プロローグ2
15年前天上界玉藻神狐の館
元気な産声が聞こえ、運命の少女が産まれた
「神狐様!元気な女の子ですよ!」
「玲狐やワシの娘の顔を見せてくりゃれ?」
疲れきった様子の神狐は玲狐にそう頼む
「はい!神狐様ほら本当に可愛い女の子です!」
「おおワシの娘よ良く産まれて来てくれたのう、本当に可愛らしいあやつも見りゃええのに本当忙しいやつじゃ」
神狐は赤ん坊の顔を愛おしそうに撫でながらそう呟く
「仕方有りませんよあの方は一流の冒険者ですしね、神狐様が急にこいつと結婚すると言った後実際に結婚なさった時は本当に驚きました」
「うるさい!一目惚れじゃたんじゃ仕方なかろう!」
神孤は顔を真っ赤にして叫び頬を膨らませる
「いや神狐様一目惚れって年齢を考えて下さい、それとお産直後なのにそんなに叫ばれたらお身体に障ります」
「ふん今年で二万六十五歳じゃ!それとそうじゃのワシも疲れたしこの子も寝ておる、うるさくしてはいかんの」
親と子が眠り始めたのを見守りながら玲孤は
「はい神狐様今日はゆっくりとお休み下さいね」
そう言って部屋を出る
「さて私は天上神狐様達に神狐様が無事にお産を終えたとお知らせしませんと!」
三ヶ月後
「氷河どう言う事じゃ!」
「神狐さっきも言っただろうこの子は世界を救う役目を背負って産まれて来ている、このままではこの子は闇の勢力に襲われるんたぞ!」
氷河は少し興奮した様子で話す
「だからこの子をワシの元から離し別の世界に送れと言うのか!」
「そうだ、魔法の無い世界に送る事でこの子が狙われる事は無くなる、お前も分かっているだろう俺たちはあの戦いで力を失っている、もしその闇の勢力がこの子を狙って襲って来たらどうするんだ?」
天上神狐達はとある戦いで力を一時的に失っている力が戻るには十数年掛かる、その期間に襲われれば明日奈を守る事は出来ない、だから氷河は明日奈を魔法の無い地球に送れと言っているのだ
「それに向こうの世界には俺の知り合いが住んでいる、そいつは孤児院をやっていてな俺はそこに預ければ良いと思っている」
「本当にそこに預ければ安全なのじゃな?」
「奴らは俺たちと違って魔法の無い世界に渡る技術を持っていない、だが魔法のある世界には干渉出来る、魔法の無い世界に送れば安全な筈だ」
神狐は唇を噛み締めながら
「分かった、だがワシの力が戻ればすぐに迎えに行くそれで良いな?」
「あぁお前や俺たちの力が戻ったら安全だろう好きにするが良い」
「では俺はあいつにその子の事を頼みに行って来る」
「分かったよろしく頼む」
氷河は部屋から出て行く
「すまんのぅ明日奈ワシに力が有ればこんな事にはならんかった、だからせめてワシが迎えに行くまで向こうの世界で安全に過ごしてくれ」
「神狐様・・・」
そして明日奈はその後地球の孤児院に送られ15歳になるまで闇の勢力に襲われる事無く安全に成長した
玉藻神孤は天上神狐で一番上の立場です、なので神狐と名乗っています
そして本名は別に有ります