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金色の九尾  作者: ブレイブ
最終章「別れの時」一部明日奈の日常2
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四話

明日奈の自宅

「うーん?」

現在時刻は朝の八時四十三分、明日奈は何か視線を感じ目を覚ます

「おはようございます、明日奈さん」

「んー・・・おはよう」

寝ぼけた明日奈は侵入者鈴に普通に挨拶を返す、そしてボーとしながら顔を洗おうと洗面所に向おうとするので鈴は明日奈の手を取り彼女を洗面所へと連れて行く

明日奈は鈴に連れられて洗面所まで来ると顔を洗う

「はい、タオルです」

「うん、ありがとって鈴、また勝手に入って来たのね・・・」

顔を洗い完全に目を覚ました明日奈は横に立つ鈴にようやく気付いたようだ、完全に目を覚ますまで気付かない程鈴は自然であった

「何時もの事です」

「そうね、自分で言わないで欲しいわ」

明日奈は顔を拭くとリビングに向かう鈴もその後ろを着いて来る

「朝ご飯は私が作りますね?」

「うん、お願い」

もう何を言っても無駄だと思っている明日奈は鈴の好きにさせるのだ、明日奈の許可を貰った鈴は嬉しそうに尻尾を揺らしながら朝食を作り始めた



「それで?今日は何しに来たの?」

鈴が作った卵サンドをモグモグと食べながら明日奈は鈴が何の目的でここにやって来たのか聞く

「はい、明日奈さんと依頼を受けたいと思いまして」

鈴は何時も通り依頼のお誘いに来たようだ

「良いわよ」

明日奈が鈴のお誘いを受けた所でレビィが起きて来た

「お姉ちゃんおはようって、また鈴さん勝手に入ったんだ・・・」

レビィのこの発言からして鈴は定期的に明日奈の自宅に侵入して来ているようだ

「はい、おはようございますレビィさん」

そして鈴は勝手にレビィの勝手に入って来たんだの部分を完全に無視しレビィに挨拶する

「おはよう鈴さん」

「はい!」

この後レビィも鈴が作った卵サンドを食べ三人一緒にグラン王国に向かった



グラン王国

グラン王国に転移して来た三人は賑やかな街の様子を眺めながらギルドに向かう

「それで鈴さん、今日はどのランクの依頼を受けるの?」

「そうですね、今日はSランクの依頼を受けようかと思っています」

どうやら鈴はSランクの依頼を受けるつもりのようだ、レビィはこれまでの戦いでかなり実力を高めているのを明日奈は見ている為、Sランクの依頼を受けることを反対しない

「そっかSランクかぁ、私始めてだよ」

レビィがこれまで受けた最高ランクはAランクである

「そうね、でも鈴は本当に強くなったし始めてでも大丈夫よ、それに危なくなったら私達が守るしね」

レビィが危なくなれば明日奈がレビィにシールドを張り敵の攻撃をガードする、恐らく余程強い攻撃で無ければレビィに危険は無いだろう

「うん、危なくなったらお願いね?お姉ちゃん、鈴さん」

「任せなさい」

「はい!」

鈴がはい!と答えた所でギルドに着き三人は中に入って行った



ネールの森

ここはネールの森、エルフの国、アースフィリアに有る精霊の森である

「綺麗ね」

明日奈はネールの森の風景に見とれている、ネールの森は精霊の森だけは有り、妖精や精霊がフワフワと飛んでいる

「見て見て!お姉ちゃん!妖精さんがとまってくれたの!」

レビィの手のひらの上には黄色い羽を持った妖精がおり、妖精はレビィの手のひらの上で歌を歌っている

「綺麗な歌声ですね」

鈴は妖精の歌声を聴いてうっとりとしている

「そうね、それで今回の依頼はこの子達を攻撃してる魔物の退治が目的なのよね?」

明日奈はそう言うと周りの妖精達や精霊達のほぼ全員がジェスチャーを使いその魔物が迷惑で有ることを明日奈達に伝えて来る

「はい、最近この森に住み着いた猿の魔物らしいです、妖精さん達が作った作物を食い荒らしたり、それを防ごうとした妖精さん達を攻撃したりしているので即急に退治してくれと依頼書に書いてあります」

「こんな可愛い妖精さん達に迷惑をかけるなんて最低だよ!絶対に退治しようね?お姉ちゃん」

レビィは可愛らしい妖精達を攻撃している猿の魔物が許せないようだ、かなりのやる気を見せる

「そうね、そのお猿さんには悪いけど出て行って貰いましょう」

「問題はその方法ですね、そのお猿さんは簡単には出て行ってくれないと思います」

猿の魔物は妖精達が説得しても無視し攻撃して来たのだ、人である明日奈達の言い分は更に聞かないだろう

「言っても聞かない場合はちょっと懲らしめてやりましょう、本来はそのお猿さんの居場所じゃ無いんだからちょっと手荒な事になっても仕方ないわ」

このネールの森は妖精や精霊の領域、猿の魔物の住処では無いのである、なので追い出されても猿は文句は言えない

「でも懲らしめると言っても、お猿さんはSランクの魔物ですから心してかかりましょう、かなり強い筈ですし」

「そうね、油断は禁物ね」

妖精や精霊はその可愛らしい外見に反してかなり強力な魔法を放てる、そんな強力な魔法が有るにも関わらず猿を追い出せないと言う事は神木に居座ってる猿はかなり強いのだろう

