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金色の九尾  作者: ブレイブ
四章一部ワールドセイバーの新米エージェント
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十六話

天上界

明日奈は転送板の上に現れると、神狐のアクセサリーを服の中に戻し歩き始めた

「相変わらず馬鹿みたいに広いわね」

明日奈は広々とした草原を眺める

「お母さんにどんな顔をして会ったら良いんだろ・・・」

明日奈は闇に堕ちてしまった、その事を気にして合うつもりにはなれなかったのである

「怒られるよね」

そして館に着き明日奈はドアを開けて中に入ると、真っ直ぐに母の部屋に向かいノックした

「誰じゃ?」

「私だよ、お母さん」

部屋の中からガタゴトと音がすると神狐が飛び出して来た

「一発覚悟しりゃれ」

神狐はそう言うと明日奈をブった

「うっ」

そして神狐はすぐに明日奈を抱き締めた

「全くこの馬鹿娘が、闇になんぞ落ちよって、何故過去に辛いことがあったと言わんかった、言っておればわっちが何とかしてやったのに」

「あの頃の私は誰かを本当に信用するのが怖くて仕方なかった、お母さんは私を愛してくれていたのは分かってたけど心を許すのが怖かったの」

明日奈は瞳に涙を溜めながら言う

「そうか・・・だが今はどうなのじゃ?」

「今は違うよ、お母さんもお父さんも皆も大好き、私の心を暖かくしてくれたから」

明日奈は瞳に涙を溜めながらも笑う

「ワシはお主が辛い時に何も出来んかった、だからお主を更に愛そうお主の心がもう凍ってしまわぬようにな」

「ありがとうお母さん」

明日奈は心に母の愛を感じると母の胸で泣き始めた、神狐は明日奈が泣き止むまでその頭を撫で続けた



神狐の部屋

明日奈は泣き止むと、顔を真っ赤にして母からそっぽを向いていた

「クククどうしたじゃ?明日奈、こっちをみてくりゃれ?」

「さっきのは忘れて!私があんな子供みたいに泣くなんて・・・もう!恥ずかしい!」

明日奈は布団に顔を埋めてバタバタする

「忘れる?何を言っておる、あんなお主の可愛らしい姿一生忘れられんわ、写真に撮っておけば良かったのぅ」

「そんな事されたら私恥ずかしくて死んじゃうわ!」

だがそれも神狐が頭を撫で後ろから抱き締めると止まる

「ククク、すぐに大人しくなりおって、素直じゃ無いのう、お主は」

「さぁ?素直じゃ無いのは誰に似たのかしらね?」

明日奈は拗ねたような顔をしながら言う

「何じゃワシの事を言っておるのかぇ?」

「そうよ」

それを聞いた神狐は明日奈を離すと体を自分の方に向かせると両頬を抓った

「生意気な、娘にはこうじゃ」

「いひゃいいひゃい、やへておかはさん」

明日奈は止めるように言うが神狐は止めない

「悪い事をしたのなら言うことが有るじゃろうて」

「ごへんなひゃいおはあしゃん」

神狐は明日奈の様子にクスクスと笑うと明日奈の頬を抓っている指を離した

「痛いわよ、また泣いちゃうよ?良いの?」

「ぬ?良いぞ?お主は本当は泣き虫だと言う事は今日よく分かったからのう」

明日奈は首を振る

「ふん!もう泣かないわよ!」

「どうだか、さて明日奈お主は九尾になったのじゃろう?」

神狐の質問に明日奈はその通りなので頷く

「そうか少し頭に触れるぞ?」

「何なの?お母さん」

明日奈の質問に神狐は理由を話し始める

「お主はワシの子じゃからのぅ、お主なら九尾になれば恐らく神としての資格が現れるかもしれん、ワシなら頭に触れるば分かるから触らせて欲しいのじゃ」

神は九尾になったからと言って誰でも慣れる物ではない、それ相応の資格が必要だ、明日奈のように親が神で有るなどだ

「分かった良いよ」

明日奈は先程散々素直じゃ無いと言われたので頭を素直に差し出す

「うーむ」

「どうなの?お母さん」

神狐は目を瞑って明日奈の中に有るかもしれない神としての資格を探している

「あった、やはりのう、お主は時の神じゃ」

「時?」

明日奈はイマイチ分からないので首を傾げる

「時の神は全ての時間を司る神じゃ、その使命は時間を守り時の進行を常に正しく保つ事じゃ」

「へー」

今の明日奈には全く自覚が無いので生返事だ

「時の神はのぅ、大分前に引退してもうて、ずっとワシが兼任しておったんじゃ、お主が完全に覚醒したら大分楽になりそうじゃ」

「神様って引退とかあるのね」

明日奈は少し意外に思った、神はずっと変わらずそのまま現在まで来た物だと思っていたからだ

「ワシも確か九か十代目の天上神じゃ、引退した神々は天界かこの天上神の何処かで伸び伸びと暮らしておるよ」

「へぇー」

神は基本暇なので神の交代はその神の気まぐれである

「ワシのように全ての神の長であればそれなりに忙しくのじゃが、他の神はのぅ、そんな時間やら太陽やらを脅かせる存在など滅多に現れないから暇なのじゃよ」

「それじゃ私も覚醒してもそんなに忙しく無いの?」

神狐は頷く

「うむ、忙しく無いじゃろう、普段は自分のやりたいことをしたら良かろうて」

「それじゃ下界で普段はワールドセイバーとして働くことにするわ」

「そうすれば良かろうて」

神狐も特に問題は無いので頷いた

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