十五話
マーサの会社
幹部二人を捕まえた次の日、この日は移動中に襲撃は無く安全にマーサは出勤出来た、現在は明日奈が屋上で、ミランダがマーサの部屋の前で警備している
『明日奈どうだ?怪しい奴は居ないか?』
明日奈は周りを見渡しながら答える
「今の所は居ないよ」
『そうか、空から乗り込んで来るかもしれないから空の警戒も頼むぞ』
「分かった」
明日奈は通信が切れると、屋上で一番高い所に登る
「ふぅ高い高い、けど暑い・・・」
明日奈はそう言うと服をバタつかせる
「帰ったらすぐにお風呂に・・・」
明日奈はそこで喋るのをやめる、怪しいヘリがこちらに近づいて来ているのだ
「・・・ミランダさん、本当に空から攻めて来たわ」
明日奈がそう言った所でヘリは撃って来た
「ヤバイヤバイ、ホーリーシールド!」
明日奈はホーリーシールドで銃撃を防ぐが百発程度耐えた所でシールドはヒビが入り始める
「本当に死ぬって!ホワイトローズ、ライトニングブラスター行くよ!」
『Yes』
明日奈はシールドを張りながら飛び上がると、空中でホワイトローズを構える
「落ちろ!」
明日奈はライトニングブラスターをヘリに向けて放った
「よし!撃墜!」
プロペラを吹っ飛ばされたヘリは落ちて行くが、ヘリから何者かが飛び出して来た
「本当にやってくれますね、ワールドセイバーのエージェント!」
どうやら彼はマーサの命を狙っているマフィアのボスのようだ、彼の表情を見る限りかなり頭に来ているようだ
「あっそ、私達の任務はマーサさんの命を守る事、その障害になるあんた達を倒し捕まえるのは当たり前じゃない?」
「黙れ!この小娘が!殺してやりますよ!」
ボスはそう言うとレーザーソードを取り出すと発振させる
「クックック、どんな敵でもこのレーザーソードに当たれば一溜まりも無い、行きますよ!」
男が駆け出して来た
ボスは明日奈に接近するとレーザーソードを横払いに振ってくる、明日奈は後方に宙返りしてかわす
「かわしましたか、流石はワールドセイバーのエージェント!」
ボスは明日奈の顔に向けレーザーソードを突き出して来る、明日奈は顔を傾けてかわすとそのまま横に振って来たのでしゃがんでかわす
「お腹がガラ空きよ!」
明日奈は腹に向け左ストレートを放つが、ボスは剣を持ってない方の右腕でそれを止めた
「死ね!」
ボスは明日奈の手首を持つと、レーザーソードを逆手に持ち直し突き刺して来た、明日奈は体を捻り何とか避けると、腹を蹴飛ばした
「グホッ!」
ボスは腹を抑えて数歩下がる
「お腹って効くでしょう?路地裏での喧嘩でも良く喰らったしやったから分かるのよね」
「ゲホッゲホッ、確かに効きますが、これ位で勝てるとは思わないで下さい!」
男はそう言うと手をかざすと火の玉を撃って来た
「狙いは正確ね、でも正確だからこそ読めちゃうの」
明日奈は剣で弾いたりかわしたりしながら近付くと
「ライトニングソード」
「くっ!」
男は当たる前に何とか、レーザーソードで明日奈の斬撃を防いだ
「高出力の雷属性の斬撃ですか」
「えぇこれなら、その剣とも打ち合えるでしょ?」
明日奈はそう言うと少し下がりまた剣を振るう、レーザーソードとライトニングソードは打ち付け合う度に激しい火花を撒き散らした
「セィ!」
明日奈は下からの斬撃を加える、すると男の腕が上がり胴が隙だらけになる
「ライトニングブレイド」
明日奈は更に出力を上げた技であるライトニングブレイドを男にぶち込んだ
「グォォ!」
男は体を斬られそのまま倒れた
「ふぅ」
明日奈は剣を仕舞い、ボスに近付くと手錠を取り出す、彼は丈夫なのかダメージは有るようだが血は出ていない
「逮捕っと、っ!」
手錠をかけようとした途端ボスが起き上がり明日奈の首を掴んだ
「出来れば使いたく無かったのですがねぇ、使わせてもらいました」
「ダーク、カードか・・・」
男の体はこれまでとは違い異常に筋肉が膨らんだりはしていない、明日奈の首を掴んでいない、左腕が変化し大きな爪が形成されると、両足が大きくなり靴を突き破って爪が飛び出して来た、顔は大きな牙が生えるとライオンのような形になった、尻尾も生え先が蛇のようになっている
「ククク、はいそうですよ、ですがこれはこれまでのダークカードとは違います」
「どう、言う、こ、と?」
明日奈は首が締められているので途切れ途切れに質問する
「これは新型ダークカード、ダークカードバージョン2です、使用者は己の欲望に忠実になる所は変わっていませんが、これを使っても筋肉が異常に膨らんだりしなくなったのです」
明日奈は思った、また厄介な物をと
「これであなたを殺してあげますよ!」
ボスはそう言うと明日奈を思いっきり地面に叩き付けた
鈴に以前使用されたのはこのバージョン2の試作品です
この完成品の方が使用者の体は安定しています




