十八話
天上街
この天上街は天使や引退した神、妖狐、妖怪などが暮らしている、天界と比べると娯楽施設が多かったりもする
「でだなうちの娘は本当に可愛いんだ」
「そうかいアシュレイさん、何回目だいその話、もう帰ってくれ・・・」
アシュレイは酒場で酔いに酔っていた、店主に明日奈の話をするのはもう三回目である
「何だと?うちの娘の話が聞けねぇのか!」
「そりゃ何回も聞かせられたら飽きるよ・・・」
アシュレイは店主に構わず話し始めた
「明日奈はなぁ神狐に良く似ててだなぁ」
「うんうん、私がお母さんに似てて?」
アシュレイは反応が返って来たので嬉しそうに話す
「それでだなぁ、本当外見も性格もよーく似てるんだ、泣き虫で甘えん坊な所がな」
「へぇそう、お母さんも甘えん坊なんだ」
アシュレイは相手の声の主が明らかに怒った声になって来ているのに構わず話す
「そうだ、妻も娘もそう言う所が可愛くてだなぁ、あぁ明日奈早く帰って来ねぇかなぁ」
「私ならここに居るんだけど」
アシュレイはこの言葉を聞いてようやく話を聞いているのは誰なのか理解した、恐る恐る振り返ると涙目で恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして怒っている明日奈がいた
「この馬鹿親父!」
「ぐほぉ!」
アシュレイは明日奈に思いっきり殴られた
居酒屋
明日奈は気絶している父親は無視し店主に謝っていた
「ごめんなさい、お父さんが迷惑かけて」
「別に良いよ、それよりあんたアシュレイさんの事をお父さんと読んでいたが、まさか神狐様の娘の明日奈姫様かい?」
明日奈は店主の質問にうっとなった、そう言えば自分を神狐の娘と知っている人は私の事を姫と呼ぶんだったなと
「うん、そうよ」
「そうかいそうかい!姫様がうちの店に来てくれるなんてこれ以上嬉しい事はないよ!なんか食べて行くかい?」
明日奈は首を振って断る
「家でもう夕食が用意されてるの、ごめんね?また来るわね」
「そうかい、それじゃまた来なさい」
明日奈はそう言う店主に手を振ると気絶しているアシュレイに近付きペチペチと頬を叩く
「ほらお父さん起きて、帰るわよ」
「うぅ、明日奈が俺を殴る筈が無い、そうださっきのは夢だそう夢だ」
アシュレイはどうやら明日奈に殴られたショックで気絶したようだ
「お父さん、起きないともう一度殴るわよ」
「はい!すみません!ってマジで明日奈に殴られたのか・・・」
アシュレイは明日奈の脅迫に反応し飛び起きると、先程の事は現実だったのかとショボくれた
「何落ち込んでるの?さっさと帰るわよ」
「おう・・・」
明日奈とアシュレイは店を出た
明日奈はアシュレイの前を歩きながらこの天上街を見て歩く、雪女やバービーなど、見れば見るほど住民の基準が訳が分からない事になっている
「なんか変な街ね、あっちには天使がいるし、って天使って本当にいるのね」
「おう、あいつらは滅多に地上には降りねぇがこの天上界や天界には沢山いるぜ?」
アシュレイはショックから立ち直ったようだ
「この街はどうやら神狐の先代がこう言う風にしたらしい、どんな種族でも暮らせる理想郷を目指したそうだ」
「ふーん、だからこんなに色んな種族の人がいるのね」
明日奈がそう言うとハニービーの少女が明日奈に蜂蜜飴を渡して来た
「私達の蜜で作ったの、美味しいから食べてね」
「ありがとう、頂くわね」
明日奈がお礼を言うと、少女は笑顔で立ち去った
「うん確かに美味しい」
「明日奈、お前変わったな」
明日奈はそう言うアシュレイの顔を見ると笑顔を見せる
「そうね、私は変わったよ」
「そうか」
アシュレイはそんな明日奈の頭を撫でる
「それじゃ帰るか」
「うん」
二人は家に帰って行った
神狐の館
明日奈は夕飯を食べ、家族と色々な話をした後風呂に入っていた
「ふぅー、気持ちいい、やっぱりお風呂はこうじゃなきゃね」
「そうじゃのう、随分と成長しよって」
神狐は明日奈の体をニヤニヤ見ながら風呂に入ってくる
「お母さんには敵わないわよ」
「そうかぇ?お主の物も中々じゃろうて」
神狐は明日奈の胸をジロジロと見る
「恥ずかしいからやめて」
明日奈は手で胸を隠す
「なんじゃ折角良い物じゃったのに・・・まぁ良い、明日奈風呂から出ろ頭を洗ってやる」
「うんお願い、お母さん」
明日奈は母に頭を洗って貰い、その後自分で体を洗うと、母と一緒に眠った




