十六話
屋上
ボスは明日奈を叩き付けると次は蹴り飛ばす
「さっきまでの勢いはどうしたんですか?このままでは死んでしまいますよ?」
ボスはそう言うと左腕を振り上げ、振り下ろす
「くっ!」
明日奈は何とか剣で爪を防いだが力負けする
「このまま私の爪に斬り裂かれなさい!」
ボスはそう言うと更に力を込める
「ホワイトローズ!」
『Yes、身体強化力を100%上げます、同時にホーリーブラスターのチャージも開始します』
明日奈は尻尾を全て出し、身体強化で上がった力で何とか押し返した
「ハァハァ・・・」
「よく押し返しましたね、ならこれはどうです?」
ボスはそう言うと飛び上がるとその落下速度を活かし踏み付けようとする
「当たらないわよ!」
明日奈はそう言うと体を斬り付ける
「クッ!効きますね、ですが今の私はこの程度何て事は無いのですよ」
そう言うとボスは明日奈の頭を掴みまた地面に叩き付ける
「くぅぅ!」
ボスは地面に明日奈を叩き付けるとまたその体を蹴り飛ばすと左腕を振り上げ、明日奈にその爪を突き刺そうとして来る、明日奈はダメージを喰らいすぎて動けない
「死ね!小娘!」
ボスの爪が明日奈の体をもう少しで貫こうとした所、ボスの体を電撃が包んだ
「大丈夫か?明日奈」
「ミランダさん・・・」
明日奈は目の前に立つミランダを見上げる
「すまないな、下からも奴等の構成員が来て処理に手間取った、君がそこまでやられる程の相手ならもう少し早く来たら良かった」
ミランダは今までマーサを守る為に彼女の部屋の前で戦って居たのである
「ありがとミランダさん、私は大丈夫、あいつを倒そう」
明日奈はそう言うと立ち上がる
「あぁ、行くぞ!」
「うん」
明日奈とミランダは敵に向け駆ける
まずはミランダが先に攻撃を仕掛ける、一気にボスに接近するとその顔を狙い槍を突き刺す
「ハッ!」
だが彼は顔を傾けてかわすと右腕でミランダを殴ろうとするが、明日奈がその腕を蹴り上げ、ミランダが左足を突き刺した
「二人に増えるとこうも違いますか!」
ボスはそう言うと、明日奈の左腕を右手で掴む、恐らくまた地面に叩き付けるつもりだろう
「何回も同じ手が通じると思うな!」
明日奈はそう言うと剣を逆手に持ちその腕を突き刺した
「チィィ!」
ボスは堪らず明日奈の腕を放す、ミランダはその隙を見逃さず更に先程刺した左足の傷をもう一度突き刺した
「グァァ!この!」
ボスはミランダを思いっきり殴った、ミランダは屋上の入り口の壁まで飛ばされる
「ミランダさん!」
「大丈夫だ!前を見ろ!」
明日奈は言われた通り前を見る、ボスが足が傷付いている筈なのにかなりのスピードでこちらに接近して来ていた
「喰らえ!」
ボスは左腕を突き刺して来る、明日奈は前に駆け出すと当たる瞬間に体を捻り爪を避け、剣をブレイカーモードに変形させると両手で持つ
「セェイ!」
明日奈はそのまま下から振り上げ、彼の体を大きく斬り裂いた
「良いぞ!、ライジングランス!」
ミランダの雷撃を纏った槍がその大きく斬り裂いた傷口に命中する
「今だ!」
「うん!」
明日奈はミランダに返事を返すとボスに接近しその体にホワイトローズの銃口に突き付ける
「ゼロ距離て喰らいなさい!ホーリーブラスター」
『Yes、ホーリーブラスター!』
ホーリーブラスターはボスの体を飲み込む
「グォォォォォォォ!」
ホーリーブラスターの照射が終わるのと同時に辺りが見えない位の煙が立った
「勝った?」
煙が晴れるとそこには白目を剥いた、元の姿に戻ったボスが居た、彼は暫く立っていたがやがて倒れた
「あぁ私達の勝ちだ」
ミランダが明日奈の声に答えた
マーサの屋敷
明日奈達はボスをワールドセイバー地球支部に転送するとマーサ屋敷に戻って来ていた
「本当にありがとうございます」
マーサはそう言うと明日奈とミランダに頭を下げる
「良いんだ頭を下げなくても、私達は任務をこなしただけなのだからな」
「それでもありがとうございます」
マーサはそれでもお礼を言う
「ふふふ、それじゃまたね?マーサさん」
「はい!本当にありがとうございました!また会いましょう!」
マーサは明日奈とミランダが転移するその瞬間まで手を振っていた
チーム29
明日奈とミランダは久し振りの職場に戻って来るとワトソンに任務が完了した事を報告する
「二人共戻ったか、それで任務は?」
「無事終わった」
ミランダはそう言うとワトソンににマーサのサインが入った任務完了を示す紙を渡す
「うむ確かに、お前達が捕まえた、幹部三人と、ボスライオの取り調べは他の者達が行っているからお前達は今日はもう帰っていいぞ」
「そう分かった、それじゃ失礼します」
明日奈とミランダはチーム29を出る
ワールドセイバー地球支部エントランス
明日奈とミランダはのんびりとエントランスホールを歩く
「ふぅ、今回の任務は本当に疲れたな」
「そうね、幹部達やボスのライオだっけ?が本当に強かった」
明日奈はそう言うと溜息を吐く
「そうだな今回の敵は強かったな」
「うん」
明日奈は頷く
「さてと何か食いに行くぞ明日奈、奢ってやるから付いて来い!」
「本当!?行く!」
明日奈の嬉しそうな声がエントランスホールに響いた




