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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」二部侵攻開始
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十四話

首都上空

明日奈は空を飛ぶ道中敵をブラスターモードにしたままのプラチナローズで撃ち抜きながら首都上空まで戻って来ていた

「かなり押されてる・・・」

明日奈は空の上から戦場の様子を見て連合軍側がかなり押されてしまっているのを確認した

北と南に残った連合軍兵士達は先程までは東と西の仲間が相手をしてくれていた西と東から来る敵を同時に相手しなくてはならなくなったのだ、そうなれば押されるのは当たり前で押し返すのはかなり難しい

「このままじゃこっちの負けね」

こうしている間にも状況は連合軍側の敗退へと徐々に近付いて行っている、このまま空に浮いていても仕方ないと思った明日奈は一度思考を打ち切ると地上へと降りて行った




明日奈は南城門方向へと続く通路に近い場所にワザと大きな音を立てて着地した、ワザと音を立てて降りたのは北と南に侵攻して行く敵の注意をこちらへと向ける為だ

明日奈の思った通り敵は大きな音を立てて空から降りて来た明日奈に敵は注目し早速何人か斬り掛かって来る

「フッ!セイヤ!」

そんな敵の攻撃を明日奈は頭の上に付いた優れた耳とプラチナローズの声で周囲の状態を常に把握しながら斬り伏せて行く

『マスター!斜め右後ろからの敵の攻撃が危険です、避けて下さい!』

「っ!避けれないから、シールド張って!」

プラチナローズはかわせと言うが前から横から後ろからの攻撃を明日奈は同時にかわしてそして攻撃をしている、その為全ての攻撃に対処仕切るのは不可能だ、その為明日奈はプラチナローズにシールドで対処するように言う

『Yes』

Yesと返事を返した、プラチナローズは斜め右後ろからの攻撃を面積の小さいシールドをピンポイントで張ることで防いだ、明日奈は心の中でプラチナローズのフォローに感謝しながら遠くの敵を銃で撃ち抜き、近くの敵を剣で斬る

『マスター多方向からの魔法が来ます!』

明日奈が敵が急に接近戦を仕掛けて来るのをやめた?と思っているとどうやら敵は同時に魔法を撃って来るようだ

「シールドで防いで、そしてその間にプラチナブラスターの準備もお願い」

『Yes、マスター』

明日奈は動いてかわすよりも止まってシールドで受ける事を選んだ、そして敵の攻撃が止まるまでの間にプラチナブラスターを撃つ準備をする

「撃て!」

撃てと命令した声が聞こえ、それに数秒遅れて魔法が飛んで来た、多いのは爆発呪文だが、ファイアやサンダーなども混じっている

「シールドの状態は?」

『損傷軽微、ダメージ量から計算して、このまま攻撃を受け続けたとしても五分は持ちます』

明日奈はシールドの状態を聞き、プラチナローズはその時間を答える、どうやらシールドは五分は持つようだ

『五分後も敵の攻撃が続いている場合はどうにかして逃げて下さい』

「・・・空でも飛ぶ?」

『それしか無いでしょうね』

明日奈はここから五分間敵の攻撃を耐え続けた



四分と三十秒程度の時間が経過した、敵はどうやら明日奈の存在をかなり警戒していたようで確実にその命が奪えるまでは攻撃をやめないつもりのようだ

「シールドが切れたら、飛ぶわよ」

『Yes』

この会話の少し後シールドが切れたシールドの中で既に羽を出現させていた明日奈は空を飛ぼうとするが、明日奈の足が地面を離れる前に敵の魔法による攻撃が激しくなり明日奈は魔法に当たり飛ぶ事が出来ない

「くぅぅぅぅ!」

明日奈は何とか動こうと立ち上がろうとするが立てない、初めのうちは圧倒的な敵の軍勢に対応出来ていたがやはり一人でこの敵の軍勢に立ち向かうのは不可能なのだ、飛ぶ事も避ける事も出来ない明日奈はその体にダメージを溜めて行く

『マスター!このままでは!』

「分かってる!でも動けないの・・・」

西と東から攻めて来る敵を引き付けると言う明日奈の思惑は達成出来ているがこのままでは明日奈自身の命が危険だ、攻撃を喰らい続けている明日奈は逃げる方法を必死に考える

「プラチナローズ、プラチナブラスター撃てる?」

明日奈は色々な方法を考えた結果、プラチナブラスターで敵を薙ぎ払い敵が怯んでいるうちに体制を立て直す事にした

『Yes』

「そう撃てるのね、それじゃもう撃つよ!プラチナブラスター!」

ブラスターモードのプラチナローズを構えた明日奈はまず正面にプラチナブラスターを撃ち抜きそこから左へと敵を薙ぎ払う

「ハァハァ、今のうちにここを離れてウィリアム達と合流しましょう、敵はさっきので充分減らせたわ」

『Yes』

プラチナブラスターを撃ち終わり少し疲れた様子で息をする、明日奈はまた敵が攻撃して来る前にここを後にした




南城門前

ほぼ戦力の低下が無かった南方向の連合軍は後ろから来る攻撃に苦しんではいるが南方向の攻撃は押しており南方向から攻めて来る敵はほぼ殲滅出来ている、北も同じく押しておりこちらは後三十分もすれば殲滅出来そうだ

つまり明日奈の囮作戦は敵を引き付け、南と北の仲間達への後方からの攻撃を少なくすると言う点でかなり意味があったのである

「こっちはどうにかなってるのね」

再び空を飛び上空から南城門前の戦場を見つめている明日奈はもうすぐ方が付きそうな状態の南城門の様子を見てホッと安心した溜息を漏らす、そして上空からウィリアムを見つけた明日奈はそのすぐそばに降り立つ

「うぉ!?なんだ明日奈か」

ウィリアムは急に空から降りて来た明日奈に驚いた様子だが、すぐに落ち着きを取り戻すとシーラと千智に少しの間は戦闘は任せたとの意味を含めた目配せをして二人が頷いたのを見てからかなり怒った表情を浮かべながら明日奈に近付く

「お前ついこの間約束したよな?一人で無茶しないってさ」

「うん、したわね」

明日奈はそんな約束したわねと思いながら、明らかに怒った表情のウィリアムにエヘヘと愛想笑いを向ける

「お前今一人で無茶したよな」

「うん・・・」

ウィリアムに愛想笑いが通用しなかった明日奈は明らかに怒っている様子のウィリアムを見て耳はペタンとなり尻尾は股の間に入りそして身を小さくする

ウィリアムはそんな明日奈を見て一度微笑むとその頭を撫でる

「お前は優しいからワールドセイバーの仲間やここで一緒に戦ってる奴等を守りたくて一人で無茶しちまう、だからもう無茶するとは言わない、お前が無茶するなら俺も一緒に無茶する良いよな?」

「うん」

明日奈は一緒に無茶をすると言うウィリアムに一瞬彼の身を案じて不安になったが、こう言う時の彼は何を言っても聞かないので返事を返した

「よし」

ウィリアムは頷いた明日奈を一度抱き締めるとすぐに離れる、明日奈はそんな彼の背中を愛おしそうに見つめる

(ありがとう、大好きだよウィリアム)

彼の言葉にまた暖かさを貰った明日奈は大好きな彼の隣に立ち笑いかけると共に戦闘に戻った


明日奈の胸元に光る青いネックレスは明日奈の気持ちを表すかのように暖かく光っていた

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