三話
第九の遺跡最奥部
鈴は明日奈に接近すると再び蹴りを放つ
「ホワイトローズ!ホーリーシールド!」
『Yes、出力50%』
明日奈は鈴の蹴りをシールドで防ぐ
「ふふふ、流石ですよ明日奈さぁん、本気の蹴りを防いじゃうなんて」
「やめて鈴、正気に戻って!」
明日奈は必死に鈴に呼びかける
「正気ですよ?私ずっと明日奈さんを自分の物にしたかったんです、だから私の物になって下さい、明日奈さん」
鈴はそう言うと左腕で殴りかかって来る、明日奈はそれを右腕で防ぐ
「私とあなたは友達そうでしょう?」
「はい、でも私は明日奈さんが欲しいんです」
鈴はそう言うと明日奈の懐に入り込むと
「ふふふ」
そう薄く笑い、明日奈腹を思いっきり殴った
「うっ!」
明日奈は腹を押さえながら数歩後退する
「面白く無いです、本気出して下さいよ、明日奈さん」
「さっきも言ったでしょ、私はあなたとは戦えない」
それを聞いた鈴は面白くなさそうに明日奈の上着の襟首を掴む
「それじゃあ、死んでも良いんですか?」
「・・・えぇ」
鈴は明日奈の首に尻尾を巻き付ける
「そうですか、なら死んで下さい」
鈴の尻尾が締まり明日奈は首を締められる、明日奈は無抵抗だ
「明日奈!」
明日奈にとって久し振りに聞く男の声、クリスティは明日奈の首を締める鈴を軽く殴ると明日奈を解放した
「ゲホッゲホッ、クリスティ・・・」
「何諦めてんだ、この馬鹿狐!」
クリスティはそう叫ぶと明日奈の肩を思いっきり叩いた
「誰が馬鹿狐よ!」
「君の事さ明日奈、私からも言わせて貰おう、何を諦めているこの馬鹿狐!」
フォードも現れ彼も明日奈の肩を叩く
「何で鈴を助けようとしないんだ!」
「だって私には鈴を斬る事も殴る事も出来ないんだもん」
明日奈は俯きながらそう言う
「倒さなきゃダークカードからは解放されないんだろ?」
「うん」
明日奈はクリスティの問いに頷く
「それじゃ倒すぞ、立て明日奈」
「でも・・・」
明日奈はまだ尻込みする
「ちょっとした喧嘩だと思えよ!ほら行くぞ!」
「うん」
明日奈はクリスティの手を取り立ち上がる
「良しフォードも行くぞ!武器は使うなよ」
「うむ」
フォードも構えていた剣をしまい、背中から外すと傍に置いた
「良し、行くぞ!」
「えぇ!」
明日奈達のやり取りを見ていた鈴は終わったのを確認すると飛びかかる、それを覚悟を決めた明日奈が蹴り返す
「ごめんね鈴、すぐに終わらせるから!」
今度はクリスティが鈴の足を払い体勢を崩させると、フォードが腹を鈴の腹を殴った
「アハハ!皆さん強いです!私ももっと本気を出さないと!」
鈴はそう言うと手に闇属性の魔法弾を溜めると一気に放って来た
「・・・ホーリーソード」
明日奈は剣に光を纏わせるとそれを全て撃ち落し剣を鞘に戻すと、鈴に接近し蹴りを入れる
「うぅ!ふふふ」
鈴はまた薄く笑うと、明日奈の腕を掴むとそのまま床に明日奈を叩き付けた
「あぅぅ!」
『マスター!ライトニングブラスター撃てます!』
それを聞いた明日奈は立ち上がると鈴にホワイトローズを向ける
「ごめんね、本当にごめんね、ライトニングブラスター!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ライトニングブラスターを喰らった鈴は壁に打ち付けられて元の姿に戻り倒れた
「鈴!」
明日奈はすぐに明日奈の元に駆ける
「大丈夫!?」
「はい、助けてくれてありがとうございます、明日奈さん」
それを聞いた明日奈は鈴を抱き締める
「良かった、本当に良かった元に戻ってくれて」
「私はもう大丈夫です、響から秘宝を奪い返して下さい、明日奈さん!」
鈴は明日奈の手をギュッと握りそう言う
「分かった」
それを聞いた明日奈は響に向かって歩く
「クリスティ、フォード、チーム29の皆をお願い」
「あぁ任せろ」
チーム29のメンバーの事をクリスティとフォードに頼むと明日奈は響と対峙する
「響、私ね今かなり怒ってるの」
明日奈はそう言うと剣を抜く、魔力が既に漏れているのか地面にヒビが入った
「そうかい、ならどうする?」
「あんたを倒す!」
明日奈は響に向け駆け出した




