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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」一部明日奈の日常2
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七話

屋上

C1は明日奈とやたらと長い時間キスをする、そのキスの上手さに明日奈は翻弄されている

「ふぅ」

そしてC1はキスを辞めると満足気な顔で明日奈から離れ明日奈を観察する、明日奈は急にキスされたせいかポカンと放心状態となっている

「あらら、刺激が強過ぎたかな?」

C1は暫く放心状態となり体を揺すっても何も反応しない明日奈の頬を突ついていた



五分後、ようやく意識を取り戻した明日奈はC1を見るとバッと起き上がり尻尾の毛を逆立てて警戒する、どうやら明日奈はまた同じ事をして来るのでは無いかと警戒しているようだ

「あはは、お姉さん私はもう満足したからもうキスしないよ、だからそんなに警戒しなくても良いよ」

「・・・」

C1はもうキスはしないと言っているが、明日奈は警戒を解かない、このC1は経った数分の会話だけでもかなりの気まぐれな性格で有ることが明日奈には分かっているからだ

「あーあ、完全に警戒しちゃったか可愛いなぁ」

C1はそう言うとニヤニヤしながら明日奈の方に近付いて来る、明日奈はC1が近付いて来るだけ後ずさる、C1が進むと明日奈が下がりまたC1が進むと明日奈が下がると言う光景が暫く続いたがそれもすぐに終わった、明日奈の背中が壁に当たったのだ

「もう、そんな逃げないでよ、さっきのキスのお礼に良い事教えてあげようと思ってるのにさぁ」

「・・・何?」

明日奈はC1に警戒の目線を送りながら少女が何を教えてくれるのか聞く

「お姉さんはテルタムーザって人の事は知ってるよね?」

「えぇ」

明日奈はC1の口から出たテルタムーザと言う言葉を聞いてこの子はもしかしてと思ったが、C1が話し終えるまでは何も言わない事にする

「そのテルタムーザが自分の軍をまずはとある世界で暴れされるみたいだよ」

「なっ!?何処で何時から?」

明日奈は今まで表立った行動をして来なかったテルタムーザが動くと聞いて驚く、そしてどの世界で何時から色々な世界に攻撃を仕掛けるのか聞く

「三日後だってさ、ずっとテルタムーザって人は戦いの準備を進めていたんだけどね?やっと準備が完了したんだって、後どの世界に侵攻するのかは教えないよ?だってそこを教えちゃったら面白く無いもん」

テルタムーザが今まで特に動きを見せなかったのは全ての世界を手に入れる為の戦争を仕掛ける為の準備をしていた為だ、そして動き出すと言う事は準備が完了したのだろう

そしてC1はテルタムーザがまずどの世界に侵攻するのかはまでは教えてくれないようだ

「・・・何故それを私に教えるの?」

明日奈は何故C1が明日奈にテルタムーザが侵攻を開始する事を教えたのか聞く

「うーん、その方が面白くなりそうだからかな?」

「そう」

明日奈が思っていた通りテルタムーザが侵攻を開始する事を明日奈に教えたのはC1の気まぐれだったようだ、明日奈はその事に内心呆れながらも剣を抜く

「一つ聞くけどあなたはテルタムーザの軍の一人なの?」

明日奈は先程思ったもしかしてと思った事を聞いてみる

「うん、まぁそうだよ」

「そう、ならあなたを捕まえさせて貰うわ、あなたどうせあいつがどの世界から侵攻するのか知ってるんでしょ?」

明日奈はC1の口調からこのC1はテルタムーザが何処から侵攻するのか知っているのだろうと思い聞いてみる

「うん知ってるよ」

やはり少女は知っているようだ

「話してくれる気は?」

「無いよ」

「そう話す気が無いのなら、あなたを倒して無理矢理にでも話させてあげる!そしてさっきのキスのお礼もたっぷりとしてあげるわ!」

明日奈はそう言うとC1に向けて剣を振るった




明日奈の剣はC1の胴に迫るが、C1は剣を明日奈でも見えない速さで抜くと軽く受け止めた

(見えなかった!?)

明日奈はこれまで相手の剣が見えなかったと言う事は無かったのでかなり驚く、そして先程の剣を抜くスピードからこのままC1の剣の間合いにいたら斬られるのはこちらだと思いC1から距離を取る

「うふふ、良い判断だね、このまま私の剣の間合いにいたらお姉さんの体の何処かが無くなってたかも」

C1は距離を取った明日奈を見てクスクスと笑いながらこう言う、その言葉からしてやはりC1は明日奈が離れなければ明日奈の体の何処かを斬って落とすつもりだったようだ

「それじゃ今度は私から行くよ!」

今度はC1から攻撃を仕掛けて来た、物凄いスピードの斬撃が明日奈の首に迫る

「ッ!」

やはり明日奈には少女の斬撃は見えない、明日奈はその優れた耳と経験で何とかC1の剣の位置を予測し、C1の剣を受け止めるがC1の一撃は重く体制を崩した明日奈は尻餅を付いてしまう

