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金色の九尾  作者: ブレイブ
二章異世界の妖狐
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十八話

村長の家、狐娘二人が眠っていた

この世界では妖狐は希少で滅多に山から降りて来ない、こんな所に二人もいるのはおかしいのだが、二人は全く気付いてない、そもそも気にしてない

二人のうち一人が目を覚したようだ

「うーん、もう朝ですか・・・」

最初に起きたのは鈴のようだ

「明日奈さん起きて下さい朝ですよ」

「うう、もうちょっと寝る・・・」

明日奈は中々起きない、そのため飛鳥の起こし方は効果的だったのだ

「はぁ仕方ありません、昨日買っておいた油揚げは私が全部食べてしまいましょう」

それを聞くとむくりと明日奈が起きた、尻尾は左右に激しく揺れている

「油揚げ!?独り占めは許さないわよ!」

これも効果的な起こし方である



村長の家のリビング、三人は村長が出してくれた朝食を食べていた、明日奈はすぐに全て食べ油揚げを食べていたが

「おいしいー幸せー」

どうやら明日奈は朝から好物を食べれてご機嫌なようだ

「妖狐って本当に油揚げ好きなんだな」

「当たり前よ!こんなに美味しい物他に無いわ!」

「クリスティさんは妖狐じゃ無いから、分からないんです!」

油揚げは妖狐の宝だ、どの妖狐も大体油揚げについて聞かれたらこのような反応をする

「あ、ああそうなのか」

クリスティは少し引いたようだ


朝食を食べ明日奈達は次の目的地について話していた

「お主らは今日次の村に向かうんじゃろ?」

「えぇそうなの、おじいさんこの村から何日くらいかかるか分かる?」

村長は地図を持ってくる

「ここがこの村、ここが次の村じゃ、大体一日くらいかのぅ」

「俺も何回か行ったり来たりしてるけど、ここから王都までは大体四日あれば付くぜ、途中の村に泊まりながらな」

明日奈は頷く

「そうなんだ、あまり遠く無いのね」

「うむ、今から旅立てば夕方には着くじゃろう」


三人は次の村に向かうため、門の前にいた

「それじゃおじいさん、また来るね」

「ご飯美味しかったです、ありがとうございます」

「じいさんまたな」

村長は頷き

「また来なさい、楽しみに待っとるよ」

三人はこの言葉に頷きノーラの村を後にした



三人は旅立つ前に受けた依頼の魔物を探しながら次の村に向かっていた

「街道にいる筈なのよね?このビックマウスって」

「はい、いる筈です」

「ビックマウスは草むらに隠れてるんだ、ちょっと行ってみようぜ」

ビックマウス大きなネズミで、それなりに数が多い、囲まれると結構やっかいな魔物だ、草むらに隠れており、急に襲って来る

「いるわよ、右方向に三匹くらい、依頼は取り敢えず何匹でも良いから狩れって言うお掃除みたいな依頼だけど多く狩った方がいいわよね?」

「はい多い方がギルドの人も喜ぶと思います、後その少し奥に五匹いますね」

「さすがだよな、お前らの耳って、それじゃ狩を始めようぜ!」


鈴が矢を放つ、宙からいきなり飛んで来た矢に驚いたビックマウス八匹が草むらから出てくる

クリスティと明日奈は飛び出して来た前の二匹を始末する、ビックマウス達は飛び掛かって来るが真っ直ぐしか飛べないようなのでかわすのは楽なのである

「あまり強くありませんね、あの蜘蛛の方が怖かったです」

「そうね」

鈴は一気に魔法で殺す

「ウインド!」

風の魔法が残りのマウス達を巻き込み、全員死んだようだ

「鈴の魔法はこう言う時に便利よね」

「明日奈の魔法は一体一向きだもんな」

明日奈は広範囲の魔法は苦手なのだ

「明日奈さんも練習したら広範囲の魔法を使えるようになりますよ?」

「うーん、私は一体一の方が好きだからなぁ、でも練習しておいて損は無いか」

「でも巻き込まれそうだな」

クリスティのこの一言で喧嘩を始めた二人に少し呆れながら鈴はビックマウスの爪を剥ぎ取る

「私はちゃんと前に撃つわよ!」

「はあ?お前の場合威力の調節が下手くそだから怖いんだよ!」

そんな事を言いながらも二人はちゃんと剥ぎ取っているのだ、自分の仕事は理解しているのである

「はぁ二人ともまた喧嘩ですか・・・中級魔法でもぶち込みましょうか?」

鈴の顔はとてもいい笑顔だ、その笑顔が物凄く怖い

「な、なに言ってるのよ鈴、喧嘩なんてしてないわよ」

「ああしてないって、だから落ち着け」

鈴はニコニコしながら二人に近付く、三人とももう爪を剥ぎ取り終えている

「本当ですか?次喧嘩したら、どうなるか楽しみですね?」

しばらくの間、明日奈とクリスティは鬼モードの鈴に怯える事になるのだが自業自得なのである



そして昼食を終え、のんびりと風景を見ながら三人は歩く、三時間位経った頃だろうか次の村が見えて来た

「あれがラタサの村ね」

「ああそうだな」

「ふふふ、二人とも仲良くですよ?」

鈴はまだ少し鬼モードのようだ

「止まれ、身分証を見せろ」

三人はギルドカードを見せ村に入り、宿に泊まり次の日に備え眠った



鬼モードの鈴は本当に怖いのです、笑顔で徐々に近付いて来る恐怖は計り知れません

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