八話
アラの町近くの街道
「ねぇ鈴?」
「はい、なんでしょう明日奈さん」
二人は薬草集めが終わり、アラの町に戻っている所だ
「あんたがさっき撃ってたのって、中級魔法なの?」
「はい、そうですよ、武器や矢へのエンチャントは中級魔法が使えるようになったら、出来るようになります」
「へぇ、ねぇ後で教えてよ」
「良いですよ、でも初級はそこまで難しくありませんが、中級からはそれなりに難しいです」
鈴が説明する
「ありがと、炎の剣ってかっこいいじゃない?ただ熱そうだけど」
「明日奈さんってかっこ良いか、悪いかで判断してる時が有りますよね・・・」
アラの町、門の前
いつもの門番が眠たそうに立っている、アラの町は基本平和なので暇なのだろう
「門番さん!、起きて!私達入りたいんだけど!」
「うん?あぁ明日奈ちゃんか、すまん半分寝てた、起こしてくれてありがとさん、あのまま寝ちまったら、隊長に殴られてたよ」
どうやら半分寝てたらしい
「門番さん、寝ちゃダメですよ?」
「おお鈴ちゃんもありがとさん」
ヴァンゴの薬屋
さっき来た時もそうだったのだかやはり客はあまりいないようだ
「お嬢ちゃん達、帰って来たのか、魔物に襲われなかったか?」
「えへへ、また襲われたの」
「襲われました・・・」
ヴァンゴは少し考えているようだ
「ふむ、それならちょっと、報酬を増やそう、それと次も任せて良いか?」
「良いのおじさん?それと次も喜んで任されるわ」
「おう、また危険な目にあったようだからな、遠慮するな」
ヴァンゴは報酬を取り出す
「報酬は二人で10000Gだ、それとギルドには俺が終了報告しておく」
「こんなに・・・ありがとうございますヴァンゴさん」
鈴がお礼を言う
「ガハハ、気にすんな!」
「それじゃおじさんまたね」
そう言うと二人は薬屋から出て行く
万屋
二人が戻るとアリシアが迎えてくれた
「二人ともお帰りなさい、どうだった?初めての依頼は?」
「うーん魔物に襲われたり、鈴の魔法の威力が高かったりして驚いたけど、上手く行ったと思う」
「私の魔法ってそんなに威力高いんでしょうか?、師匠の魔法しか見たことが無いから分かりません」
鈴は氷河の馬鹿威力な魔法が普通だったので普通の魔法の威力がどんな物か分からないのだ
「うーんそうねぇ、私の上級魔法は本気で撃ったら、山が吹き飛ぶ位の威力が有るんだけど鈴の魔法はどうなのかしら?」
「流石にそんな事は出来ません!」
鈴がすぐに否定する
「それじゃあ、あなたの魔法は普通よ、私達みたいな化け物は滅多にいないのよ?」
「ねぇ気になってたんだけどアリシアさんの本業って何なの?」
アリシアがずっと聞きたかった事を聞く
「ごめんね、話すことは出来ないの、あなた達がとある場所に来たら話してあげるわね」
「ふむ、気になります、でも話せないのなら、無理に聞くべきではありませんね」
「ええそうしてくれると助かるわ」
そう言うとアリシアは立ち上がり
「さて晩ご飯にしましょう、油揚げ、オマケしてあげるわ」
それを聞いた狐二匹はブンブンと尻尾を振り
「やった!油揚げ大好き!」
「私もです!」
と言ったそうな




