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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」三部明日奈と仲間達
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七話レビィとウィリアムと明日奈

地球支部病室

C2によるアースフィリアへの攻撃が行われた日と同日アリシア達と別れたレビィはC2の攻撃により受けたダメージにより病室に泊まっているウィリアムにこの日有った事を伝える為レビィは彼の病室に向かっていた

「入るね?ウィリアムさん」

レビィは病室の前に来ると扉をノックする

「おう、入ってくれ」

中からウィリアムの入ってくれとの声が聞こえた為レビィは扉を開けて病室の中に入った

「レビィちゃん、明日奈に会えたか?」

ウィリアムは事情を聞き明日奈の元に向かい戻って来たレビィに彼女の姉に会えたかどうか聞く

「うん会えたよ」

レビィは何故か少し嬉しそうな顔をして姉に会えたと言う、ウィリアムはそんな少し嬉しそうなレビィを不思議に思ったので何故彼女が嬉しそうなのかを聞いてみる

「レビィちゃんちょっと嬉しそうだな、何か有ったのか?」

「うん、お姉ちゃんはね私達の事を本当に忘れた訳じゃ無いみたい、私お姉ちゃんに抱き付いてその後お姉ちゃんが私の名前を聞いて来たから、私の名前を教えたの、そしたら私の好きな食べ物の事を思い出してくれたの」

ウィリアムはそのレビィの話を聞いて衝撃を受けた、自分はあんなに名前を呼んでも明日奈は自分の事を思い出してくれなかったのに、レビィは抱き着き名前を教える事でほんの少しだが明日奈に記憶を取り戻させたのだ

そしてウィリアムは思った、明日奈はレビィを大切に本当に大切にして可愛がっていた、ならレビィは明日奈が記憶を取り戻す為の大きな鍵になるのではないかと

「レビィちゃん、俺は君の話を聞いて多分明日奈が記憶を取り戻す為にはレビィちゃんが必要だと思った、レビィちゃんはどう思う?」

そしてウィリアムはレビィが明日奈の記憶を取り戻す鍵だと伝え、彼女がどう思うのか聞く

「私もそう思う、だからねウィリアムさん私明日、明後日でも良いの、お姉ちゃんが何処かの世界に現れたら絶対に会いに行く、そして絶対に皆の事を私が思い出させるって決めたの、だからね?」

レビィはそこで一度言葉を切る

「お姉ちゃんの彼氏のウィリアムさんにも一緒に来て欲しいんだ、私、お姉ちゃんが記憶を取り戻す為には私だけじゃ足りないと思う、お姉ちゃんが大好きなウィリアムさんも必要だよ」

レビィはウィリアムの隣で何時も幸せそうに笑っている姉を見ていた、なのでレビィ姉が記憶を取り戻す為には自分だけでは無くウィリアムも必要だと思った

「勿論そのつもりさ、後さ本当はもう少し後で伝えるつもりだったんだけど、明日奈が記憶を取り戻したらこれを渡して有る事を伝えるつもりだ」

ウィリアムはガサゴソと鞄から何やら小さいケースを取り出すとレビィに見せた

「・・・!お姉ちゃん絶対に喜ぶよ!だから早く私達の事を思い出させてあげなきゃね!」

「あぁそうだな」

ウィリアムはレビィの頭を撫でてやると窓から夕暮れの街並みを眺めた

(明日奈、絶対に俺がお前をデルタムーザから取り戻してやる、だから待ってろ)




第15世界、ザザンの港町

ここはザザンの港町サザンの港町では無い、この港町はこの世界の軍の重要な拠点の一つで有りここを潰されれば軍は海上戦力に大きな打撃を受けてしまう、それを狙ったデルタムーザはC2にこの港町を攻撃させる

