一話
ジジルの国
ウィリアムは骨付きチキンを食べながら歩く、明日奈も食べている
「それで今からミランダさんの家に行くんですよね?」
「おう、居れば良いんだがな・・・」
ミランダはこのジジルの国の王都に住んでいる
「居ない可能性の方が高いの?」
「あぁあいつの性格を考えるとな、何か面倒な事に巻き込まれている確率が高い」
そして暫く歩くとミランダの家に着いた
「居ると良いんだがな」
ギルダーツはそう言うとドアをノックしたが、返事は無い
「居ないね」
明日奈は狐の耳をピクピクさせながら音を聞くが何も聞こえないので、誰も居ないと判断した
「やはりか」
ギルダーツはそう言うと、家の壁に近付き、一つのレンガを抜く
「何か有るんっすか?」
「おう、合鍵が隠されてるんだ、見てみろ」
ギルダーツが退き、明日奈とウィリアムに見てみろと言う、二人は言われた通り覗いて見ると確かに鍵があった
「お前らも覚えとけよ」
「はーい」
「ういっす」
ギルダーツは二人の返事を聞くと鍵を開けてミランダの家に入った、ギルダーツは一応ミランダを呼んでみる
「ミランダ居ないのか!」
返事は無し、ミランダは居ないようだ
「本当に居ないね」
『この家をサーチしてみましたが我々以外の反応は無しです』
ホワイトローズのお墨付きが出た
「そうだな、よしお前等手分けして家の中を回れ、ミランダは何か面倒事に巻き込まれた時は家に情報を残して行くんだ、それを探してくれ」
「分かった」
三人はそれぞれ家の探索を始めた
二階
明日奈は男達が一階を探しに行ったのて二階を探す
「埃とか立ってないし、多分数日前までは居たんだね」
明日奈の言う通り、床は綺麗で埃なども立っていない
「まずはこの部屋ね」
明日奈はまず階段を登ってすぐの部屋に入る
「客室ね」
部屋には二つベットがあり、それ以外にはクローゼットと机と椅子しか無い、明日奈はベットの下やクローゼットを覗いてみたり、壁を叩いてみたりしたが何も怪しい場所は無かった
「この部屋はハズレね」
二つ目三つ目と部屋を回るがミランダが残した情報は無かった
「後は二階にある部屋はここだけね」
明日奈は最後の部屋に入る
「ミランダさんの部屋かな?」
机には化粧品が置いてあり、ベットは一つ、クローゼットを開けると沢山の女性物の服があった
「ホワイトローズ、怪しい所ある?」
明日奈は見た感じ何も無かったのでホワイトローズに聞いてみる
『サーチした所、特には・・・』
「地道に探すしか無いか・・・」
明日奈は本の間や、机の引き出しなどを探してみるが何も無かった
「無いなぁ」
明日奈はそう言うと一階に降りた
一階
明日奈は二人を探す、まず見付けたのはウィリアムだった
「どう?ウィリアム」
「こっちは収穫無しさ明日奈は?」
明日奈は首を振る
「何も無しよ、ギルの所に行ってみましょう」
「そうだな」
二人はギルダーツの元に向かう、ギルダーツが居たのはリビング、その手には一枚の紙があった
「ギル、見付けたの?」
「あぁ」
ギルダーツはそう言うと明日奈に紙を渡す、そこには銀狼団とだけ書いてあった
「銀狼団?」
「銀狼団ってのはな、この世界の犯罪組織だ、金になるオリハルコンを盗んで色んな世界に違法に売っているのさ、この前のバーニーズ商会もここと取り引きしてたそうだ」
銀狼団は他にもこの世界で採れる特殊な金属で作った武器を盗み、色々な世界の闇組織に売っている
「何かあったんすかね?銀狼団と」
「さぁな、ただあいつは確実に面倒事に巻き込まれているって事だ」
ギルダーツはそう溜息を吐く
「一度地球支部に戻って部長に報告するぞ」
三人は一度地球支部に戻った
チーム29
ギルダーツはミランダの家に行った結果居なかった事と、ミランダが銀狼団と関わっている事を報告した
「うーむ銀狼団か・・・」
「ワトソンさん、最近奴等はなんか事件を起こしたのか?」
ギルダーツはワトソンに質問する
「奴等が起こした事件と言えば、列車を襲い鉱石を盗み出したそうだ」
「列車か、考えられるのは、その列車に乗っていた知り合いが傷付いて、それに怒ったミランダは銀狼団に喧嘩を売った、って事かねぇ」
ミランダは仲間思いの性格で、仲間や友達が傷付くとその組織に報復しに行くことが度々ある
「まぁ大体そんな感じだろう、あいつの家の周辺はあいつの知り合いだらけだからな、その中の誰かがその列車に乗っていて、銀狼団の者に傷付けられたのだろう」
ワトソンもほぼ同意見のようだ
「それで部長どうするの?その銀狼団のアジトに乗り込むの?」
「まぁ最終的にはそうなるが、アジトの場所が分からん、だからお前達に次の任務だ、銀狼団のアジトを見付けろ」
次の任務は銀狼団のアジト探しだ




