四話
第25世界アーリーエス王国、カリバの町
ここカリバの町は平和な町であり、町民達は平和な日常が続くと思っていた前日までは
永遠に続くと思われていた日常は黒龍団によって打ち破られた、急に現れた黒龍団の団員達は町に火を放ち逃げようとする町民達を皆殺しにした
黒龍団は町を滅ぼした後すぐに何処かに姿を消した
チーム29
黒龍団がカリバの町を滅ぼした翌日、地球支部にもその情報が知らされ、明日奈はワトソンからその詳細を聞いていた
「レビィの村の時と同じ・・・」
このいきなり対象として選んだ町や村に現れそして滅ぼして行くと言う手口は黒龍団が良くやる手口である
「うむ、そして奴等は最近行動を活発化させている、カリバの町のように襲われる町や村が多くあるらしい」
黒龍団はこのカリバの町以外の町や村も数件滅ぼしている、救援に向かった軍も皆殺しにされてしまっているそうだ
「奴等は行動を開始したって事か?」
今までは幾つかの村を襲ったりしていたが滅ぼしたのはレビィの村だけであった、だが最近は大きな町を襲い滅ぼしている、よって彼等が本格的に行動を始めたと判断すべきだろう
「そうなるだろうな、上層部もここ数件の黒龍団の起こした事件から奴等が行動を開始したと判断し、数支部を黒龍団の討伐に向かわせる事にしたようだ」
「何処の支部なの?」
レビィの事もある明日奈は黒龍団の件についてはかなり積極的になる
「勿論うちの支部も組み込まれている、まぁまだ奴等に関する任務はうちには来てないがな」
ワールドセイバーの上層部が黒龍団を討伐すると決めたのが昨日の事なのでまだ情報部が情報を集めている所なのだ、黒龍団に関する任務が本格的に各チームに来るようになるのは最低でも二日後だろう
「明日奈お前レビィちゃんを奴等に関する任務に参加させるのか?」
ギルダーツやチームメイトはレビィの目標ある自身が両親を殺し住んでいた村を滅ぼした者達をを捕まえるという彼女の目標を知っている、なのでギルダーツは保護者である明日奈にどうするのか聞いた
「あの子次第かな、あの子が参加したいと言うのなら参加させるよ、絶対に私が守るけどね」
明日奈はレビィが任務に参加すると言うのなら参加させるつもりだ、ただし勝手な行動は絶対に許さないが
「そうか・・・守るってんなら絶対に守ってやれよ?」
「分かってる」
明日奈は力強く頷いた
地球支部学校
仕事を終えた明日奈がエレベーターに乗り学校があるフロアにやって来ると丁度教室からレビィが出て来た所であった、レビィは明日奈に気付くと嬉しそうな表情を浮かべこちらにやって来る
「お姉ちゃん早いね?今日はもうお仕事終わり?」
「うん、今日は任務が無かったの、ねぇ今からちょっと訓練所に行こっか?」
明日奈は訓練所でレビィのダガーを受け、本当にレビィを黒龍団に関する任務に参加させるかどうか決めるつもりだ
良いと思ったら地球支部が黒龍団の討伐に参加する事になった事を話し彼女にどうするか聞き、駄目だと思ったら何も話さない
「うん!行く!」
「うん、良い返事、それじゃ行きましょう」
明日奈とレビィは二階の訓練所に向かった
訓練所
明日奈とレビィは軽く体をストレッチをした後、お互い向かい合い訓練所木製の剣とダガーを構える
「レビィ、あなたは実戦用のダガーを構えなさい」
「えっ?でもお姉ちゃん、これ練習でしょ?」
レビィは実戦用のダガーを構えるのは本当の戦闘の時だけだと思っていたので戸惑う
「良いの、ほら早く」
「うん、分かった」
レビィは木のダガーを仕舞うと実戦用のダガーを構える
「レビィ、それにもう一つ言うことがあるわ」
「何?」
「本気で来なさい」
「えっ?う、うん」
レビィは本気と言われても戸惑う
「それじゃ始めるよ」