C2の今回の任務は港と併設されている軍港に停泊している軍艦の破壊と兵達の殲滅である

「さて行きましょう」

そして港の近くに転移して来たC2は軍港に向かおうとしたが、目の前に何者かが転移して来たので足を止める

「あなたは・・・」

転移して来たのはウィリアムとレビィであった、C2はレビィを見ると再び頭に痛みが走り左手で頭を抑える

「明日奈、お姉ちゃん、あれから何か思い出した?」

レビィはわざと明日奈と言う名前を強調しながら明日奈に何か思い出したのか?と聞く

「いいえ、何も」

C2は思い出していないと首を振る

「なぁ、明日奈レビィちゃんの事何か思い出したんだろ?ならお前が俺達の仲間だったって事は分かるじゃないか、戻って来いよ」

ウィリアムはC2にこちらに戻って来るように言う

「それは出来ません、マスターはあなた達は敵と言っていました、なら私はあなた達を排除するそれだけです」

今の記憶の無いC2にとって、導いてくれるデルタムーザの言葉は大きな心の拠り所だ、なので他の者達の元に行くと言う事が怖いのだ

「だから、私はレビィ、あなたとも戦います、例え私があなたを知っていたとしても戦います!」

そうしてC2はレビィに向けて斬り掛かった



C2はレビィに向けて斬り掛かる、だが今回は自分の新しい双剣を抜いたウィリアムによって止められる

「なんだ?体が軽い?」

ウィリアムは軽くなった体を不思議に思いながら、C2に蹴りを入れ下がらせる、そして顔だけをレビィに向ける

「レビィちゃんまずは明日奈を倒す、俺達の事を思い出させるのはその後だ、良いな?」

「うん、分かった」

レビィは素直にウィリアムの言葉に頷くと自身も二本のダガーを抜いて構え、C2に向けて飛び掛かった

「ハァァ!」

レビィは単調だが鋭いダガーによる突きをC2に向けて放つ、既に体勢を立て直していたC2はそれを軽くかわす、そして動こうとしない右腕を無理矢理振り上げ振り下ろす、レビィはダガーをクロスさせレーザーブレイドを受け止める

「最初から本気で行くぜ!サンダーブレイド!」

そしてレビィを押し込もうとしているC2にウィリアムは真横から電撃を纏った剣を横振りに斬り付け、防御手段の無いC2は攻撃を受けてしまった

「くっ!」

脇腹を斬られたC2はすぐにレビィを押し込もうとするのをやめ、また下がる

「お姉ちゃん力は強くなったけど、動きは悪くなったね?どうしたの?こんなんなら本当のお姉ちゃんの方がよっぽど強いよ?」

「ッ!黙りなさい!」

レビィの言葉に少しイラついたC2はレビィに近付くと蹴りを放ったが、レビィは余裕で受け止めた

「蹴りも軽い、本当どうしたの?本当の明日奈お姉ちゃんは模擬戦でも本気で相手してくれたよ!」

そして、C2の足を払ったレビィはタックルをC2に喰らわせた、そしてそこにウィリアムの炎の剣が迫るがC2は受けながしその反動で地面に着地する

「確かに甘いぜ!明日奈!」

ウィリアムはC2に剣を振るうと見せかけたが振らずC2に接近すると、思いっきり頭突きした、頭突きされたC2は涙目で頭を抑える

「痛いわよ!この狼男!ってあれ?私?」

頭突きされたC2からまるで明日奈のような言葉が発せられた、そしてC2はふと我に帰り自身が発した言葉に困惑した表情を浮かべる

「おうおうそれでこそ俺の彼女、明日奈だ、ほらもっとお前に戻れよ明日奈!」

そしてウィリアムは前方から斬り掛かる、レビィは真横から斬り掛かる

C2は両者の攻撃をウィリアムの方はかわしレビィの方は受け止め、レビィに辛そうな表情で蹴りを加えた、そしてレビィに更に連撃を加えようと剣を振り上げ接近する

「終わりです!レビィ!」

「終わらせねぇよ!」

やはりこの日のC2には大き過ぎる隙が多い、大振りな襲い連撃を加えようとしているC2をウィリアムは横から蹴りを加えた

「何で?体が思ったように動かない・・・」

蹴られ空中で体勢を立て直し着地したC2は思ったように動かない体を不思議に思う

「それはお前が俺達を知っているから、思い出したいと思ってるからだ明日奈、だから体が動かないんだ、行くぜ?明日奈、ファイアファング!アイスファング!」

ウィリアムは剣を牙に見立てた一撃をC2に加えた、体が思ったように動かないC2はかわすことか出来ず、明日奈が以前自身の加護を加えた双剣を使った一撃は強烈だった、そんな強烈な一撃を受けたC2は地面に倒れ体が動かなくなってしまう


