十四話
マーサの屋敷の庭
警戒を始めて三時間が経った、あれから敵は来ず、明日奈は暇なので庭の芝生の上に寝転がっていた、機嫌良さそうに尻尾が揺れている
「暖かくて気持ちいいなぁ」
空は快晴、気温も高く無く、日光浴をするのなら最高の環境だ
「ホワイトローズ、敵は?」
明日奈は森の中に敵は居ないかとホワイトローズに聞く
『今の所無しです』
敵は居ないようだ
「来たら教えてね」
『Yes』
明日奈はホワイトローズの返答を聞くと目を閉じた
一時間後
明日奈はホワイトローズの呼び声を聞いて目を覚ました
『マスター!西と東から一人ずつ敵が接近しています!』
「分かった」
明日奈は目をこすりながら通信機を頭に付けるとミランダに敵が来たことを知らせる
「ミランダさん、敵よ、西から一人とそっちに一人、気を付けてね」
『分かった、君も無茶するなよ』
「うん」
明日奈はそう言うと立ち上がり剣と銃を抜き戦闘準備に入る
「さぁ、どう来る?」
明日奈がそう言うと森の方から何かが飛んできた
「手榴弾か」
明日奈は距離を取って爆発を避けると、今度はナイフが飛んで来たので剣で弾く
「・・・多分これは当たるまで森から出て来ないわね、ならこっちから行ってやる」
明日奈はそう言うと森の中に入った
森
明日奈が森の中に入ると、続け様に手榴弾などが飛んで来たので明日奈は避けながら飛んで来た方向に向かう、徐々に飛んで来る間隔が短くなって来たので敵はすぐ側に居るのだろう
「そこ!」
明日奈はまた飛んで来た手榴弾をかわすと、飛んで来た方向に銃を撃った、敵は弾を慌ててかわしたのかガサガサと大きな音を立てた
「そっちね」
明日奈が音がした方向に向かい草むらを抜けると、一人の男が短剣を突き刺して来た
「予想してないとでも思った?」
明日奈は剣で男の短剣を腕ごと弾き、右足で蹴りを入れるが、男は空いている左手で明日奈の足を受け止めた
「当たって欲しかったんだけどな!」
明日奈は即、勢いを付けて足を引っ込め、その反動を活かし左足で回し蹴りを放つ
「グッ!」
今度は見事に男の顔に蹴りが命中した、明日奈はよろめいた男の隙を突き、剣を右斜め下から振り上げる
「当たらねぇよ!」
男はそう叫ぶと短剣でホワイトローズを受け止め鍔競り合いになる
「へぇ、中々可愛い顔してんな」
男はそう言うと空いてる左手で手榴弾を明日奈の足元に投げた、明日奈はすぐに飛び上がると足元にシールドを張り爆発を防ぐ
「よくかわしたなぁ、でも宙に体が浮いたその状況でこれがかわせるか?」
男はそう言うとナイフを三本投げて来た、明日奈は剣を振り二本を弾くと、残りの一本は体を捻ってかわし、男の横に背を向けて降り立ち振り向きながら剣を振るう
「くっ!」
明日奈が振るった剣は男の剣とぶつかり合いお互い体が少し仰け反る
「ホーリーブレイド」
明日奈は仰け反った勢いに任せて、体を回すと、回し斬りを放った
「グァァ!」
男は明日奈の剣に胸を斬り裂かれ倒れた
「マーサさんが言ってた通り中々強かったわね」
明日奈はそう言うと、怪我を治す陣が書かれた紙を貼り付けると、普通の手錠を男の腕にかけ、通信機でミランダに話しかける
「ミランダさん、終わった?」
『あぁ、少し話した結果こいつは幹部のようだ、恐らくそっちのそいつも幹部だろう、合流しよう』
「分かった」
明日奈はそう言うと通信を切り、男の服の襟首を掴み屋敷に向かった
マーサの屋敷
明日奈が屋敷の中に戻って来ると服が少し焦げた男が床に倒れていた、恐らくミランダが雷属性の技で倒し、明日奈と同じく引きずってここまで連れて来たのだろう
「よくやったな、明日奈」
「ミランダさんこそ」
二人はお互いの健闘を讃える
「これで幹部は全員捕まえた、次はボスが来るだろうな」
「うん、お金を手に入れられずしかも幹部を全員失ったから、かなり怒って来るだろうね」
マーサの命を狙うマフィアのボスは金を手に入れられなかったばかりか全ての幹部を失ったのだ、恐らくそのプライドはズタズタだろう
「あぁ、何が何でも私達を倒そうとするだろうから気を引き締めないとな」
「そうだね」
明日奈とミランダはそう言うと頷き合い、幹部達をワールドセイバーに送った




