七話
第26世界インラーシダ
明日奈は犯人を追いかけていた
「待ちなさい!」
「誰が待つかよ!」
明日奈は近くにあった鉄パイプを逃げる犯人の足元、目掛けて投げた
「ウゲッ!」
男は鉄パイプを見事に踏み転けた
「ふっふっふ覚悟しなさい!」
明日奈は明らかに悪役の顔をしている
「く、クソ!」
男はまだ何とか逃げようとするので明日奈はスッと近付くと
「はい逮捕」
手錠をかけた
「ふぅ、終わりね」
「うん終わったね」
明日奈が振り返るのと同時に何者かが攻撃して来た、明日奈はギリギリで剣を抜き何とか防いだ
「さっすがだねぇ、でも後背中を狙っただけで倒せたら面白く無いしね!」
「あんたはあの時の」
明日奈はそう言うと押し返し相手を下がらせる
「あら?覚えてくれていたのね?」
「えぇ」
明日奈は剣を構えながら話す
「デスイーターのリサーナ、私の後輩幹部でしょ?」
「うん!当たり!」
リサーナはそう言うとまた飛びかかって来た
「今日はあんたを捕まえに来たの、響には行くな!って言われたけどあんたを捕まえたら褒めてくれるよね?」
「知らないわよ、それに捕まらないわ!」
明日奈は銃をホルスターから出し撃った、だがリサーナは手に持ったダガーで魔法弾を斬った
「そんな物?」
リサーナは左手のダガーを振ると見せかけ右手のダガーを振って来る、明日奈は左手のダガーを無視すると右手のダガーを剣で弾いてかわすと蹴りを放つ
「フェイント通じないのか・・・」
リサーナは蹴られた右腕をさすりながら話す
「当たり前じゃない、さっきのは左手に意識が行ってるのバレバレだったわよ」
そう言うと今度は明日奈から攻める、銃を牽制として何発か撃つ、リサーナはかわすが弾に気を取られていたため明日奈がすぐ近くに居ることに気付いて無かった
「ホーリーブレイド」
ホーリーソードより大きく張った光の剣をリサーナに向けて振る
「ふっ!」
リサーナは何とか上に飛ぶことでかわした
「危なかったわ」
「惜しかったわね」
明日奈はそう言うと上に居るリサーナを睨み付ける
「くっ!」
リサーナは怯んだのか、転移した
「あら?帰っちゃった、何なのよ?」
明日奈はそう言うと地球に向けて転移した
デスイーター、リサーナの部屋
リサーナは部屋に戻ると悔しそうにジタバタしていた
「何なのよ!何で私が負けるのよ!クソ!」
リサーナは暫くジタバタし続けた
チーム29
明日奈はワールドセイバー一階に転移して来るとエレベーターに乗り職場に向かった
「ただいま」
「おう、お帰り」
部屋に入ると居たのはウィリアムだけだ
「ウィリアム、部長は?」
「ギルさんと、明日奈が捕まえた犯人の事情聴取さ」
ウィリアムが双剣の刃を見ながらそう言う、恐らく刃こぼれを見ているのだろう
「そっか、それなら良いかな」
「どうしたんだ?何かあったのか?」
ウィリアムが刃から明日奈に視線を移して、質問する
「ううん何でも無いよ、心配してくれてありがとうね?ウィリアム、コーヒー飲む?」
明日奈はウィリアムに笑顔を向けて心配してくれたお礼を言う
「お、おう、砂糖とミルク入れてくれ」
ウィリアムはその笑顔に身惚れながら返事をした
ウィリアムは明日奈が淹れてくれたコーヒーを飲みながら明日奈の様子を見る
「やっぱり可愛いなぁ」
「?」
明日奈に聞こえたようで何が可愛いの?とこちらを向いて首を傾げている、ウィリアムは下を向いて誤魔化した
「おう、事情聴取終わったぞ」
「お帰りギル」
丁度良くギルダーツが戻って来て明日奈の注意がギルダーツに移ったのでウィリアムは安心した
「あいつはどうだった?」
「今地球支部が追っているマフィアの奴等とは違ったよ、つまんねぇ盗賊集団の一人だった、今は他のチームが仲間の逮捕に向かってる」
そう、今は地球支部は巨大マフィアを追っている、武器や薬の販売や子供を攫って色んな世界で売ったりしているので早急に潰す必要がある
「そう、隙が無いわね」
「だな、うちが一週間前から色々探ってるのに奴等の仲間が一人も捕まらねぇ、捕まえてもハズレばかりだな」
ギルダーツは少し悔しそうにそう言う
「本部も何処にあるのか分かってないんでしょ?」
「おう、本当完璧な隠蔽体質だよ、奴等はな」
この後もリストアップした人物の写真を見ながら三人で話し合った




