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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」二部侵攻開始
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十二話

休憩地点

休憩地点へとやって来た明日奈達は敵が次の次の侵攻を始めるまでの間、擦り傷や切り傷の治療、武器の刃こぼれなどのチェックなどを行っていた

明日奈は余り美味しいとは言えない回復薬を毎度の如く暫く睨んでから一気に飲む、同じく食いしん坊な千智も同じく暫く回復薬を睨んでから飲んだ

「はぁ、不味い」

「だよねぇ、不味い」

グルメな二人は回復薬の味に気分が完全に落ちてしまったようだ、何時もの光景だなぁと思ったシーラとウィリアムは、ウィリアムは持っていた飴玉、シーラはクッキーを渡し

飴玉とクッキーを渡された食いしん坊な二人は嬉しそうにそれを受け取って、食べた

「さて、敵はどの位の時間が経ったら攻めて来るかな?」

「多分、後二時間して攻めてこなかったら今日はもう何も仕掛けて来ないと思う」

ウィリアムとシーラは敵が何時再び攻撃を仕掛けて来るのかと言う事について話し合っているが

明日奈と千智は何やら二人で協力してそこら変に落ちている草や枝を集めて来て燃やし、その上に網を置いている

「何してんだ?」

それを見たウィリアムが明日奈に何をしようとしているのか聞く

「ん?料理の準備をしているの」

どうやら明日奈は料理の準備をしていたようだ

「料理って材料は有るのかよ」

「うん」

ウィリアムは料理の準備をしていると言う明日奈に材料は有るのか?と聞いた、それに頷き返事を返した明日奈は拡張魔法により大量に物が入るようになっているバックパックからカレー粉、ご飯、ニンジンなど明らかにカレーの材料を取り出した

「準備良いな、おい」

「ふふん、私のバックパックの中にはこうやって長い任務に参加した時用のご飯の材料と道具が入っているのよ、どう?凄いでしょ」

ウィリアムが準備が良いなと言われた明日奈はドヤ顔でバックパックにいつでも料理の材料や道具が入っていることを自慢した

ちなみに明日奈やウィリアムなどが持っている空間拡張の魔法がかけられたバックパックや鞄は有る程度は食物を腐らせずに保存してくれる

「ハイハイ」

ウィリアムは自慢気な様子の明日奈の頭を撫でると自分も料理の手伝いをしようとニンジンと道具を手に持つ

「それじゃニンジンとかジャガイモの皮剥きお願いね」

ウィリアムに頭を撫でて貰って嬉しそうに尻尾を揺らした明日奈はウィリアムが皮剝き器を持ったのを見て彼に皮剥きを頼むと、シーラと千智と協力してカレーを作り始めた



三十分後

そろそろ日が暮れ辺りが暗くなって来た所、明日奈ばグツグツとカレーを煮ている鍋の蓋を開けて、カレーを少し皿に取り味を確認する

「うん、美味しい、それとご飯も良いみたいね」

明日奈はカレーが美味しく出来た事に満足気に頷くとバックパックから四枚の皿を取り出し、まずはご飯を盛りそこにカレーをかける

「みんな出来たわよ」

明日奈はカレーが出来るを待っている仲間達に、カレーが出来たと報告する

「やった!美味しそうだよぉ」

カレーが出来たと聞いた千智は真っ先にこちらに近付いて来ると皿を取りスプーンを取るとカレーをガツガツと食べ始めた、ウィリアムとシーラも慌てずこちらにやって来ると自分の分の皿を取りカレーを食べ始める

「美味しいよぅ」

夕暮れ時の首都に千智の満足気な声が響いた



翌日

現在時刻は朝の五時四十五分、第十一世界の政府側が今回の戦闘に参加する者達の為に用意した部屋で眠っていた明日奈は目を覚まし欠伸をしながら体を起こし体を伸ばす

「おはよう、ウィリアム」

起きた明日奈は顔を洗う前に隣で眠るウィリアムの頬にキスをする、そして顔を洗いに行った

ちなみに政府側が用意した部屋は全て二人一部屋で一チームに貸せる三部屋までとなっていた、なので彼氏彼女と言う関係の明日奈とウィリアムが一緒の部屋で泊まり、シーラと千智が隣の部屋で泊まっている

「さーて、私の寝坊助さんの彼氏を起こさないとね」

十五分後、顔を洗い、髪を整え、歯を洗った明日奈は部屋に戻って来た、そして眠っているウィリアムのベットに乗る

「ウィリアム?起きなさい、集合時間は朝の七時よ?もう起きないと集合時間に間に合わないわ」

現在時刻は六時丁度、服を着替えたり朝食を食べたりしている間に集合時間が来てしまうだろう、なので明日奈はウィリアムを揺すって起こそうとする

「うーん?」

「キャ!」

明日奈に体を揺すられているウィリアムは寝ぼけた様子で明日奈を見ると急に明日奈の手を引っ張り抱き寄せた、そしてウィリアムは横になったまま明日奈を抱き締める

抱き締められた明日奈は一瞬満更でもない嬉しそうな表情を浮かべるがすぐに集合時間の事を思い出し、どうにかウィリアムによる拘束から抜け出そうとするが抜け出せない

「ふぁーあ、って何で俺明日奈を抱きしめてんだ?」

そして完全に目を覚ましたウィリアムは自身の腕の中にいる明日奈を見て首を傾げる

「あなた寝ぼけてたのよ、嬉しいけど離して、時間無いわよ」

そうこうしている内に時刻は六時十分となっている

「おう」

ウィリアムの拘束から抜け出した明日奈は立ち上がると、起きて立ち上がったウィリアムの背中を押して洗面所へと連れて行く

「ほーら、時間無いんだから顔洗って、歯を洗って朝の準備早く終わらせなきゃ、私はその間に着替えておくからね」

「分かってるから、押すなよ」

明日奈に背中を押され洗面所へと押し込まれて行くウィリアムは何処か嬉しそうで幸せそうな顔をしていた




南城門前

朝食を食べ、シーラと千智と合流した明日奈は再び今回配備された南城門前にやって来た、前日壊された城門には柵が張られ、その後方には敵が侵攻準備を進めている様子が見える

「あれ、何かしら?」

明日奈は敵が何か大きい兵器なような物をこちらに向けて居るのを見てウィリアムの服の裾を引っ張り彼の注意を引くと、それが有る地点を指差す

「ん?」

明日奈に裾を引っ張られたウィリアムは彼女が指差している方向を見る

「確かに、何だ?」

「多分、確実に良く無い物、警戒しておいた方が良い」

あの兵器のような物がどんな攻撃を仕掛けて来るのかは分からないが警戒するに越したことは無いだろう

「そうね」

明日奈は警戒した方が良いと言うシーラの言葉に頷いた

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