二話
グラン王国南西ビダナ平原
この世界で一番広大なグラン王国には大小沢山の平原があり、その一つがこの南西にあるビダナ平原である、このビダナ平原にはサーベルタイガーや火を吹くレッドライオンなどがいる
今回の明日奈達の獲物はレッドライオン、その皮を六体分集める事が今回の目的だ
「この平原の中から探すんだね、ちょっと面倒臭そう・・・」
レビィなそう言うのも頷ける、この平原はグラン王国の数ある平原の中でも上位の広さを持った平原だからだ
「確かにこの広い平原から闇雲に探し出すのは大変ね、でもねレビィちゃん、奴等を簡単に見付ける方法が有るのよ」
「どうやって見付けるの?」
レビィは愛奈にどうやって簡単に見付けるのか聞く
「レッドライオンはね?火やマグマの近くに住むことを好むの、ほらちょっと遠いけど見える?あそこにマグマをが出ている所が有るでしょう?あそこの周辺がレッドライオンの住処なの」
レッドライオンはマグマに体を漬けても解けず、火に体を焼かれても焼けない毛と皮膚を持つ、そんな皮膚を持つ彼等はマグマや火を体に取り込み火の魔法の元としている、火よりかはマグマを取り込んだレッドライオンの方が戦闘力が高くなり討伐難度は上がる
「そっかならあそこに行けば簡単に見つけられるんだね!」
「そう言うこと、レビィちゃんは飛鳥と違って理解が早くて良いわね」
愛奈はレビィの頭を撫でながらマグマ噴出地に向かいながら飛鳥をからかう
「なっ!?あたしだって、レッドライオンがマグマや火を好むこと位知ってるぞ!」
からかわれた飛鳥は愛奈に突っかかる
「あら?ならビックキャンサーの好物は?」
突っかかれた愛奈は更に問題を出す
「ビッククラブ?・・・なんだっけ?」
「はぁ・・魚なら彼等は何でも好物よ、かなり簡単な問題よ?」
愛奈はヤレヤレと言ったポーズを取り、更に愛奈をからかう、それを見た飛鳥が更に突っかかり喧嘩が始まった
「ねぇお姉ちゃん、あの二人っていつもあんな感じなの?」
二人が言い合っている様子を見たレビィが明日奈に二人はいつもあぁなのか聞いてくる
「うん、何時も通りよ、あの程度の喧嘩ならそのうち収まるから放っといたら良いの」
「そうなんだ」
その後、マグマ噴出地に着くまで二人の言い合いは続いた
レッドライオン生息地
レッドライオンの生息地までやって来た四人は大きな岩の陰からマグマ噴出地に数頭居るレッドライオンの様子を見る
「六体居るね」
レッドライオンは丁度六体おり、この群れを狩れば目的を達成出来そうだ、依頼書には雄の皮でも雌の皮でも構わないと書いてあったので、レッドライオン達の性別も考えなくて済む
「それじゃ愛奈と飛鳥が三体、私はレビィとレビィが三体で良い?」
明日奈はレッドライオンはレビィの訓練相手に丁度良いと思ったので、愛奈と飛鳥にこう提案する
「良いわよ、それはそうとレビィちゃんが幾ら可愛くても、あんた守り過ぎないようにね!」
「分かってわよ・・・」
明日奈は今は危なくなればレビィをシールドで守るようにしているが、もう少しレビィが経験を積めば完全に自分一人で戦わせるようにするつもりである、いつまでも明日奈のシールドに頼りっきりではいけないのだ
「そう、それなら良いわ、それじゃ私達は別方向から仕掛けるわ、また後で」
「うん」
愛奈と飛鳥は別の場所に移動して行った、明日奈はそれを見送るとレビィの方を向く
「レビィ、私達は愛奈達が仕掛けたら行くよ?準備は良い?」
レビィの方を向いた明日奈は彼女に準備は出来ているか?と聞く
「うん大丈夫だよ」
レビィは大丈夫なようだ
「そう、ならもう武器を抜いておきなさい、一気に行くからね?」
「うん」
レビィは明日奈に言われた通り二本のダガーを抜き、逆手に持った、明日奈も剣と魔法銃を抜き戦闘準備を完了させた
