八話
第二層
第一層は一直線であり、魔物もおらず五分もかからずに二層目に進めた
「ここからが本番みたいね」
「あぁ、かなり入り組んでいるようだ」
階段から降りた時点で右左前と道が分かれている、何処かで戦闘音も聞こえるので、魔物もいるようだ
「どっちに進みますか?」
「そうだな、取り敢えず真っ直ぐ進んでみようぜ」
クリスティはこう言う時は適当である
「まぁ行ってみましょうか」
四人は真っ直ぐ進んでみる、そして行き止まりで目の前に宝箱がある
「・・・どうする?これ?」
明日奈は振り返りこの宝箱をどうするか聞く
「俺は罠にしか見えねぇな」
「私もだ」
そう、怪しすぎるのだ
「じゃあ放置するの?」
「それが良いんだろうけどなぁ、中身が気になるな」
クリスティはそう言うと宝箱を足で突つく、すると宝箱が開いた
「何してるのよ!開いちゃったじゃない!」
「悪い!」
四人は空いてしまった宝箱をそっと覗く、中にはテディベアが入っていた
「何でテディベア?」
「分かりません・・・」
明日奈はこれも罠かもしれないので突いてみて変化が無いことを確認してから手に取る
「変な所も無いし本当にただのテディベアみたいね」
「何を考えて入れたのかさっぱりだな」
四人はテディベアを回収すると二階の入り口に戻った
四人は階段まで戻るとまたどちらに進むのか話し合う
「さて、次はどっちに行く?」
「そうだなぁ、次は右に行こうぜ」
四人はまたクリスティの意見通り右に進んだ
「・・・」
またしても行き止まり、そしてそこにある看板にはこう書いてあった
『ハズレだよーん』
それを見た明日奈は取り敢えず殴り壊したが
「また生えてきたな、しかも書いてる文字が変わってやがる・・・」
看板はニョキニョキと生えて来て、看板にはこう書いてある
『外れたからと行って私を殴ってストレス発散か?ふふふ青いのぅ』
やたら達筆で書いてある、明日奈は無言でホワイトローズをブラスターモードに変形させると照準を合わせる
「ふっふふふ」
「やめて下さい!明日奈さん!気持ちは分かりますけど!遺跡が崩れますから!落ち着いて!」
鈴が必死に明日奈を慰めると、まだ看板に照準を合わせている明日奈を鈴が引きずって二層目の入り口に戻った
結局正解は左の道だったので四人は左の道を進む、そしてすぐに敵が現れた
「ゴブリン四匹ですか」
「おう、俺がやる、良いだろ?」
三人はそれぞれ頷き、それを見たクリスティはゴブリン達と対峙する
「行くぜ!」
クリスティは一気に接近すると、まず一匹目を倒し二匹目と三匹目を同時に回し蹴りを放ち倒すと、四匹目にアッパーを打ち込み倒した
「へっ!楽勝だぜ!」
明日奈はクリスティの戦闘を見て感心する、昔と比べるとかなり強くなっている
「凄いよクリスティ、あの頃より全然強いじゃない」
「まぁな」
クリスティ達は闇に堕ちてしまった明日奈を救う為に必死に修行した、その為かなり実力が上がっている
「私も強くなったのだぞ?後で見せてやろう」
「えぇ、頼りにしてるわね」
四人はゴブリンの死体を脇に避けるとまた進む、脇に避けるのは後の冒険者の進行の邪魔にならないようにする為だ、先に進むと別れ道がまたあり四人は今度は右に進んでみると道は間違っていなかったようだ行き止まりもなく道は続いている
「今回は一回で済んだみたいね」
「そうですね、でも戻りますか?間違っている道だとしても奥に進めば先程のように宝箱があるかもしれませんし」
そう間違っている道だとしても部屋があったり宝箱があったりして行ってみる価値はあるのだ
「確かにね、二人ともどうする?」
時間は充分にあるので寄り道をしても大丈夫なのだ
「そうだな、まぁ良いんじゃないか?進もうぜ?」
「私は戻っても良いと思っているぞ」
クリスティとフォードの意見は分かれる
「私は進みたいわ鈴は?」
明日奈は最後に意見を言っていない鈴に質問する
「そうですね、私も進みたいです」
四人は大抵が進みたいと言う意見なので進む事にした
 