「うん」
レビィが頷いた瞬間明日奈は一気に飛び出したそして一瞬でレビィの首に剣を突き付ける
「えっ?」
「レビィ、本気を出しなさい、痛い目に合うわよ」
明日奈はそう言うと剣を引き下がる、レビィは先程の明日奈の動きを見て理解した、明日奈は本気だと、そして思った明日奈の意図は分からないがこちらも本気を出さないといけないと
「行くよ!お姉ちゃん!」
「来なさい!」
本気を出すと決めたレビィは全力で駆け出すと明日奈の懐に潜り込み一撃を加えようとするが、明日奈は懐にすら入らせず木剣を叩き付ける
「うっ!」
レビィは次の一撃を警戒し慌てて離れるが明日奈は離れることを許さない、明日奈はもう一度横振りで木剣を振るう、レビィは今度は左のダガーで剣を受け止め明日奈を蹴り付ける
明日奈は左腕でレビィの蹴りを受け止めそしてレビィの右手のダガーを体を捻りかわす、そしてダガーをかわされた事で出来た隙を見逃さず、足払いし転けさせるが明日奈が転けたレビィに剣を叩き付ける前にレビィは転がって距離をとっていた
「ヤッ!」
そしてレビィは立ち上がると片方のダガーを投げて来る、明日奈は剣で弾きダガーは宙に浮かぶ、レビィは宙を飛ぶダガーは無視し明日奈の懐に潜り込もうとする
「行ける!」
懐に潜り込んだレビィは小さな動きでダガーを振り上げた、明日奈は宙返りをしてかわすが軽く服が切れる
「さっきのは良い攻撃だったわ」
明日奈はレビィの先程の攻撃を褒めると剣を突き刺す、レビィは慌てずダガーで受け流すともう片方のダガーが落ちている方向に飛び下がりダガーを拾う、そしてにジグザグと接近して来る
「フッ!」
明日奈は迫って来たレビィの斜めから迫る左手のダガーを弾くと、弾かれた反動を活かし回転を加えた一撃を放つレビィの右手の一撃を受け流す、そして明日奈はレビィの顔を狙い蹴りを加えるがレビィは体を背けてかわしその大勢から体を回転させもう一撃攻撃を加える
「ッ!」
明日奈は何とか剣で受け止めたが、回転が加わっていた為かなりの威力の一撃であり、かなり後ずさる、レビィは明日奈に出来たその隙を見逃さず接近する
「ヤッ!」
レビィは明日奈に向けて全力の突きを放った
「強いわね、レビィ」
だが明日奈はそれをかわすと木剣を離し、レビィの後ろに回り込みレビィを後ろから抱き締めた
「お姉ちゃん、なんで私に本気で戦えって言ったの?」
レビィは明日奈に理由を聞く
「ごめんね、あなたが黒龍団と戦えるだけの実力があるかどうか確かめたかったの」
明日奈は後ろからギュッとレビィを抱き締めながらレビィの質問に答える
「それじゃ・・・黒龍団が動き出したの?」
「えぇ、レビィ一つ聞くわね彼等と戦う覚悟は有る?」
明日奈はレビィが任務に参加しても大丈夫だと判断しそしてレビィに戦う覚悟は有るか聞く
「うん、有るよ」
「そう、分かった、一つだけ約束よ、戦闘の時、私から絶対に離れないでね?」
「分かった」
レビィは抱き締められながら顔だけ振り返り、明日奈の顔を見ながら頷く
「うん良い返事、それとごめんね?痛い所無い?」
明日奈は木剣と良い数発レビィに斬撃を入れた為痛い所は無いか聞く
「ん?全然痛く無かったよ?だってお姉ちゃんの攻撃確かに早かったけど途中で威力無くなってたもん」
「あ、あれ?そう?」
「そうだよ、それじゃ帰ろ?お姉ちゃん、私お腹空いちゃった」
レビィはどうやら先程の戦闘でお腹が空いたようである
「ふふふ、なに食べたい?」
「うーん・・・ハンバーグ!」
明日奈とレビィはこの後近くのスーパーに寄り明日奈の自宅に帰ると一緒にパンバーグを作り食べた
明日奈はレビィの実力をはかるため非情になったつもりでしたが、結局非情になり切れなかったのでした
 




