十四話天空城4
三階
三人は階段を登り三階にやって来た、前方を見てみると扉がある、扉は触れると上にスライドして開き三人が扉を越えると降りてきた
そして部屋の中には台座に乗った三つのボタンがある、明日奈は取り敢えず適当に左からボタンを押してみる、すると天井から矢の雨が降ってきた
「・・・死ぬかと思ったわ」
明日奈はかなり焦った表情で手を上に向けてシールドを張っている、もう少しで本当に死ぬ所であった
「お前のシールド無かったらマジで死んでたな、多分このボタンを決まった順番通りに押さないとさっきみたいに矢が降って来るんだな」
ウィリアムもかなり焦った顏をしている
「ヒントがあるかも!お部屋の中を探してみようよ!」
レビィのこの提案通り明日奈達は部屋に有るかもしれないヒントを探し始めた
結局ヒントはすぐに見つかった、部屋の壁には何やら132やら312やら213やらと書かれている
「ヒントはすぐに見つかったけど」
「候補が多過ぎるね・・・」
恐らく壁の312などの数字はボタンを押す順番を示して居るのだろうが、その数字が壁のあちこちに書かれている為ほぼヒントになっていない
「なぁあれあの数字の前にさ丸が書いてないか?」
暫く三人は壁の数字達と睨めっこしていたがウィリアムが何か見付けたようだ
「本当ね、数字は112ね」
「取り敢えず押してみるぞ」
ウィリアムはそう言うと一番左のボタンを二回押して二つ目のボタンを一度押す、今度は矢が降って来る事は無く扉が開いた
「扉が開いたな」
「そうね、先に進みましょう」
三人は開いた扉の先に進む、扉の先は今度は何も無い部屋だ
「・・・罠ね」
「だな」
何も無い時点で怪しすぎるのである、中に入った途端また魔物が大量に出現されると、先程は部屋が広かったのでまだ楽だったが今度は狭いので面倒くさい事になりそうだ
「何か投げてみる?」
「投げる?ならこれが良いよ!」
レビィは先程手に入れたテディベアを取り出した、そして早速投げた
「・・・」
明日奈はそれを黙って見ていた、部屋に向かって投げられたテディベアは宙を飛び床に落ちる
「何も起こんないね」
「そうね、進みましょうか」
結局何も起こらなかった為三人は先に進む
この後も小さい部屋を渡り続け、二十分が経った、扉を開けてみると階段が見えた
「次は四階だったわよね?」
「あぁ四階だ」
明日奈達は四階に登って行く
四階
四階はまた長い廊下だ、だが遠くの方に黒い鎧騎士が立っているのが見える
「何か居るね」
「そうね」
明日奈達はどうせ迷っても戦う事になるので騎士に向かって歩いて行く
「私がやるわ、良いわよね?」
「おう」
「うん、良いよ」
ウィリアムとレビィは一人でやると言う明日奈に任せる事にし騎士に有る程度近付いた所で立ち止まる、明日奈だけが一人で騎士に近付いて行く
「通して貰えると嬉しいんだけど?」
明日奈は鎧騎士に通してくれないか?と聞いてみた、が鎧騎士は剣を抜いた、つまり通す気が無いようである
「そう、通してくれないの、なら戦いましょうか」
明日奈も剣を抜き自分から仕掛けた
鎧騎士に自分から仕掛けた明日奈は鎧騎士に向かって剣を振るう、鎧騎士は余裕で明日奈の剣を受け止めた
「・・・!」
鎧騎士は確かに明日奈の剣を受け止めたが、明日奈の蹴りが鎧騎士の脇腹に食い込んでいた、明日奈に蹴られた鎧騎士は大きく体勢を崩した
「セイ!」
そして明日奈は追撃として、剣を全力で体勢を崩している鎧騎士に打ち付ける、鎧騎士は何とか剣を受け止め今度は体勢を崩す事無く、反撃をして来る
「ッ!」
明日奈は鎧騎士の反撃である回し蹴りを腕で受け止めた後、今度は空いている左手に魔力を込め鎧騎士の兜に包まれた顏を殴る
殴られた衝撃で鎧騎士の兜は飛んで行きその素顔が見えた、鎧騎士の顔は黒い皮膚に赤い目をした人間に近い物だ
「ふーん、中々厳つい顔じゃない!」
明日奈はそう言うと剣に光を纏わせ、両手で持ち頭上で構える
「新技行くわよ!ホーリーイレイザー!」
明日奈は光を剣に溜めると、振り下ろした、鎧騎士一人を狙うだけなのでそんなに魔力を込めていないようだが、ホーリーイレイザーは鎧騎士を巻き込むと消滅させ地面を抉っていた
「ふぅ、終わった」
鎧騎士が消滅したのを確認した明日奈は振り返り戦闘を見ていた二人の元に戻る
「凄えなさっきの技」
ウィリアムは明日奈が近付いて来るなり明日奈の新技を褒める
「うん、ホワイトローズが考えてくれたの」
『Yes、自信作です』
ホワイトローズは明日奈にしか聞こえていないのに誇らしげである
「そうか、意思のある剣ってそんな事もしてくれるんだな」
「多分、新しい技まで考えるのはホワイトローズだけだと思うけどね、さっ、先に進みましょ」
明日奈達は四階の長い廊下を進んで行く
 