明日奈とレビィが戦闘準備を完了させた二分後、レッドライオンが雄叫びを上げた、どうやら愛奈と飛鳥が仕掛けたようである
「二人が仕掛けたみたいね、レビィ行くよ!」
「・・・うん!」
二人は岩の陰から飛び出した
二人が岩の陰から飛び出した二人は走りながら戦闘の様子を確認する、愛奈と飛鳥が六体を相手にしており六体のレッドライオンは先に仕掛けた愛奈達に注目しておりこちらは全く見て居ない
「レビィ!まず一番後ろの奴を倒すよ!」
「分かった!」
二人はまず一番後ろのレッドライオンに接近すると先に接近した明日奈が他のレッドライオンから離す為に前に回り込み蹴り飛ばした、蹴られたレッドライオンは短い距離を蹴り飛ばされ他の五体から離れる
「ハッ!」
レビィは蹴られた事で大きく隙の出来たライオンの横腹を斬り付ける
「グァァ!」
斬られた事に怒ったライオンはレビィに向け爪を振り下ろすがレビィは猫のように軽い動きでその爪の攻撃をかわしながら相手の体を斬り付ける
「レビィ火が来るよ!」
明日奈はレビィに火が来ると注意すると、彼に火を吹かせないようにする為に顎を蹴り上げた、吹き出せなかった火は口の中で暴れたようで少しレッドライオンの口から煙が漏れる
「ハァァ!」
レビィは背中に飛び乗ると、振り落とされる前に首を突き刺す、そしてすぐに飛び降りた、首を刺されたレッドライオンは倒れ絶命したようだ
「やった!」
大きな敵を仕留めたレビィはつい喜んでしまう、そんなレビィの後ろから別のライオンが牙を剥き出し迫る
「させないわよ!」
明日奈はレビィにシールドを張ると、銃を撃つ、魔法弾はライオンの頭に命中し貫通し、レッドライオンは倒れた
「レビィ!油断しない!」
「・・・ごめんなさい」
明日奈に怒られたレビィは反省する
「反省してるのなら良いの、さっ次が来るわよ」
明日奈とレビィのノルマである三体目のレッドライオンがこちらに向けて火を吹こうとしている、先程と違い顎を蹴り飛ばし火を吹かせないようにする事も出来なさそうだ
「クッ!」
明日奈とレビィは顔のレッドライオンの顔の前から退避する、するとレッドライオンの口から高熱の炎が吹き出す
「当たれば危ないね」
「そうね」
レビィと明日奈はそう言うと、レビィが先に駆け明日奈が続く、まずレビィはレッドライオンの攻撃を誘う、誘われたレッドライオンは爪でレビィを斬り裂こうとするがレビィはかわした、そしてレビィのおかけでレッドライオンには大きな隙が出来た、明日奈はレッドライオンの横に付けると剣を突き刺し、仕留めた
「やったね!お姉ちゃん!」
「うん!」
明日奈とレビィはレッドライオン三体を仕留めた
愛奈と飛鳥は最後のレッドライオンを相手にしている、まず愛奈が水属性の小さなウォーターボムを連続で撃ち込み怯ませ、愛奈がライオンの顔を蹴り上げ右フックを放つ、そして愛奈がトドメの技を放つ
「ウォーターカッター」
高周波の水の刃の斬れ味は物凄い物だ、愛奈に操られたウォーターカッターはレッドライオンの上を取りると首を斬り落とす
「やったな!愛奈!」
「あんたも良いパンチだったわよ」
二人はお互いを称え合った
グラン王都
六体のレッドライオンを仕留めた後、四人はレッドライオンの皮を剥ぎ取り、必要なだけの皮を獲る事が出来た、そして王都に転移して来るとギルドに向かい依頼を完了させた
「さてとお仕事も終わったし、明日奈、あなたのご飯が食べたいわ」
「良いわよ、何食べる?」
明日奈は三人に何を食べるのか聞く
「なら、明日奈さんのカレー食べたいっス!」
飛鳥はカレーを食べたいようだ
「愛奈とレビィもカレーで良い?」
明日奈は残り二人にカレーで良いか?と聞く
「良いわよ」
「うん!」
残り二人さもカレーで良いようだ
「ふふふ、ならカレーで決定ね」
四人は転移し明日奈の自宅に戻った後、明日奈がカレーを作り食べた後、愛奈と飛鳥は家に泊まり翌日帰って行った
 




