七話
明日奈の自宅
明日奈はグッスリと眠っていた、この日は仕事は無く休みである
「明日奈さん」
黒髪の妖狐が明日奈の体を揺する
「起きてください」
更に体を揺すると明日奈はうっすらと目を覚ます
「うーん、鈴?」
「お早うございます、明日奈さん」
鈴は起きた明日奈に挨拶する
「うん、お早う・・・」
明日奈は朝は強くない、今もかなり寝ぼけている
「朝ごはん作りましたから、食べて下さいね?」
「うん・・・」
明日奈は寝ぼけながら机に向かい座ると、鈴が用意した朝食を食べ始める
「美味しいですか?」
「うん、美味しい・・・」
明日奈はそう言うとニヘラと笑う
「そうですか、嬉しいです」
鈴はそう言うと嬉しそうに笑った
「・・・」
「どうしましたか?明日奈さん」
ようやく完全に目を覚ました明日奈が鈴をジッと見る
「また勝手に入ったの?」
「はい、駄目でしたか?」
鈴はそう言うと首を傾げる
「出来れば玄関から入って欲しいかな」
「分かりました」
鈴は頷いた
「それで、今日は何の用?」
明日奈は要件を聞く
「はい、フォードさんやクリスティさん皆で久し振りに一緒に仕事がしたいと思いまして、だからお誘いに来たんです」
「そう、良いわよ久し振りに一緒に行きましょう」
明日奈は誘いを受けた
「分かりました、お着替えは用意しておきましたので着替えて下さいね?」
「うん」
明日奈は鈴が用意した服に着替えると、鈴と共に転移した
グラン王国王都
明日奈と鈴は王都に転移して来ると、ギルドに向かう
「ねぇ鈴?」
「はい、なんでしょう?明日奈さん」
鈴は話しかけて来た明日奈を見る
「今日はどんな依頼を受けるのか決めてるの?」
「はい、新しく見つかった迷宮の探索依頼に向かう予定です」
グラン王国はかなり広大な国土な為、今現在も古代人が作った迷宮が新しく見つかっている、その新しく見つかったダンジョンの探索は主に国から冒険者ギルドに依頼されるのだ
「ふーん、そう言えば私達って迷宮に行ったことは無かったわね」
「そうですね」
明日奈はワールドセイバーとしては前に第九の移籍に入った事があるが、冒険者として入るのは初めてである
「着いたわね」
「はい、入りましょう」
明日奈と鈴はギルドに入る
王都冒険者ギルド
鈴はギルドに入るとクリスティ達の元に向かう
「二人ともお早う」
「おう」
「うむ」
明日奈は二人に挨拶すると椅子に座る
「鈴から聞いてるけどその新しい迷宮は何処にあるの?」
明日奈は早速今回の迷宮の場所を聞く
「この王都から東にかなり進んだ所にあるビルズ山の中腹にある、ここからは遠いがギルドの転移ポータルに乗ればすぐ着く筈だ」
「そう、早速向かいましょうか」
明日奈はそう言うと立ち上がる
「おう、行くか」
四人はポータルに乗ると迷宮に向かった
新しい迷宮前
この迷宮は新しく見つかった為名前はまだ無い、だが恐らくビルズ山にあるのでビルズの遺跡と言う名前になるだろう、迷宮の周りはこの新しい迷宮を攻略しに来る冒険者をターゲットにした売店などがあり、かなり盛り上がっている
「美味しそうね」
「そうですね、何か買いますか?」
明日奈は鈴に聞かれたので答える
「あの串焼き美味しそうだしちょっと買って来るわ、皆待ってて」
明日奈はそう言うと串焼き屋に向かう、鈴も着いて行く
「明日奈は相変わらず食いしん坊だな」
「うむ」
男二人はそう言いながら嬉しそうに串焼きを選ぶ明日奈を眺める
「はい二人の分ね」
数分後戻って来た明日奈はクリスティとフォードに串焼きを渡す、鈴は既に食べている
「おう、ありがとな明日奈」
「うむ、ありがとう」
二人はお礼を言う、そして食べ終わると遺跡に向かった
 
新しい迷宮第一層
迷宮の内部は石造りの壁で出来ており、床も石造りの為歩きやすそうだ
「歩きやすいけど暗いわね」
「はい、ここはまだ入り口なので明るいですけど奥に進めばかなり暗くなりそうですね」
二人の言う通り入り口からの明かり以外はほぼ明かりは無い
「死角からの魔物の攻撃に注意しないとな」
「そうだな、下手すれば大怪我だ」
実際にこう言う暗い遺跡では死角からの攻撃を受け命を落とす冒険者が沢山居る
「注意して進みましょう」
「はい」
四人は死角からの攻撃に注意しながら遺跡を進む
 




