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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」三部明日奈と仲間達
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六話

アースフィリア

C2がアリシアを斬り伏せようとしている、だがもう少しで攻撃が届くと言う所でC2は突然立ち止まり後ろに飛び下がった、そしてC2のほんの数メートル先を魔法弾が通り過ぎた

「・・・かわさなくても良いんですけど、かわしてしまいました、さっきのは一体なんなのでしょう?」

C2はそう言うと魔法弾が飛んで来た方向を見る、するとかなり遠くの方に魔法銃を構えた人物が居るのが見える

「あの人が撃ったみたいですね」

C2はスナイパーを見付けるとレーザーガンを構え撃とうとしたが

「させねぇぜ!」

突然真横から声がしたと思えば銃を持った左手を蹴り上げられ、レーザーガンは何処かに飛んで行ってしまった

「あぁ・・・私のレーザーガンが・・・」

C2は飛んで行くレーザーガンを悲しそうな表情で見送り、見えなくなると飛んで行った原因の男を怒った表情で見つめる

「酷いです、あれ結構気に入ってたんですよ?」

そして蹴り上げた男を狙い剣を向ける

「・・・本当に覚えていないんだな」

「あぁそのようだ」

そこにもう一人大剣を背中に背負った男が現れる、男は早速大剣を構える

「また増えました、さっきまでは誰も来なかったのにいきなり敵が大量です」

C2は敵が増えて嬉しそうである

「明日奈、いやC2ここで俺達がお前を倒して無理矢理にでも思い出させてやる!行くぞフォード、アリシアさん」

「うむ」

「えぇ」

アリシアの後に現れたクリスティとフォードも加わり戦闘が始まる



まずはアリシアが先手を取ってC2に斬り掛かる、C2は難なくかわしアリシアを狙って剣を振るおうとするがそこにクリスティがC2の顔を狙った右ストレートが迫っているのを見たC2は顔を捻り右ストレートをかわす、そして右ストレートをかわした所でフォードの大剣がすぐそこまで迫っていたのでレーザーブレイドで受け止める

「片手で受け止めるとは」

「今の明日奈は俺達が知ってる明日奈よりも、よっぽど強いって事さ」

そしてクリスティがフォードの大剣を受け止めているC2の横っ腹を蹴り飛ばし、蹴られたC2は数メートル飛ばされる

「ふむ、この人達はこの前あった狼の男の人と同じ位の強さみたいです、そうで無いと私に攻撃を当てることは出来ない筈ですし」

飛ばされながら空中で体勢を立て直し軽く着地した冷静に敵を分析する

「しかもあの遠くからの撃って来た人はもうあそこには居ません何処に行ったのでしょうか?」

先程C2に向けて魔法弾を撃ったスナイパー、鈴は既に先程まで居た遠くの方の屋根の上には居ない、どうやら移動したようである

「こっちです!」

この場に居るメンバーの中で一番明日奈に対する思いが強い鈴はどうやら先程弾を撃ってからこちらにすぐに走って来て居たようだ、C2の後ろから接近するとダガーを突き刺そうとする

「遅いです、そんなんじゃ当たりませんよ」

そしてC2は鈴による、突きを軽くかわした、だが鈴はかわされても次、次と連撃を繰り出して来る

「明日奈さん!絶対に助けてあげますから!」

「また明日奈、私はその人によっぽど似てるのでしょうか?」

C2は何故会った事も無い人物が自分を知っているかのような態度を取るのかも気になるが、それよりも何故前の狼族の男と良い自分の事を明日奈と呼ぶのか?と言う事が気になって来た

そしてC2は鈴の足を払い転けさせると剣を突き刺そうとするがアリシアの火球により邪魔をされた

「似てるんじゃ無くて、私達はあなたの事を知っているのよ、そしてあなたの名前はC2じゃ無い、あなたの名前は明日奈よ、あなたの本当の記憶を思い出しなさい」

C2の呟きを聞いたアリシアはC2に明日奈としての記憶を思い出せと言う

「もしあなたの言っている事が真実だったとしても、私の本当の名前が明日奈だったとしても、私はあなた達の事は知りませんし、覚えてもいません」

そしてC2はアリシアに斬り掛かり、アリシアは仕方なしにその剣を受け止める、C2はアリシアの剣を力で押し切るとその腹を殴る、そして腹を殴られ怯んだアリシアに回し蹴りを放つがクリスティがアリシアの前に割り込み受け止めた