「ほーら、次は突きだよ?」

ヒュウンとC1の剣が風を切る音がする明日奈はその音を頼りに体を捻る、C1の剣は明日奈刺さる事は無く胴横すぐそこを通り地面に突き刺さる

「次は横」

明日奈は次の攻撃を教えてくれる少女に従い頭を下げる、すると少女の言葉通り明日奈の耳先上を剣が通って行った音がする

「次は縦」

明日奈はまた何とかホワイトローズで剣を受け止めたが速く重い少女の斬撃に吹っ飛ばされ屋上の柵に当たる

「全然見えない・・・」

「ふふふ、ほら速く立ちなよ」

C1は元いた場所から一瞬で明日奈の目の前に現れると明日奈の顎を蹴り上げた、顎を蹴り上げられた明日奈の体は浮かび柵を越え下に落ちて行こうとする

「くっ!」

明日奈は慌てて何処か掴めそうな場所へと手を伸ばすが、その明日奈の手を掴んだのは少女の手だった

「・・・何故自分で蹴り上げときながら助けるの?」

「うーん、このビルの下にお姉さんを落とすつもりは無かったからかな」

少女はそう言うと明日奈の体を地面に叩き付ける

「クゥゥ!」

明日奈は地面に叩き付けられた衝撃に悲痛な声を上げる

「凄いよ、お姉さん、私とこんなに戦えるなんてさ」

そして少女は明日奈の腹を思いっきり踏んで来た

「ァァァ!」

「マスターに殺して来いって言われて殺した人達は十秒も経たないうちに殺せたもん、もう三分は私と戦えてるお姉さんは本当に凄いよ」

C1はそう言いながら明日奈の腹をグリグリと強く踏みにじる、明日奈はC1の足を掴み退かせようとするが退かせる事は出来ない

「あ、あんたに、褒め、られても、うれ、しく無いわ!」

腹を踏み付けられている明日奈は途切れ途切れながらもC1に褒められても嬉しく無いと言う

「まぁそうだろーねぇ、踏まれて嬉しい人なんて居ないよねー」

C1はそう言うと明日奈の腹から足を離した

「ゲホッゲホッ!」

明日奈はC1の足が自身の腹から離れるとすぐに腹を抑え咳をしながらすぐに立ち上がる

「もうやめよ?お姉さんじゃ私を捕まえる事は出来ないよ、だからさ」

C1は足を引くと明日奈の頭を蹴り飛ばした

「お休み」

頭を蹴り飛ばされた明日奈は意識を飛ばし倒れた、少女は倒れた明日奈の頭を撫でた後転移して行った




またホワイトローズが呼ぶ声がする、そしてもう一人自分を呼ぶ声が聞こえる、その声に呼び覚まされた明日奈はゆっくりと目を開ける

「明日奈!良かった起きないのかと思ったぞ」

「ウィリアム」

どうやら気絶していた明日奈に呼びかけていたのはウィリアムだったようだ、ウィリアムは倒れている明日奈を腕に抱きかかえている

「イタタ、何でここに?」

明日奈はC1に蹴られて痛む場所をさすりながらウィリアムが何故ここに居るのか聞く

「ん?お前なら何時もならもう任務を終わらせて帰って来てる時間なのに帰って来ないからさ、心配になって様子を見に来たんだ、んでここ周辺を適当に探し回って見たけどお前居なくてさ、このビルが見えたからもしかしてって思ってこのビルの屋上まで来てみるとお前が倒れてるからさ、かなり焦ったぜ」

どうやらウィリアムは中々帰って来ない明日奈を心配してわざわざ探しに来てくれたようだ

「そっか、心配してくれてありがとう、嬉しい」

明日奈は本当に心配してわざわざ探しに来てくれたウィリアムに嬉しそうに微笑むと抱き付く、ウィリアムもそんな明日奈を抱き締める

「何があった?」

ウィリアムは明日奈に何があったのか聞く

「後で、そんな事よりも早く報告しないと行けない事が有るの!」

明日奈はそう言うと慌てた様子で立ち上がろうとするがフラつきまた倒れそうになる、ウィリアムはそんな明日奈をまた抱き締める

「フラフラじゃねーか」

「うん、足に力入んない」

「そうか、なら乗れよ」

ウィリアムは足に力が入らない様子の明日奈を一度座らせると背を向ける、明日奈は一瞬その背中を見てとある光景を思い出したがすぐにその背中にしがみ付く

「落ちるなよ」

「うん」

ウィリアムはしっかりと明日奈を背負うとと転移して行った

地球支部に戻った明日奈はC1の話をワトソンに話しワトソンはその話を上層部に報告した

そしてワールドセイバーはデルタムーザによる侵攻を警戒する事を決め、各世界にエージェント達を派遣することが決まった

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