「お姉ちゃん、妖精さん達がお猿さんの所まで案内してくれるみたいだよ!」

レビィの事が気に入ったらしい妖精達はこっちこっちと指を指しているどうやら本当に彼女等は道案内をしてくれるようだ

「そう、ありがとう」

明日奈が道案内をしてくれると言う妖精達にお礼を言うと妖精達は嬉しそうに歌った



神木

妖精達の案内に従い三人は神木にやって来た、案内してくれた妖精達は神木が見えるとそれ以上は怯えて進まない、どうやら居座っている猿が怖いようだ

「怖がってるわね」

「はい、無理に連れて行く必要は無いですし、ここから先は私達だけで行きましょう」

三人は妖精達にお礼を言うと神木に向けて歩いて行く、そして神のの側まで来ると神木を見上げる

「大きな木ね」

「うん、上に登ったら凄い風景が見れそうだね」

三人が木を見上げていると上の方からキーと猿の叫び声らしき声が聞こえた

「聞こえた?」

「はい」

「うん」

そして上の方から何かが飛び降りて来た

「キィー!」

飛び降りて来た猿は明日奈達に向けて大きな声で叫んだ

「二人とも分かってるわね?今回の目的はこいつを追い出す事、良いわね?」

「はい!」

「分かってるよ!お姉ちゃん!」

「良し、行くわよ!」

まずは明日奈が先陣を切って猿に向かって突っ込んだ



猿の外見は黒い体毛に所々に赤い毛と言う格好だ、腕は長くかなりのリーチが有りそうで、足は太く蹴りの威力が強そうだ

まず先陣を切って突っ込んだ明日奈は鞘付きの剣で猿の頭を殴ろうとするが直線的な攻撃だった為簡単に受け止められる、明日奈の剣を受け止めた猿は明日奈に蹴りを加えようとするが鈴のスナイパーライフル型魔法銃の最低威力の弾が蹴りを止める、そしてレビィが蹴りを加え猿を後退させた

「明日奈さんの剣を受け止めるとは、強いですね」

「えぇ、こいつ強いわ」

後退した猿は地面の土を手に取るとこちらに投げつけて来た、明日奈とレビィはかわすが、猿はそのかわす為の動作を狙っていたようだ、避けた明日奈とレビィの腕を掴むと、二人を地面に叩きつける

「クァ!」

「ううん!」

地面に叩きつけられた二人は悲痛な声を上げる

「明日奈さん!レビィさん!」

そして地面に叩きつけた二人に猿は更に攻撃をくわえようとする、それを見た鈴は猿に向けて魔法弾を撃ち込む

「キャッキャッ」

だが猿は余裕で手をパンパンと叩きながら弾をかわした、それを見た鈴は更に魔法弾を撃ち込むが猿はかわしながら鈴に接近して来る

「クッ!」

接近を許してしまった鈴はダガーで応戦しようとしたが猿は横からの攻撃に吹っ飛ばされた、猿は立ち上がった明日奈の蹴りに当たったのだ

「鈴、ごめん!」

スナイパーである鈴に敵の接近を許したのは前衛である明日奈達の失態だ、なので明日奈は鈴に謝る

「はい!」

鈴は吹っ飛ばされた猿に数発弾を撃ち込むが、猿は跳ね起きると飛び上がって弾をかわす、だが猿は後ろにレビィが居るのを気付いて無かった

「セェイ!」

レビィは鞘入りのダガーを全力で猿に叩きつけた、レビィの攻撃に当たった猿は地面に叩き付けられるが

「キィィィ!」

猿はレビィの足を掴んでいた、足を掴まれたレビィは猿と同じように地面に叩きつけられる

「レビィ!このぉ!」

レビィが地面に叩きつけられたのを見て怒った明日奈は地面に倒れている猿にゴルフのスイングのような動作で剣を叩きつけた

「キィィィ!」

スイングに当たった猿はまた吹っ飛び神木に当たってようやく止まる、そんな猿に明日奈はゆっくりと近付いて行く

「・・・これ以上痛い目に会いたく無いのなら」

明日奈はそう言うと剣を抜き、そしてそのまま猿の顔の横に勢い良く突き刺した

「出て行きなさい」

「キ、キィィィ!」

明日奈に怯えたらしい猿は慌てた様子で明日奈から離れるとかなりの速さで森の外の方に向けて逃げて行った、恐らく彼はもうこの森には戻って来ないだろう

そんな猿を見送った三人の周りに妖精達が集まってくる

「何かしら?」

三人が集まって来た妖精達に首を傾げて居ると妖精達が歌い始めた、どうやら猿を追い払ってくれた明日奈達に感謝の歌を歌ってくれているようだ

「綺麗な歌だね」

「そうですね」

その美しい歌は暫くの間森に響いていた



明日奈の自宅

依頼を終え報酬を貰った三人は明日奈の自宅に戻って来た

「さて、何、食べたい?」

明日奈は二人に何を食べたいのか聞く

「うーん、ハンバーグ!」

「ハンバーグね分かったわ、鈴もそれで良い?」

「はい」

三人はこの後、三人で協力してハンバーグを作り、美味しく全て平らげた

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