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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」二部侵攻開始
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六話

第三世界

リナとC1と言う二人の幹部が撤退した事により、もともとC1が来る前も押されていたデルタムーザの軍は連合軍との戦力差の前に撤退した

第三世界の戦闘はワールドセイバーと第三世界の政府軍の勝利に終わったのであった



デルタムーザの軍との戦闘を終えたワールドセイバーは次に戦闘に巻き込まれたこの首都の人民の救出任務を命じた

明日奈達チーム29は以前分けた班分けどうりに二手に分かれ現在は救出任務に参加している

「お姉ちゃん、体は大丈夫?」

レビィは辺りに瓦礫の下になっている住民が居ないか見渡しながら明日奈の体の事を聞いて来る

「大丈夫よ」

「そっか良かった」

体は大丈夫かとレビィに聞かれた明日奈はレビィの頭を撫でながら大丈夫だと答えた、それを聞いたレビィは安心した様子で微笑む

「でも、さっきも約束したけど一人で戦闘に向かうのはこれっきりにしろよ、良いな?」

「分かってる、見て!あそこ!」

明日奈はウィリアムの言葉に真面目な顔で頷いた所で瓦礫の下になっている住民を見付け慌てて駆け寄る

明日奈は瓦礫の下になっている男の元に駆け寄るとまずは脈を測る、すると動悸が感じられる

「まだ生きてるわ!ウィリアム、瓦礫をどかすの手伝って!レビィは瓦礫が持ち上がったらこの人を移動させるの、良い?」

「おう!」

「うん!」

明日奈とウィリアムは二人協力して重い瓦礫を持ち上げる、そして瓦礫が持ち上がった所でレビィが男の腕を担ぎ瓦礫の下から男を移動させた

「よし、下ろすわよ」

レビィが男を瓦礫の下から連れ出したのを見た明日奈とウィリアムは瓦礫を下ろした

「・・・両足と左腕が折れてるわね、内臓も潰れてるかもしれないわ」

男は体を見て左腕と両足が折れている、内臓は医師に見てもらわないと分からないが重い瓦礫の下に埋まっていたのだ、潰れている可能性の方が大きい

「内臓がもし潰れていたとしたらこの人は長くない、レビィあなた回復呪文は使えるわよね?」

明日奈は男がもう長くないかもしれないと判断するとレビィに回復呪文が使えるかどうか聞く

「うーん、苦手だけど一様」

レビィは苦手だが回復呪文が使えるようだ

「よし、私も苦手だけど二人居るのなら行けるわ・・・多分、やるわよレビィ」

「う、うん」

そして二人は男に向けて手をかざし回復呪文を使った、明日奈とレビィの手のひらからは緑色の優しい光が出て男を優しく包む

「ぐっ!うぅ!」

回復呪文は怪我が治って行く際、それなりの痛みが生じてしまう、男は痛いのか顔を歪めて呻き声を上げる

「痛いでしょうね、でもこの痛みに耐えないと貴方は死んでしまう、だから頑張りなさい」

明日奈は自分なりの言葉で男を励ます、レビィとウィリアムも男に頑張れの言葉を掛けている

やがて男の顔は安らかになって行く、どうやら回復呪文が効き、男の怪我は大分良くなったようだ

「もう大丈夫かな?」

「多分ね、でも私達がした事はただの応急処置よ、国会前の医療テントにこの人を連れて行きましょう」

明日奈達は男を国会前の医療テントへと連れて行った




第三世界国会前、医療テント

三人は出来るだけ急いで男を医療テントまで連れて来ると、診察を受けている患者が居ないテントを探し空いているテントを見付けると中に入る

中に入ると男を背負っていたウィリアムはベットに男を降ろす

「怪我人よ、私達が応急措置はしたけど、診て上げて」

「はい、後はお任せください」

明日奈に男の事を任された医師は後は任せるように言うと早速男の診察を始めた、それを見た明日奈達はこれ以上ここに居るのは迷惑だろうと思いテントの外に出た

明日奈達は男の無事が分かるまでテントの前で待つ、そして少し時間が経ち医師が出て来たのを見ると男は大丈夫かと聞く

「あの人は大丈夫なの?」

男の無事を医師に聞いたのはレビィであった

「はい、大丈夫ですよ、どうやらあなた方の回復呪文がかなり良い効果をもたらしてくれたようで、一週間もすれば普通の生活に戻れるでしょう」

「そっかぁ、良かった」

医師から一週間もすれば普通の生活に男は戻れると聞いたレビィは心から安堵した表情を浮かべた



だが明日奈達ワールドセイバーや政府軍が救えた住民は多くは無かった、瓦礫を掘り住民を見付けても亡くなっている住民の方が多かった

だがそれでもワールドセイバーと政府軍は諦めずに生きているかもしれない住民を探すのだ


この日明日奈達が救えた住民は十人、そして救えず亡くなっていた住民は五人見付けた

明日奈達三人は亡くなっている場合でもその遺体を家族に届ける為、国会前へと運んでいた

「もう日が暮れちゃうね」

「そうだな・・・今日はここまでだ」

暗闇の中での救出は救出する側にも救出される側にも危険が伴う、なので救出作戦は明るいうちだけだと上から命令されている

「命令とはいえ、すぐ近くに助けを求めている人が居るかもしれないのに救えないって言うのは歯痒いわね」

「そうだな」

明日奈達はまだ助けれる人々が居るかもしれないのに帰らなければならないと言う状況に浮かない顔をしながら国会前へと戻って行った



国会前へと戻ると明日奈達はギルダーツにこの日の報告を済ませ、三人は明日奈の自宅へと転移した

「ウィリアム、今日は泊まるのよね?」

明日奈は一緒に自分の家へと転移して来たウィリアムに一様今日は泊まるのかと聞く

「あぁ、良いか?」

「うん良いよ、大歓迎よ」

明日奈はそう言うと嬉しそうに笑う

「それじゃ私は簡単なご飯作るから、ウィリアムはレビィに布団の場所教えて貰ってリビングに先に敷いといてね」

そして明日奈はキッチンの方に向かい、ウィリアムにレビィに今日寝る為の布団の場所を聞くように言った

「分かった、レビィちゃん布団の場所教えてくれるか?」

「うん、こっちだよ」

レビィはウィリアムの手を引き敷布団が入っている箪笥へとウィリアムを連れて行った、それを見送った明日奈はパスタを作り、無事布団を見付けリビングへと敷いたウィリアムとレビィと共に食べ、この日は眠った

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