「私、負けたのですか?」

倒れたC2は近くに立つウィリアムとレビィに自分は負けたのかと聞く

「あぁ、俺とレビィちゃんの勝ちだ、明日奈」

「これでゆっくりお話が出来るねお姉ちゃん」

レビィはそう言うと姉の頬を撫でる、C2はゆっくりと手を動かし自身の頬を撫でるレビィの手に触れる

「懐かしいです、あなたの手、でも・・・思い出せないんです」

C2はレビィの手に触れながら涙を流した、懐かしい思い出したいと今C2は思っている、だがやはり思い出せないのだ

「そうか」

ウィリアムは涙を流すC2の涙を指で拭ってやり抱き締めた、そして何時も通り頭を撫でてやる

「あっ・・・」

(この人の私の頭を優しく撫でる感触知っています、私は大好きでした、この人に抱き締めて貰いながら頭を撫でて貰うのが)

C2は頭を撫でる懐かしい感触に更に涙を流しながらウィリアムの胸に顔を埋めた、そうするとウィリアムは更に強く自分を抱き締めてくれて安心する

「俺、お前の事が好きだ、何回も言ったけど好きだ、だからさ思い出してくれ、忘れたなんて言わないでくれよ、明日奈!」

「私も大好き、お姉ちゃんの事が大好きだから思い出して!お姉ちゃん!」

そして二人の言葉、思いに反応してか、明日奈が時の神としての加護を加えた双剣が輝き始めた、その光はC2いや明日奈にへと向けて伸びて行き、明日奈を包む

「暖かい、この光は凄くは暖かい」

光に包まれた明日奈はウィリアムの胸から顔を上げて彼の瞳をしっかりと見る

「あなたの名前はウィリアム、ねぇウィリアムキスして、多分それで全部思い出せるわ」

「あぁ」

ウィリアムはキスをして欲しいと言った明日奈にキスをした、明日奈は目を閉じて涙を流しそれを受け入れた

すると明日奈から発せられる光は更に強くなる、やがてその光は力となりウィリアムとレビィは少し吹っ飛ばした

「な、何か凄いよ!?」

「おいおい!」

吹っ飛ばされた二人は訳が分からず騒ぐしか無い、やがて光は落ち着きそこには尻尾を生やし、頭の上には狐の耳を生やした一人の少女が

涙を流しながらそれでいて二人がこれまでに見たどんな笑顔よりも良い笑顔をした、金色の九尾が居た

「忘れちゃって、ごめん、二人ともただいま」

そして止まらない涙を必死に拭いながら明日奈はただいまと言った

「あぁ、お帰り」

「うん、お姉ちゃん、お帰り」

明日奈にただいまと言われた二人はお帰りと言い、二人で明日奈を抱き締めた



記憶を取り戻し、ようやく泣き止んだ明日奈を見てウィリアムは決心した、例の事を伝えるのならこのタイミングしか無いと

「なぁ明日奈」

「ふふふ、なぁに?ウィリアム」

ウィリアムに呼び掛けられた明日奈は嬉しそうに彼の方を向く

「これ貰って欲しいんだ」

ウィリアムは緊張した様子で明日奈にケースを渡す、レビィは少し遠くの方に離れニヤニヤしている

「ん?何これ」

ウィリアムからケースを受け取った明日奈は中身を見て驚き、ウィリアムの顔を見て口をパクパクさせている

「う、ウィリアム?これって・・・」

「結婚指輪だ、俺、お前の事が好きだ、他のどんな人よりもお前が一番好きだ、だから何時も俺の側にこれからずっと居て欲しい、結婚してくれ明日奈」

ウィリアムは立ち上がるとプロポーズをし言い終わると頭を下げた、そしてそれを聞いた明日奈も立ち上がる

「うん、私もあなたの事が大好き、私もずっとあなたの側に居たい、だから私からもお願い、結婚してください、私をあなたのお嫁さんにしてください」

そして明日奈も頭を下げた、やがて二人は同時に顔を上げて笑い合った後互いを抱き締め、互いの愛を確かめ合うようにキスをした

「ふふふ、本当に私で良いの?ウィリアム」

「あぁお前が良いんだ」

「そう」

本当に自分で良いのかとウィリアムに聞いた明日奈は彼から自分が良いと言われ嬉しそうに最高の笑顔で微笑んだ

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