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金色の九尾  作者: ブレイブ
四章四部ワールドセイバーのお仕事1
145/335

三話

明日奈の自宅

明日奈は鈴が持っているスナイパーライフル型魔法銃を見せて貰っていた

「凄いわね、これ」

「鉄の国製のまぁ中級クラスの物です、上級の物は高くて買えなかったんです・・・」

鈴は尻尾を下げる、やはり良い物が欲しかったのだ

「今日の依頼はそれを買う為のお金稼ぎでしょう?」

「はい、そうです、やはり良い物が欲しいので力を貸してください」

鈴は現在Aランクである、それなりの高収入の依頼を受ける事が出来るのだ

「それに明日奈さんと久し振りに一緒に依頼を受けたかったのもあります」

こちらも目的の一つである

「ふふふそっか、じゃあ行きましょうか?」

「はい!」

二人は転移した




グラン王国王都

明日奈は久し振りに来た王都の風景を眺めていた

「懐かしいわね」

「そうですね」

鈴はそう言うと明日奈の手に触れる

「明日奈さん・・・」

「言いたい事は分かるよ、私はもう大丈夫だからね?」

そう言うと明日奈も鈴の手に触れる

「でも私がもっと早く気付いて居れば明日奈さんはあんな事にはならなかったんです!」

「そんな顔しないで鈴、私がああなったのは私の心が弱かったからだよ、あなた達が居なかったら私は今も闇に堕ちていたわ」

明日奈はそう言うと泣きそうな顔をしている鈴の頬に触れる

「あなた達が居ればもう私は大丈夫、だから笑ってよ鈴、私はあなたの笑顔が大好きだから」

「はい!」

鈴は良い笑顔を明日奈に見せた



グラン王都ギルド

明日奈と鈴は依頼書の山の前に立っていた

「相変わらずここは大量の依頼が貼ってあるわね」

「今日受けるのはAランクの依頼ですから、上の方ですね」

そう言うと鈴は上を見上げる

「あれ良いんじゃない?」

明日奈が指差したのはボルケーノリザードマンの討伐依頼だ、かなり高位の火属性の魔法を使って来る危険なリザードマンだ

「分かりました」

鈴はそう言うとその依頼書を取る

「それじゃ手続きをして来るので待っててくださいね」

「分かった、待ってるわ」

明日奈は椅子に座り窓から外を見る、獣人や人、エルフなど様々な種族が大通りを歩いている

(猫族って可愛いわね)

明日奈は歩いている三毛猫に似た尻尾や耳を持っている、猫族の女性を見る、猫族の女性は視線に気付いたのかキョロキョロしている

「明日奈さん終わりましたよ」

鈴が手続きを終え戻って来た

「そう、それじゃあ、行きましょうか」

明日奈は猫族の女性から視線を離すと鈴と一緒にギルドを出た



サザキの山

山の麓に良い壺が置いてある、明日奈はその壺を指で弾いてみる

「良い音ね」

「はい、良い物です」

二人は壺を後にすると山を登りだす

「どの位登ったら良いの?」

「依頼書によると、この山の中腹辺りまで登ったら居るそうです」

ボルケーノリザードマンは山の中腹に生息している、必ず一頭で行動し群れは作らないが人間を良く狙う為、定期的に討伐しないとこの山を訪れる人々に被害が出る

「そう分かったわ、行きましょうか」

二人は進んで行く



山の中腹

明日奈と鈴はボルケーノリザードマンを見付けた

「・・・」

「・・・」

二人が何故無言なのかと言うと

「燃えてるわね」

「はい、体全体が燃えてますね」

そうこのリザードマン、全身が燃えているのだ

「近付くと熱そうね」

「どうしますか?ここから私が狙い撃ちましょうか?」

鈴が銃を構える

「そうね、一発お願い」

「分かりました、狙い撃ちます!」

鈴はリザードマンに狙いを付けると撃った、がリザードマンは反応しその弾を体を仰け反らず事でかわした

「何あれ」

「凄い動きでかわしましたね」

リザードマンは弾が来た方向に敵が居ると判断し警戒しながら近付いて来た

「こっちに来たわね、私が飛び出すから援護お願いね?」

「分かりました」

明日奈は茂みから飛び出しリザードマンに接近する、リザードマンはすぐに気付き、腰にさしている、これも燃えているレイピアを抜いた

「熱い!」

明日奈は魔法銃を三発撃ち、剣を左斜め下から斬り上げる

「フッ!」

リザードマンは魔法弾を全てかわし明日奈と鍔競り合いに入った

「鈴!」

明日奈は鈴の名前を呼ぶ、呼ばれた鈴はすぐにリザードマンに銃を撃つ

「当たらんよ!」

リザードマンはまた全てかわしたが明日奈は少しおかしな事に気付いたので止まる

「・・・」

「・・・」

そして明日奈とリザードマンは見つめ合う

「・・・」

「・・・どうした?妖狐族の剣士よ」

そうこのリザードマン喋っているのだ

「あんた喋れるの?」

「うむ、そんな事より手合わせを続けよう」

リザードマンは手合わせを続けたいようだが明日奈はまだ聞きたいことがある

「ねぇ?あんたの種族名ってボルケーノリザードマン?」

「違うぞ?私は竜人族だ、それとそのボルケーノリザードマンは私が倒した」

明日奈はやっぱりと思い彼に理由を話した



竜人族の男は明日奈達がこの山に来た理由を聞くとボルケーノリザードマンを倒した場所に案内してくれた

「うむ、すまなかったな、あんな所に私みたいな者が居れば勘違いもするだろう」

「こちらこそごめんなさい、まさか技の実験をしているとは思わなかったわ」

この竜人族の男は今は燃えていない、火の鎧と言う全身に火を纏わり付かせる技のテストをしていたそうだ

「よしここだ」

彼が指をさす先、ボルケーノリザードマンの死体があった

「ねぇ本当に良いの?」

「はい、人が倒した物を貰うのは少し気が引けます」

明日奈と鈴はこのまま貰うのは悪い気しかしないのだ

「別に良い、持って行け」

彼はそんなことどうでも良いと言った様子だ

「ありがとう、ありがたく頂くわ」

明日奈は彼に礼を言うと鱗を剥ぎ取り彼と別れ山を降り始めた

「しかし驚きましたね」

「そうね」

二人は王都に戻って行った




鉄の国

明日奈と鈴は報酬を受け取ると鉄の国に転移し、ガンショップに向かった

「どれにするの?鈴」

「勿論これです!」

鈴が目をキラキラさせて指をさしたのはH&KPSG-1に似た魔法銃である

「これは色々弄られたカスタムモデルでかなり性能が高いんです!始めてここに来た時から欲しかったんですよ!」

鈴は興奮した様子だ

「お金足りるの?」

明日奈はお金が足りるのか?と聞いてみる

「はい!これの為にずっと貯めてましたから!」

鈴はそう言うと店主の元に向かい、ついに念願の銃を手に入れたのだ



明日奈はホクホク顏の鈴とまた暫しの別れを告げていた

「それじゃまたね?鈴」

「はい!今日は楽しかったです、また一緒に依頼を受けましょうね?明日奈さん」

鈴はそう言うと笑った

「ええ」

明日奈も笑うと鈴に手を振り別れた



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