十八話
ブラックキャット本部ボスの部屋
怯んだウィリアムとギルダーツに向けて斧が振り下ろされようとしている
「クッソ!」
そこで少女の声が部屋に響いた
「ホワイトローズ、ブラスターモード」
『Yes、ブラスターモード』
明日奈は部屋に着くと、男が二人に向けて斧が振り下ろされようとしているのを見るとすぐにホワイトローズをモードチェンジさせ構えた
「ホーリーレーザー!」
明日奈はデュークの顔に向けてレーザーを放った
「ヌォォ!」
デュークは顔にレーザーが当たると怯み、後ろに数歩後退した、それを見た明日奈はウィリアムとギルダーツの元に向かう
「二人共大丈夫?」
「あぁ、奴は倒したのか?」
ギルダーツは差し出された明日奈の手を取り立ち上がると、倒せたのか聞く
「うん、倒したよ、ほらウィリアムも!」
「ありがとな、明日奈」
ウィリアムも明日奈の手を取り立ち上がる
「あいつ、何なの?」
「ブラックキャットのボスだ、ダークカードを使いやがったのさ」
明日奈はダークカードと聞くとギルダーツの顔を見る
「ダークカードってじゃあ、この組織にも・・・」
「デスイーターが絡んでるのかもな」
ダークカードはデスイーターが作った物、それをデュークが持っているという事はこの組織にも絡んでいる可能性が高い
「ギルさん、あいつ視界が戻ったみたいです」
デュークはこちらを見ている
「ほぅ、デスを倒したのか」
「えぇ」
明日奈はデュークに剣を向ける
「そうか、あれが負けるとはな、だが奴を倒せたからと言って俺を倒せるとは思わない事だ」
デュークはそう言うと斧を構える
「来るぞ明日奈」
「分かってる」
ウィリアムとギルダーツも再び戦闘態勢に入る
「行くぞ!」
デュークはそう叫ぶと飛びかかって来た
『ライトニングブラスターチャージ開始します』
「お願い」
明日奈はそう言うと応戦する
「セェイ!」
デュークの直線的な斧をかわすと、銃を数発撃ち、剣で斬り付ける
「効かん!」
デュークは明日奈の攻撃を全て弾くと再び斧を振るう
『ホーリーシールド、出力50%』
ホワイトローズがギリギリでシールドを張り防いだ、明日奈はすぐに飛び退く
「良いシールドだ!」
デュークはウィリアムに接近するとその巨大な拳で殴り付ける
「遅いぜ!」
ウィリアムはそれをかわすと、剣に魔力を回しその腹を斬り付けた、ギルダーツも横から魔法弾を放つ
「確かに痛い、痛いが、こんな物で今の俺を倒せると思うなよ!」
そう叫ぶと斧を振り上げる
「来るぞ!飛べ!」
三人はデュークが斧を振り上げると同時に飛び上がりその衝撃波をかわす
『マスター!』
「うん!ライトニングブラスター!」
明日奈はチャージ完了したホワイトローズを構え、デュークに向けるとライトニングブラスターを撃った
「ムゥぅぅぅぅぅ」
ライトニングブラスターはデュークに命中したが彼はそれを耐え抜いた
「ウィリアム今だ!メガファイヤサンダーニードルショット!」
「分かってますよ!双剣二十連撃!」
二人の渾身の技がデュークに命中した
「ヌォォ!まだだ!プロミネンスブレイカー!」
デュークは再びプロミネンスブレイカーを放った
『マスター広範囲のシールドを張ります、二人をマスターの後ろに!』
「二人共!私の後ろに入って!」
それを聞いたウィリアムとギルダーツは明日奈の後ろに入った
『ホーリーシールド出力100%』
「はぁぁ!」
明日奈はホワイトローズに更に魔力を送り、プロミネンスブレイカーに耐える
「・・・二人共攻撃して!」
プロミネンスブレイカーを撃って硬直したデュークにウィリアムとギルダーツが接近する
「もう一度行くぜ!メガファイヤサンダーニードルショット!」
「双剣二十五連撃!」
二人の攻撃が命中しデュークに大きな傷を付けた
『マスターの魔力は限界ですがホーリーブラスター撃てます!』
「はぁはぁ・・・うん!ホーリーブラスター!」
高出力の光の光線がデュークに放たれる
「グォォォォォォォォ!」
デュークはこれに呑み込まれ廊下の方に照射が終わるまで吹っ飛ばされた
「すげぇ」
廊下の先、明日奈とデスが戦った広場までデュークは吹っ飛ばされ、三人がそこまで行くと白目を向き気絶していた、体は元に戻っている
「勝ったね・・・」
明日奈かそう言った
構成員達を拘束して回っていた他のチームもこの本部の最奥地であるデュークの部屋に来て、彼の机や端末を調べている
、明日奈は目を覚ましたデュークの元に向かう
「ねぇ、あなたはダークカードをどうやって手に入れたの?」
明日奈は気になっていた事を質問する
「あれは、取引の報酬として貰った」
「そう、あなたはあれが誰によって作られたのか知ってる?」
デュークは首を振る
「知らん」
「そう」
明日奈は聞きたいことを聞き終わると彼から離れる
「あのカードの事、何て言ってたんだ?」
ウィリアムが質問する
「貰っただけだってさ、この組織はデスイーターとは関係ないみたいね」
「そうか」
実際、エージェント達が施設中の端末などを調べた結果、デスイーターと関係している資料や情報は出て来なかった
「俺達の仕事は終わりだ、帰るぞ」
ギルダーツが他のチームのリーダーとの話を終え戻って来た
「うん」
三人は外に出ると地球支部に向かって転移した




