだが、人間の姿をしていた頃よりも更に速い
「こっちだ!人間どもよ!」
そしてデルタムーザは明日奈達の後方に現れると尻尾を振るった、尻尾が捉えたのはクリスティ、フォード、愛奈だった
「ムゥン!」
そして漆黒の剣を振り下ろす、残りの九人は尻尾に当たってしまった仲間を助けに行く暇も無く剣をかわす、そして明日奈とフォードが斬りかかるが、明日奈はデルタムーザの蹴りにフォードはブレスに当たり吹き飛ばされる
「フハハハハ!どうした?こんな物では我に一瞬で殺されるだけだぞ!」
そしてフォードに放った軽いブレスではなく本気のブレスをデルタムーザは吐き、玉座は漆黒の炎に包まれた、炎は天井を破壊しそして収まると明日奈とアリシアと響が協力してシールドを張っていた為、全員が無事だったがシールドはボロボロにヒビが入っている
「攻撃開始!」
そして三人がシールドを解くとギルダーツが全員に向けて攻撃開始と伝え全員が同時に攻撃を開始する
まずは響、鈴、愛奈、ギルダーツが協力して、連続して射撃攻撃をし敵をその場に引き止めようとするがデルタムーザは難なく振り払い動く
クリスティと飛鳥が同時に上を取り同時にかかと落としをデルタムーザの頭に放ちデルタムーザの顔が地面にめり込んだが、二人はデルタムーザが振るった尻尾に命中し、地面に体を打ち付ける
「ハァァ!」
「ヤァァ!」
そして明日奈とレビィの姉妹コンビがデルタムーザの鱗に剣を突き刺したが刺さらず、明日奈は立ち上がったデルタムーザに殴られ、レビィも殴られる
「ライトニングランス!」
「アイスブレイク!」
そしてフォードとミランダが雷撃の槍と炎の大剣をミランダは刺し、フォードは叩きつけた、二人の攻撃は刺さり、鱗を砕きはしたがデルタムーザにとってはそんな物大したダメージでは無い、デルタムーザは剣を地面に刺し二人を掴むと地面に叩きつけた
「くそっ!皆!」
そしてウィリアムがデルタムーザに接近し炎の剣と氷の剣を放ったが余裕で地面に刺した剣を引き抜き剣を構えたデルタムーザにその一撃を受け止められ、レビィがやられたように上から魔力の波動を叩きつけられウィリアムは立って居られず地面に押し付けられる
「弱い弱いぞ!」
デルタムーザはそう言うと宙に浮かび先程放とうとして鈴が撃ち抜いた、魔力の塊を手に発動させると明日奈達に向けて投げた、魔力の塊は地面に当たると大きな強烈な爆発を起こし明日奈達を巻き込んだ
爆発に巻き込まれた明日奈が目を覚ます、すると黒い影が見え明日奈は慌てて転がってデルタムーザの踏み付けをかわす
「皆は!?」
明日奈はデルタムーザから離れつつ、仲間達がどうなったか確認するすると全員が倒れている、プラチナモードと言うかなりの防御力を誇る鎧を纏っている明日奈はまだまだ動けるが、仲間達はそんな防御力を持っては居ないなので先程の爆発でかなりのダメージを受けてしまったようだ、体の丈夫なウィリアムやフォード、クリスティやアリシアや飛鳥は立ち上がろうとしているがフラついておりかなりし辛そうだ、その他はもう動けなさそうだ
「仲間の心配をしている場合か?」
そして仲間の方を見ていた明日奈の後方でデルタムーザの声がし、尻尾が迫っていた、明日奈は慌てて剣でそれを防いだが明日奈もそれなりのダメージを受けており支え切れず吹き飛ばされて地面に倒れてしまう
「フン、踏み付けてやろう」
そして慌てて立ち上がろうとした明日奈をデルタムーザは上から踏み付けた
「ウァァァァ!」