「クゥゥ効くなぁ、お前は明日奈なんだ、だからお前の何処かに明日奈としての記憶が残っている筈なんだ、思い出してくれよ、明日奈!」

「だから、知らないです!」

余りにもしつこいアリシア達に我慢の限界が来たC2はクリスティの顔を思いっきりぶん殴り、剣で斬り付けた、そしてフォードに一気に接近するとその素早さで大剣を振るえ無いよう翻弄し懐に潜り込むと足を振り上げ顎を蹴り上げ利き腕らしい左腕に剣を突き刺し剣を振るえ無いようにする

この経った一瞬でC2はクリスティは気絶フォードは利き腕を負傷と二人も戦闘不能にしてしまった

「くっ!」

鈴は戦闘不能となった二人を見て自身がどうにかしなくてはと思い、ダガーを構えC2に接近しダガーを下から振り上げる、だがC2はそれを軽く受け止めると左手で鈴の頭を掴み屋根に思いっきり叩き付けた

この強烈な攻撃を受けた鈴も意識を保っていられず気を失ってしまった

「三人とも!明日奈!」

他の三人が倒されてしまったのを見たアリシアは火球や電撃をC2に向けて放ちながら接近する、C2はそれをかわさずそして動かずアリシアを待ち受ける

「ウインドブレイド!」

そしてC2に接近したアリシアは風の剣をC2に向けて振るう、だがC2はこれも軽く受け止めた

「・・・」

そしてC2は受け止めて居たアリシアの剣を軽く払うと、まずはアリシアの腹に強烈な膝蹴りを加え、次に顔に左ストレート、トドメに回し蹴りと連撃を繰り出した

「あ、明日奈・・・」

アリシアは明日奈と呟きながら気絶した

「明日奈、明日奈って一体何なんですか、本当に意味が分かりません」

C2は少し苛立った様子でこう言った


そして一番近くにいるアリシアに剣を突き刺し殺そうとしたが目の前に真っ白な綺麗な髪を持った少女が転移して来たのでC2はそちらに視線を移す

「明日奈、それがお姉ちゃんの名前だから皆その名前で呼ぶんだよ?」

ウィリアムに事情を聞き転移して来たレビィは武器も抜かずC2にへと近付いて行く、C2はレビィを見て斬ろうと剣を構えたが何故か腕が動かない

「腕が動きません、何故?」

C2は何とか腕を動かそうと力を込めるがそれでも腕は動かない

「・・・」

レビィは本当に自分の事を忘れてしまった様子の姉の姿を見て、泣きそうになるがグッと堪え姉に近付いて行く、そして姉に抱き付いた

「私こうやって、お姉ちゃんに抱き着くのが大好き、そして」

レビィは一度そこで言葉を切ると姉の左手を取り自身の頭の上に乗せる

「そして、こうやって抱き着くとお姉ちゃんは何時も私の頭を撫でてくれた、それも気持ち良くて私は大好き、ねぇ本当に思い出せないの?お姉ちゃん」

そしてレビィは必死に涙を堪えた顔で姉の顔を見上げた

「わ、分かりません、私はあなた何か知りません、ッ!頭が痛いです」

C2は何故かレビィの頭から手を離せない左手では無く右手で剣を離してから痛む頭を抑える

「お願いお姉ちゃん、私の皆の事を思い出して・・・」

そしてレビィはギュッと強くC2いや記憶を失った明日奈に抱き付いた

(頭が痛い、何なのですか?私はこの子を知っている?そう私は知ってる、確かこの子の名前はレ・・・)

「C2よ、何をしている?」

もう少しでレビィの事を思い出せそうな所でデルタムーザが現れた

「マスター・・・私、この子を知っているんです、でも誰なのか思い出せません、何故なのですか?」

C2は主であるデルタムーザに何故レビィの事を知っているのか聞く

「思い出す必要は無い、帰るぞC2」

そしてデルタムーザはC2に抱き着くレビィを引き離させるとC2の手を引き連れ帰ろうとする

「・・・はい」

C2は帰ると言うデルタムーザの言葉にはいと返事を返し、そして振り返り悲しそうな顔をしているレビィの顔を見てこう言った

「あなた、あなたの名前は何と言うのですか?」

C2に名前を聞かれたレビィはすぐに自身の名前を答える

「レビィ、レビィだよ!」

「レビィ・・・レビィ・・・」

C2はデルタムーザに手を引かれながらレビィと言う名前を思い出そうとしてみる、そしてとある光景を思い出す

C2が思い出した光景、それはレビィともう一人誰かと一緒に囲む楽しい食卓だった

「レビィ、あなたの好きな食べ物はハンバーグでしたね」

C2がレビィの顔を見てそして明日奈と同じ笑顔を見せてこう言った瞬間、デルタムーザとC2は転移して消えた

「うん、私ハンバーグ大好きだよ・・・お姉ちゃん」

レビィはそう言うと涙が止まらなくなり、倒れているアリシア達が目を覚ますまで泣き続きた




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