かなりの重さを誇るデルタムーザに踏まれた明日奈は悲痛な叫び声を上げる、デルタムーザはその声に目を細めると更に強く明日奈を踏み付ける
「どうだ?苦しいか?小娘よ」
デルタムーザはそう言いながら徐々に踏み付ける力を増やして行く
「やめろぉぉぉぉ!」
それを見たウィリアムが傷付いた体に鞭を打ちデルタムーザに向けて斬りかかった、だがデルタムーザはそれを剣で軽く受け止めるとその巨大な拳でウィリアムを殴りウィリアムは地面を転がりながら吹き飛ばされる
「クハハハハ!このまま死ねぇ!小娘!」
「させないよ!」
遂にデルタムーザは全力で力を込め明日奈を踏み潰そうとした、だがそこで少女の声がしたと思うと、その声の持ち主らしき人物がデルタムーザの顔に蹴りを入れ明日奈の上から退かせた
「・・・あなたは、C1・・・」
「明日奈お姉さん、こんにちは」
C1はそう言うと明日奈を立たせようとするが明日奈は立てない
「立てないか・・・なら私が暫くあいつを相手する、その間にお姉さんは何とか回復して、流石に私もあれを相手に数分以上持つ気がしないよぅ」
C1は最後の部分を情けなく言うとデルタムーザに向けて駆け出し斬りかかった、明日奈は何とか体を動かし仲間の元に向かう
「皆、動ける?」
そして明日奈は仲間達に動けるどうか聞いた、すると全員が首を振る、それ程先程の魔力の塊によるダメージが大きかったのだ
「明日奈、俺達の体は動かない、だけどな魔力は有る、確かお前のその鎧は治癒能力が有るんだよな?」
「うん」
プラチナモードの鎧には少し魔力は食うが装着者の怪我を回復させる能力が有る、だが現在の明日奈は怪我を回復させると戦闘に回す魔力が無くなると言う状態なので使えない
「そうか、なら俺達全員の魔力がカラになるまでお前に注いでやる、そうすれば怪我も治せるし魔力も満タン以上になる、それなら戦えるな?」
「うん、戦えるわ」
明日奈はギルダーツの言葉に頷いた
「ならお前ら明日奈の周りに集まれ、魔力を明日奈に渡すんだ!頼むぜ明日奈」
「「おう!」」
そして明日奈の周りに仲間達が集まり魔力を注ぎ始めた
C1は身体能力強化に全ての魔力を回し何とかデルタムーザの攻撃をかわし引き付けていたが遂に尻尾に命中してしまう、尻尾による攻撃に吹き飛ばされたC1は仲間達の魔力を貰い回復し体を鎧の治癒能力により回復させた明日奈に受け止められた
「ありがとうC1、お陰で回復出来たわ」
「うん」
明日奈は受け止めたC1を地面に立たせると鞘に戻していた剣を再び抜く
「C1一緒に戦ってくれる?」
「勿論!」
明日奈は隣に立つC1に一緒に戦ってくれるかどうか聞いてみる、するとC1は元気良く一緒に戦うと答えた
「そう、なら行くわよ!」
「うん!」
そして明日奈は地面を蹴った、すると一瞬でデルタムーザの隣に現れ彼の顔に一撃を喰らわせた、明日奈の蹴りを喰らったデルタムーザは地面に倒れる
「凄い、皆の魔力のお陰でこんなに強く・・・これなら行ける!」
『普段の300%以上の魔力ですからね、凄いです』
現在の明日奈は明日奈が体内に保有しておける限界以上の魔力が体の中を循環している、その為全ての能力に何時も以上の魔力を回す余裕がある為かなり強さが上がっている
「ククク、何が有ったのかは知らぬが、面白くなって来たではないか!」
デルタムーザはそう言うと立ち上がり明日奈に向けて剣を振るった、明日奈はそれを両手で持った剣で受け止めた




